睦月の二

●1月某日: ここは寒冷地なので雨戸を閉めて寝ていたら、朝になっても明るくならないので子どもが全然起きないですねw 

朝、ストーブの上で焼いたお餅をいただいたのがすごーくおいしかった。箱根路に後ろ髪ひかれつつ、南蔵院へお参りに。お寺は「初詣」って言わないんですっけ。しかし南蔵院神仏習合というかもっとカジュアルな感じなのでちゃんとおみくじもあり、私は大吉を引きすごくいいことが書いてあったので大満足であった。

箱根、青学がいくつかの区で苦戦して思いがけず順位を落とし、往路優勝は去年に続いて東洋! 差はだいぶある。明日このままいくのかしらん。

夕方帰宅。元日の新聞、西日本(実家)と毎日(買った)をじっくり読んだんだけど、毎日のクオリティが明らかに下がっている気がして心配だ。西日本は、上野千鶴子荻上チキの対談もすごくよかったのに。

夜ご飯、おせちの残りのほか、ほうれんそうやネギのトマトパスタ。大人は辛く。録画はいろいろあるけど年末年始のを優先して、嵐にしやがれ星野源パートを見たり、紅白の最後のほうを再見したり。

サクがお手製のおみくじを作る。「1人3回ひいていいよ」っていう太っ腹だけどご利益なさそうなおみくじであるw 


●1月某日: 箱根駅伝、東洋トップで往路スタート、その後なんとなんと、8区で東海が東洋を抜いて独走態勢に入る!! こうなったら東海を大応援ですよ!! 青学は8位くらいから3位まで盛り返して、こちらも盛り上がったわ~。

帰省するときコンセント抜いていったら、帰ってからなぜかwi-fiがつながらなくなっており(泣)、夫が奮闘。結局、モデムもルーターも入れ替えた。耐用年数はだいぶ超えてたと思うのでちょうどよい機会にはなった。ルーターを買いにいくのについてったサクはお年玉で新しいゾイドを購入、こちらも奮闘しながら作り上げておった。夕方、ランニング5.5キロ。快調! 

そのとき熊本の和水町震度6弱地震。うちも少し揺れたらしい。夜ごはんは、さば、みそ汁、がめ煮、ほうれん草など。

 

師走の十七 / 睦月の一

●12月某日: 今年のランニングおさめ、3.5キロだけ。忙しい大つごもりだが、あまりに天気が良いので我慢できなかった。肝心のランの調子はあまりよくなかったけど、ハハハ。昼ごはんを食べたあと、夫が発熱。協議の結果、義実家への帰省はとりやめることにする。となると、食べ物を用意しなければならん! サクと買い出し。年末のスーパーめっちゃ混んでる!そしてめっちゃ高い! でも買うぞ! 

ということで、夜ごはんは、牛肉、もやしとしめじと春菊。握り寿司。大根サラダ。紅白見る! ウッチャン、今年も大活躍。というかウッチャンにおんぶに抱っこ。と思ってたら、ユーミンが超もって行った!!

emitemit.hatenablog.com

●元日: あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。サクと一緒に郵便受けを見に行く。年賀状の束を見つけると子犬のように喜んで持って帰り、誰宛に来たものか仕分けしている。自分も子どものころこうだったなあと思いだす。今年のランニング始め、5キロ。すごく曇った元旦だ。でもランの調子はすごくいい! お昼は簡単にちらし寿司。

午後、夫の実家へ。今年の初運転。サク、ハウステンボスの写真のみならずガイドブックまでもっていってじぃじ・ばぁばに説明している。そして人生ゲームも持っていき、2019年の連戦が始まるのであったw 今年も義父のおせち、お雑煮。お刺身もおいしい。そしてなんと新春、エビチリデビューした義父である。ネットでレシピを調べて作ったらしい。おいしかった!

『飛ぶ教室』 エーリヒ・ケストナー

名作なので今さらおすすめするまでもないかもしれないけど好きすぎるので~! 

ドイツ版、『君たちはどう生きるか』といってもいいかと。誰かマンガ化したらどうかな。

ギムナジウム」といわれる、日本でいえば中学生前後の男の子たちが通う寄宿学校。
同じ作者の『エーミールと探偵たち』の感想にも書いたけど、この年代の子が主人公である小説に、私が求めるものがすべてつまっているといっても過言ではない! 

