霜月の四 / モルック講習会 / 浅田彰のBTS論 

●11月某日: 来月行われる小学生の「親善モルック」でスタッフをやるので事前講習会。初めての開催。青育連、子ども会、おやじの会という各団体から運営スタッフが出て、今日の講習会も50人近く集まってたかな?

「子どもの足がスキットル(棒)に当たって倒れたらどうなる?」
「3連続ミスで失格、というルールは小学生には酷じゃない?」
「進行と得点と審判、係の連携は?」
ネクストバッターサークル的な場所を作ろうか」

などなど
などなど

実際に試合をやってみながら子どもたちが楽しめるよう、スムーズに進行が進むよう、フラットにいろんな質問や意見を出し合って工夫・調整する1時間半。
こういう時間、こういう機会って、地域にとってすごく大事だと思った~。

夕方、津古で女子会。個別に会ったりチャットでしゃべったりとかはあるけど、この4人で集まるのは去年の12月以来。みんなそれぞれがんばっていて元気をもらったー。ごはんもおいしかった!

●11月某日: 仕事、各所に連絡してやりとり。ちょっと緊張するメールもあり。夜、Twitterでスペースやってみる。1時間くらい。自分で主催するとすごい気づきがあるね。10人くらい来てくれた。有難し! 夜ごはんは野菜の肉巻き、小松菜のサラダなど

facebookより

ゆうべ坂本龍一のラジオで浅田彰BTSについて話してたのが、頭抱えるくらいキレッキレの批評だった。近代韓国史のざっくりまとめから始まるという壮大さ(※)。BTSについて考えるときに外せない、人種はもちろんジェンダーの話もちゃんと押さえられていて、しかも大谷翔平も参照しながらだったりして、うまい。

各曲の解説も「俯瞰しつつ熱を帯びている」という独特さ。

「Butter」のMVについて、
「最初は金色のシャツとかすごい肩パットの入ったスーツとかでキメまくって始まるけど、途中で記者会見みたいなのを経て後ろのカーテンがパッと開くと一転、体育館でジャージを着て踊っている」

「「ワールドスターとか言われてるけど、ほんとは田舎の体育館で踊ってた時と全然変わらないんだよ」「みんなも自粛生活でジャージ着てるでしょ?」って感じ。しかもジャージで踊ってかっこいいから怖いもんないですね」

ってとことか、泣ける。「ON」の解説はその倍以上 凄まじくて泣けるので、アミ友のみなさん、該当部分だけでも原文を読んで泣いてくださいw 

以下ざっくり私がまとめたんだけど

「2020年、パンデミックの直前に発売された『ON』の主題は「Bring the Pain、苦痛を持ってこい」ということ」

「田舎からソウルに出てがむしゃらに頑張り、ヒップホップテイストではあまり売れなかったので、いわゆるスイートなアイドルに路線変更して大成功したけど、自分たちの根底にあるのは今でもこういう重くて熱い音楽でありヒップホップをベースにした反骨精神なんだ、自分たちがやっているのは闘争の音楽なんだ、と」

「アイドルとして成功した彼らが現在の苦痛や不安を率直に語ったあと、「正気を保つには狂気に走るしかない」とある種過激な歌詞にショートする。すごくいいアイロニー

「「雨よ降るなら降れ、空よ落ちるなら落ちろ」、「自分たちは苦痛や不安を血肉にして歌ってるんだ(←グクの絶唱部分ね)」というあらためての決意であり宣言」

「アイドルというポジションにいる彼らが、「俺に苦痛を持ってこい」というテーマで、まるで交響曲のような広がりのある曲を韓国語で作り、それがアメリカを中心に世界中で受け入れられている。これはやっぱりすごいこと」
MVのラストに表れるテロップ「No More Dream → Dream」の解釈もすごくよかった。

sotokoto-online.jp

先日の NewsPics の記事といい、日本でも極めてまともで熱いBTS論がいろいろ出てきてるのはうれしい限り。

また、特に日本人としては、BTSのヒットがきっかけでもなんでもいいから、隣国の近現代史を知ることがとても大事だし(だから、浅田がBTS論を歴史の話から始めたのはよくわかる)、それを通じて、日本が今どういう位置にあるのかを正しく認識することが未来へのステップだと思う。

これぞ、彼らがいつも言う「BTSを利用して自分を愛してください」の拡張で、「BTSを利用して日本の未来を考えよう」なのだ。