一人ひとりが生き生きと描かれている。それは、裏を返せば一人ひとりの痛みがしっかりと描かれているということでもある。

作者いわく、「子どもの涙がおとなの涙よりちいさいなんてことはない」と。
「子どものことを やたら幸せでおめでたい生き物だと思うのは大人の思い込み。生きることのきびしさは、お金を稼ぐようになって始まるのではない。人生ときたら、まったくイヤになるほどでっかいグローブをはめているからね!」 

本当にそのとおりだと思う。この子たちの親に近い年齢の私は、読みながら何度も涙した。

救いは、子どもたちの生命力と、彼らの痛みに寄り添う大人たちの存在だ。子どもらに寄り添う大人たちもまた、かつて痛みを抱える子どもだったのだ。重層的なエピソードを通じて、多様性と正義感、倫理観を感じさせる。物語が優れているのは、道徳の授業のように教条的にならず、子どもを楽しませることができるところ。

冒頭、吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』と並べて書いたのは、両作が同じ時代背景で書かれたからだ。
『君たちは』…は1937年、軍のファシズムが拡大し、挙国一致の戦争へなだれこむ日本の世相の中で書かれた。この『飛ぶ教室』は1933年、ナチスがドイツの政権を握る中で書かれた。

ケストナーは、この小説の作中、クロイツカム先生の言葉を借りて、

「平和をみだすことがなされたら、それをした者だけでなく、止めなかった者にも責任はある」

と書いている。
そして「まえがき」の中の一節。

「ぼくがこれから言うことを、よくよく心にとめておいてほしい。
 かしこさを ともなわない勇気は乱暴でしかないし、勇気をともなわないかしこさは、屁のようなものなんだよ! 
世界の歴史には、かしこくない人びとが勇気をもち、かしこい人びとが臆病だった時代がいくらでもあった。これはただしいことではなかった。
勇気ある人びとがかしこく、かしこい人びとが勇気をもつようになってはじめて、人類も進歩したなと実感されるだろう。」

ケストナーはあまりに人気作家で、ナチスも迫害できないほどだったらしい。けれど、こういう物語ですら、第二次大戦にまつわる悲惨な歴史を止められなかったことを思うと慄然とする。

吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』が、今この時代に再びベストセラーになったのもうれしいけれど、私は読むたびに泣いてしまう。東京に住む主人公コペルくんたちは、あの物語の数年後、徴兵されるか、空襲されるか、親と離れ離れで疎開するか…いずれにせよ、何らかの形であの戦争の犠牲になった世代なのだ。
戦争に限らず、歴史のうねりのような大きな流れを止めるのってとても難しいのだと思う。

●『エーミールと探偵たち』 

●『君たちはどう生きるか

emitemit.hatenablog.com

※息子、『エーミール』は小2の夏休みに「めちゃくちゃ面白い!」と。この『飛ぶ教室』は冬休みに最初の1,2章を読んでみたけどピンとこなかったようで、次の夏休みにでもまた読み聞かせてみようと思う。

師走の十六

●12月某日: 午前中、銀行行ったり、近所でいろいろ所用。すっごく寒い! 耳が、ほっぺが、痛いくらい。サク、「マリオジャンプ」しながら歩く。ジャンプするたびに私が「ぽよ~ん」と初期マリオっぽい効果音をタイミングよく添える。ふっ、平和・・・。しかし寒い。

夜は、夫は会社の納会、私はサクと2人でしほちゃんちへ。恒例の、というべき年忘れ飲み会~! 食べて~ 飲んで~ しゃべって~ ワインをセーターにこぼして~ こぼしたことに気づかないくらい楽しく飲んでいた~w

●12月某日: 年賀状をダーッと印刷して、ダーッと一言ずつ書いて、出す!


ランニング10キロ。最初の2キロはサクと一緒に。小2もキロ6分半くらいで走れるようになってる。現在の気温4.3度! キンと冷えた中でのランニング、けっこういいものなんですよ。

夜ご飯は、鶏手羽とトマトの野菜煮、もやし炒め・・・を、夫が同窓会に行く前に作ってくれた! あと、レタスとほうれん草のサラダ。アシガールSPの録画見る! あっというまの90分!!

●12月某日: 大掃除しなきゃなーと思いつつ現実逃避(ネット)。とりあえず、パソコン移行のためハードディスクの整理。年末年始は工作だーと燃えているサクの必要資材を買いにグッデイに行ったり。午後は家計簿とそうじちょこちょこ。夫がメンチカツを作る。超ウマ。そして、はやばやとガスレンジ周りの大掃除をしたりしてなかった私、グッジョブw 菅田将暉TVの録画も見る!

 

師走の十五

●12月某日: サク、6時10分に目が覚める。「6時半まで(ふとんの中で)がまんする」と謎のストイックさを見せていたw サンタさんが2か所に分けて置いていってくれたゾイド。さっそく一体を作成。これぞ「朝メシ前」ってやつねw 

午前中、仲良しの友達が遊びに来る。お母さんがお仕事のあいだ預かっていたのだけど、私の買い物があったので、一緒に天神に行った。すごくいいお天気なのでアクロス山にのぼったり。お昼は、サク「ハンバーガー」Nくん「パスタ」 どっちもイヤだな~と思い、大人の権限でおうどん屋さんに入るw 連休とかクリスマスとかで暴食ぎみだから、あっさりしたものが食べたかったの。

夜は、帰福したしずとごはん会! 双子ちゃんと赤ちゃんを連れて飛行機で移動してきた当日だから、駅から近いお店にしようと思ったのに、クリスマスだったりでなかなか予約がとれず、結局駅から10分ほど歩くお店になってしまった…。でも、何もかも美味しいお店だったし、夜ごはん大人だけで食べに行くのなんて久しぶり~というしずりんが喜んでくれたのでよかったとしよう! 八女抹茶の生ビールっていうのがあったので頼んでみた。まっ抹茶色(真っ赤、真っ青的な)だけじゃなくて味もお抹茶だったよ!


●12月某日: 最近、本屋に行くと例の日本○紀を少しずつ立ち読みしてる。雑なコピペも問題だけど、やっぱり全体を覆う安直な「日本バンザイ中韓は卑劣」なムードが今後深刻な悪影響を及ぼすことだろうなと。暗澹。サクは(大人向けの)折り紙の本にロックオンしていた。お年玉で買いなはれ。

今年最後のスイミングで、サクが水着を忘れて帰ってきたことが発覚。うう。夜ごはんは、餃子、白菜と春雨のスープ。夫は今年最後のマージャン。


●12月某日: サク、午前中、公民館の「忍者教室」。え~それ面白いの?って感じで行ったけど、帰ってくるとおもむろに認定証やら忍術表やらを見せて説明していた。「火影」っていうレベルらしいw 1月にやるプレゼンの準備をしている。間に合わない気がするんだがw 夜ご飯は、シチュー、小松菜のおひたし、ひじき。この冬はここまで、野菜が安いのが助かる。去年はほんと高くてつらかったから。

 

師走の十四

●12月某日: 午前中ランニング7.5キロ。雨まじりのランだけど、なんか気持ちよかった。お昼はひき肉とほうれん草のパスタ(by夫ね)、大人は辛ーく。午後、ドライバー私でドライブ。夜ご飯は、肉巻き串、砂ズリ串、つくね、アゴの干物、ごまアジ、フライドポテト、サラダなど。夫が、自分の手際の悪さに納得いかず(これだけ作ろうってそら大変よ…)途中はテンション下がっていたが、結果的にすべてものすごく美味しく見栄えもよくできてヒャッホーとなっていた。彼が仕事関係でもらってきたマッカランのすごくいいやつを飲む。さすがに美味し!


●12月某日: 今日もすごくいい天気! 散歩がてら、クリスマスのチキンを買いに行く(作る気はない)。昼は、ねぎと干しエビたっぷりのチャーハン。年賀状の宛名印刷とうら面の作成。午後、ハウステンボスのおみやげやクリスマスの買い物をもって実家へ。その間、サクと夫はクリスマスケーキ作り。といってもカルディで買ったスポンジに生クリームやチョコペン等でデコッただけだけど、それをやってあげる夫えらいよね(私はやる気ない)。夜ご飯は、チキン、しめじとほうれん草炒め、サラダ、生ハムなど。スパークリングワインも! 

師走の十三

●12月某日: 終業式。サクが帰ってくる前にやることがいっぱいある~~~! 最後は走って移動。夫も帰ってきてみんなで昼ごはん、野菜が多い親子丼。それから一路、佐世保へ出発。発売されて間もない星野源『POP VIRUS』を聴きながら。(ここから)佐世保まで110キロあるらしい。知らなかった。もうちょっと近いかと思ってた。

4時前「へんなホテル」オープンした新棟にチェックイン。つまり我々がこの部屋のファーストゲストってこと。なんちゃって和風な造りになっていておもしろい。ロボットの数も削減されていて、別に「へんなホテル」ではなくなってきている気もするがw 
家族で3度目のハウステンボス

f:id:emitemit:20190322225008j:plain

・「ふくろうの森」(フクロウをなでなでできる、手乗せもできる! スタッフさんのフクロウへの愛情深さも◎)

・バハムートディスコ (できて6,7年かな~既に古さも感じたがw 子どもは超喜んでいた。ていうか子どものリズム感すばらしい。親は疲弊)

・ロボットの館 (とてもささやかなとこなんだけどサクはここが好き)

・釣りアドベンチャー(サクにとってのメインイベント。何度リピートしたことか)

・ごはん(@プッチーニ。フェトチーニ、豚肩ロース煮込み、美味しかった)

インベーダーゲーム (川を挟んで建物の壁に向かって撃つ。新しいアトラクションみたい。よくできてる)

・釣りアドベンチャーリプライズ(どうしても行きたいと言われ・・・。すげー遠かったよ)

・観覧車(上から見るイルミネーションは迫力。地上から見ると妙な世紀末感があるんだけどw)

バスに乗ってホテルに帰り、おふろ、2次会~。

f:id:emitemit:20190322225102j:plain

へんなホテル、和風な新館のファーストゲストに


●12月某日: ホテルのそばのレストランで朝食ビュッフェ。ここ、凝った品があるわけじゃないけど、素朴でお気に入り。サクがサク史上最高にたくさんビュッフェしてた。

水族館「海きらら」へ。初めて来た。九十九島をはじめ、近海の生き物に特化した水族館で、さほど大きい規模ではない…ことを示すように入場料もさほど高くなかったのだけれど、その割には展示の量も質もすばらしかったよ?! 

クラゲの研究所もあって、その関係で、ノーベル賞を受賞し、今年急逝された下村脩さんが名誉館長だったらしい。すごくおもしろかった。私も夫も、子どもと行くようになってから水族館が大好きになった。水族館って、動物園よりもっと多様性を感じる。

それにしても今日もあたたかい。コートもジャンパーもいらない。そしていい天気! 夜ご飯は鍋にしたよ。フィギュア全日本選手権男子SP、高橋大輔が88~点で2位! NHK『忍べ!右左エ門』超おもしろかった!!

 

『3年A組』 終わりました

f:id:emitemit:20190320222032j:plain

菅田くんサイコパスの謎解きミステリーかと思いきや、平成最後の熱血先生だった『3年A組』でしたが、その中心テーマが【SNSリテラシー】なのが現代性なんでしょうね。

顔が見えないやりとり。
匿名の不特定多数が集うSNS
軽い気持ちのつぶやきでも、重なって束になるとものすごい威力となり、社会的にあるいは実際に人を殺してしまう。

「ネットの情報の真偽を確かめず、ノリでお祭り騒ぎに加わってはならない。目の前に相手がいるとしたら何にどう傷つくか? 想像力を働かせていろんな可能性を鑑み、自分の頭で考えて、自分の言動に責任を持たなければ・・・!」

主に中高生向けのドラマなので、大事なことはストレートにセリフで説明してくれる柊先生(菅田将暉)です(笑)

確かに大事なテーマだと思う。遡ること数年前、フィギュアスケーター安藤美姫が未婚の母になったことを告白したとき、ネット上の無責任な放言暴言に怒り心頭に達していた私だ!

みんなが柊先生の言葉を心に留めてSNSと付き合ってくれたらいいのですが、なかなか難しいでしょうね…。
SNSそしてメディアリテラシーを問われるべきは、中高生よりも、まずもって大人だと思うからです。

柊先生がクラスの生徒を人質にとり、一人ずつの嘘や欺瞞、心の弱さを容赦なく暴いていくたびに、

「18歳をそんなに追い詰めないであげてぇー😭 
 子どもたちは大人の姿を見て育ってるんだから、自分の頭で考えず周りに流されるのは当たり前なのよぉー😭 
 まずは大人が変わらないといけないのよぉー😭」

と心で泣いていたわたくし。
いっそ、生徒じゃなくて先生や親を人質にとって立てこもってくれたらモヤモヤしなかったのにな…。って、それじゃ学園ドラマにならんわなw

“ 本当は熱血教師で、本当は私たちのことを誰より真剣に考えていて、命を懸けて教え諭してくれる ” 先生に、徐々に子どもたちは心酔していくわけですが、各所に爆弾をしかけ自分だけ情報を握り、力と恐怖で教室を支配して、怒鳴るどころか殴る蹴るの暴行まで加えて生徒たちを目覚めさせていく柊一颯さんのやり口は、パワハラどころかDV人間といって差し支えないので、10代のみなさんは現実にああいうタイプを肯定してはダメですよ! ストックホルム症候群とか調べてね!!(老婆心)

それはともかくとして、回を追うごとに視聴率も上がり、中高生を中心に大きな支持を集めたというこのドラマ。

今の若い人は子どもの頃からスマホSNSを通じた人付き合いをすることで、より空気を読みあい、より軋轢を避けたがる傾向にあると言われるけれど、本気で怒って説教して最後は一緒に泣いてくれる先生(大人)、泣いて叫んで間違いも弱さもカッコ悪くさらけ出す仲間たち、そういう「生身のぶつかり合い」を魅力に感じるんだなあ~とホッとするような。

29人の生徒たちが、タイプはそれぞれ違えど、全員ナイーブな子どもとして設定されているのも今どきだなあと思いました。体育会系も、イケメンも、人気者者もお調子者も、全員に悩ましい屈折がある。

f:id:emitemit:20190320222217j:plain

そして生徒たちの演技が全員うまくてびっくり! 彼らの涙にはいつもリアリティがあった。最終回、手錠をかけられた先生を見送る生徒たち1人1人の表情のすばらしさ! 
菅田将暉は、最初のころの教室での露悪的な芝居はどうもフワフワして見えてノレなかった。菅田くんにも難しい演技ってあるんだなと思ったものです。でも、本心をあらわにしたストレートな叫びの芝居や、時折見せる、裏腹の虚無的な表情はさすが。最終回のライブ中継も、痛々しさも含めすばらしかった…

最後、すべての目的を果たして憑き物が落ちたようになった表情での生徒たちとの別れ、そして元カノと顔を合わせて見せる初めての頼りなげな顔! 思わずホロリときてしまいました。ええ、結局、菅田ファンなので…😅

菅田ファンを5年以上やっとりますが、息子役、弟役、若手役・・・みたいな役を多くやってきた彼が先生になって生徒たちに慕われている姿にはしみじみ。

フィクションでも、生徒(役)たちを前に主演として教壇に立つって独特のプレッシャーや責任感があるだろうなと思う。

役作りとはいえ痩せに痩せて、渾身の力で乗り切った連ドラのお仕事だったんだろーな。次のステップに向かってたくさん食べて力つけてほしいものです❣️

f:id:emitemit:20190320222140j:plain

追記

そうそう、万事ストレートにセリフで説明するこのドラマの中で、最終回、すべてが済んでから柊先生(菅田くん)が「死ぬのは怖いなあ…」って独りごちたところだけが非説明的なセリフで、最後の最後にこの言葉を置く作り手はやっぱりいろいろ意図的なんだなと納得だった!

余命1年と告げられていた柊先生。だからこそ こんな無謀な計画を企てたのだろうし、「警察に踏み込まれて射殺されようがかまわん!」ぐらい強気な顔をし続けていたけれど、本当は怖かったんだ。ずっとずっと怖かったんだよね…と考えると、よりいっそう柊先生=菅田くんが愛おしく感じられます(キモ


もとい、
無敵みたいに見えた柊すら、死ぬのは怖い。人間として当たり前の感情。だから人は死ぬまで精いっぱい生きたいのだし、そんな誰もが尊重されるべきなんだ。と思いました。

 

『いだてん』ストックホルム編つれづれ

facebookより)

『いだてん』がめちゃくちゃ面白くて、だからこそああいう形でピエール瀧を失ったのが痛恨。でも幾多の敗者落伍者を出しながらも、大河ドラマ『いだてん』はこれからも走り続ける! 近代日本人のように。

…なんて書きたくなっちゃうくらい、「近代日本」を感じるドラマだ。

3月7日付の朝日新聞連載【ありふれた生活】にて、同じく大河ドラマの脚本を書き(真田丸)、同じく「大河ドラマらしくない」というお決まりのバッシングを受けた(笑)三谷幸喜が、『いだてん』について

「人間を描くことで時代そのものを描くという大河ドラマのもっとも大事な部分を含めて、宮藤さんはとてもいい仕事をしている。間違いなく彼の代表作になると思います」

と絶賛していたのだけれど、この記事の中にはさらに興味深い言及もあった。いわく、

『僕の脚本は、政治の世界でいえば保守系の左派。宮藤さんは革新系の右派』

すっっっっっごいわかる!!
さすが、名作家の表現はすごい!!!!!

今どき、右か左かなんてナンセンスだとは言うものの(立憲民主党あたりでは、左右ではなく上からか下からか(トリクルダウンかボトムアップか)、というテーマを掲げていますよね)、そう書かれるとやっぱりわかりやすさがある。セオリー通り、保守=右派、革新=左派としないところにも納得。

どちらも心から楽しんでいるけれど、
真田丸』ではまったく感じなかった微妙な感情を『いだてん』を見ていると覚える。それがなぜなのか、これを読んで合点がいった。
この視点でいくと、『おんな城主直虎』や『ごちそうさん』の森下佳子はまさに伝統的左派ですかねw(大好きでしたw) で、そんな彼女が書いたからこそ『天皇の料理番』が貴重な…って延々と話が逸れ続けるのでやめますねw

そう、『いだてん』の話です。

1912年(明治45年)
日本人として初めてオリンピックに臨む代表選手として
帝政ロシアが敷いた大シベリア鉄道に揺られること17日間、
海と大陸を隔てたストックホルムに渡った金栗四三三島弥彦
あ、中村勘九郎生田斗真ね。

情報量も、国際社会での日本の立場も今とはまったく異なる100年前、
初めて白人社会に出た四三と弥彦が味わった疎外感、劣等感。

田舎出身の素朴でまっすぐな四三青年だから、列車の中で白人に対して感じる敵意や憤慨も混じりけがなく、強い。

日本では負けなしだった名門の御曹司 弥彦は、世界に出れば自分がいかにちっぽけな存在か、トラック練習だけでなく「便器の高さ」を通じてまで、日々つきつけられる。公衆トイレで欧米人と横並びでおしっこするとき、自分だけが爪先立ちをしなければならない屈辱!

病弱な体で先んじてアメリカへ渡り、当時は死病だった結核を患ってなお、初めての五輪に帯同して命を燃やす大森兵蔵竹野内豊)。

日本にいたときは気軽に口にしていた「大和魂」とは何なのか? 
四三は日の丸を前に沈思黙考する。

やがて、
綾瀬はるかへの仄かな恋心を胸に、赤面して流行歌を歌っていた可愛い青年は、
直立不動、謹厳な面持ちで、スウェーデン人のパーティで下手な『君が代』を熱唱し、
筆がないから指で黒々と「日本」と墨書して、
開会式のプラカードにはJAPANでなく日本を! でなきゃ出場しない!
と言い放つ。

栄光の大日本帝国だから誇るのではない。
欧米人の圧倒的な肉体と人数の多さ、黄色人種への蔑視、
自分たちの劣勢を嫌というほど思い知らされたから、
「日本人」を誇りとするのだ。

まさに保守ではなく「革新系の右派」の描きっぷりで、ある種 衝撃的だった。
人間の心理の動きとして、とても自然なのだ。
ナショナリズムに目覚めていくさまが。

ただ、その場面の四三の顔の暗さがとても印象的だった。
役者の表情はもとより、画面作りや光の当て方も暗い。

国家を拠りどころにせざるを得ない状況だった四三たちの苦悩と、
国家を背負い矜持とするのは危うさも孕んでいることを
表現していた暗さだったと思う。
わかって作ってる作品だと思う・・・!

続く昨日の回、ついにオリンピック本番@ストックホルム
100m、200m、400mと三島弥彦は圧倒的な差で負け続ける。

大国の選手も小国の選手も、偉大な記録を持とうと泡沫選手でも、
プレッシャーに押しつぶされそうなのは、みな同じ。
「人」と競い合っているのではなく、タイムを争っているだけ。

そこまで理解しながらも、三島の屈折は最後まで続いていた…という描き方だったと私は思う。
日本での「痛快男子」の笑顔とは全然違って見えた。

「戦意喪失」だけど「命を賭して走ります」
「日本人に短距離は無理」だけど「明日も走れることがうれしい」。
「楽しかった」し「また明日も走る資格がある」けれど「明日は棄権する」。

アンビバレントの連続、それが三島弥彦のオリンピックであり日本人の第一歩だったんだなあと思わせる。人の心は、わかりやすいドラマみたいに単純じゃない。すばらしかった。こんな複雑さを描いてくれる大河ドラマは、意外に少ないw

名門一族のはみ出し者を自認していた弥彦が、三島家の誇りのために走ると書く。
四三は日の丸や君が代に、故郷熊本や、高等師範学校の人々の姿を思い浮かべる。

「個人」に目覚めるのが近代であり、
相互理解と平和の祭典がオリンピックの理念でも、
人は大切な誰かを思うからこそ頑張れる生き物。
それはきっと、時代を超えて人間の普遍。

そのすばらしさを感動的に描けば描くほど、一方で不安の芽も伸びてゆく。
“ 大切な誰か ” の集合体が「国家」や「民族」という形になって、不幸な道を歩んでしまった歴史があるからだ。
その不安は、今この日本にも、西欧社会にも再び蔓延している。

というのが、私が『いだてん』に感じてる、大河ドラマへのかつてないハラハラドキドキなのだ。

いよいよ、主人公 四三のオリンピック。
史実はもちろんわかっているけれど、ドラマではどう描くのか?
そして、やがて忠君愛国と全体主義がすっぽり覆っていく時代は、どう描かれるのか?
目が離せません!!

それにしても、出発前のあれこれからずっと、三島弥彦に心動かされっぱなし。こんないいキャラになるとは・・・「エモい」って言葉はこんなときのためにあるんだろうと思う!

師走の十二

●12月某日: 昼、駅立ちデビュー。男女共推進サポーターがきっかけで知り合った成瀬さんの応援。今日はとてもあたたかく、駅立ち日和といえたのではないでしょうか。チラシも、意外に手に取ってくれる人いるんだなーという印象。制服姿の学生さんが通ると、「高校生の皆さん、18歳になったら選挙に行ってください」と成瀬さんが声をかける。「はーい」のようにリアクションしてくれる学生さん多し。

夕方、スイミング。夜ごはんは、ジャーマンポテト、小松菜おひたし。夫は飲み会。


●12月某日: 2学期最後の給食はクリスマス仕様で、ローストチキンやミネストローネスープ、ケーキまでついているとのこと。数日前から楽しみにしていたサク。チキンやケーキの形状を描写しながら「おいしかった~」とうっとりしていた。よかったねw 

夕方はどんぐり文庫のクリスマス会へ。ストーリーテリングの「あな」。この話大好き~。K田さんが挿入歌を歌ってくれるお話は全部好きw ペーパープレイの「のっぽさんとちびたさん」は、初めて見た子も多かったようで盛り上がっていた。

二部のウクレレコンサートの前に、サク、みんなの前でなぞなぞをする。『なぞなぞのたび』から選んだ3問。今日は40人くらいの人がいた中だがけっこう落ち着いて読み上げていた。

なぞなぞのたび (リドルブックシリーズ)

夜ごはんは、豚と玉ねぎの生姜焼き、ひじき、白菜スープ。野菜が安いので助かりますね。