文月の六 / 加藤陽子教授ロングインタビュー

●7月某日: Sちゃんたち主宰のお母さんたちの勉強会「かたらんね」、今回は太田啓子さん著「これからの男の子たちへ」を題材にした読書会。全部で7人のお母さん+1歳半の男の子。めっちゃかわいい! 話すのってほんとおもしろいね。私もけっこうつっこんだこと話してみた。夜ごはんはパリパリ麺の皿うどんなど。

●7月某日: N事務所出勤。夕方、担任の先生と話す機会があり、よかった。夜ごはんは鶏と野菜のトマト煮など。

日本学術会議の任命拒否問題、近代史の研究者、加藤陽子教授のロングインタビュー記事が出た。さすが整然としたお話でウンウンと頷きながら読んでたら、後半で衝撃。
なぜ外されたのは6人だったのか? 官邸にとって不都合な人間が6人いたからではなく、【6】人であることが重要だったのだろう、と。ひょえ~

官邸のヤクザっぷりが際立っているのでぜひどうぞ。以下、抜粋まとめ。

「日本近代史の研究者として、行政の作成文書を長らく見てきた。官僚には初めてのことをするときには文書記録を作成する傾向がある」

「安倍政権の時代から、官僚が官邸からの要求に押され、適切に文書を作成できなくなった」

集団的自衛権に関する憲法解釈を閣議決定で変えたり、検察庁幹部の定年延長に関する法解釈を政府見解を出すだけで変えたり……。法が「できない」と定めていることを実行しようとする人々が、どういう行動様式をとるのか? 確認したかった」


「任命拒否の理由や経緯がわかる文書の開示請求をした。黒塗りされていようと開示されるものと思っていたが、政府の回答は『文書が存在するかどうかも答えない』という非常に不誠実なもの」

内閣官房は、「該当する文書は存在しない」との通知。内閣府の回答はさらにひどく、文書が存在するかどうかを明らかにしない『存否応答拒否』。文書が隠滅された可能性もあると思う」

法治国家である以上、行政府は、国民や立法府からの批判的検討を受ける必要がある。首相が『人事の問題なのでお答えを控える』と言うとき、彼は『なぜ外されたのか分かるよね?』と目配せをしている。国民の忖度を期待している。そうさせない対策が必要」

「日本の歴史を振り返れば、政権や指導者が国民に十分な説明をしなくなりやすいのは、対外関係が緊張し安全保障問題が深刻化したときだった。それが結果的に国民に不利益をもたらしたことも歴史は語っている」

「(私が外されたのは)大衆的な影響力を警戒されたのだろう。任命拒否問題の本質は、法を改正せず、必要な説明をしないまま解釈変更を行った点にあり、それは集団的自衛権の問題や検察庁幹部の定年延長問題とも地続き。私がそれを説明することができる人間だから不都合なのでは」


※ココから!

「6人という数字は象徴的に使われたのではないか」

「前回17年に105人の新会員が任命された際、当時の学術会議会長は政府側から要求されて『事前調整』に応じた。推薦者の名簿に本来の人数より6人多い111人の名前を書いた」

「今回、山極寿一会長(当時)は事前調整に応じず、初めから105人ぴったりの推薦名簿を提出。それに対する政権の反応が私たち6人を外す決定。
「『次回は2017年のように6人多く書いて来いよ』というシグナルなのでしょう」

名著「それでも日本人は戦争を選んだ」の筆者、加藤陽子さん。
生粋の研究者だけあって、ここまでのコトの運び方もとても慎重で緻密だ。

「この件が始まって以降、記録として残すために日記をつけています」

「日記には学術会議のことだけでなく、その日の新規感染者数などコロナ禍の情報も書いています。社会の雰囲気や同時代的な偶然性も含めて記録するためです」

「ひと様の前に顔を出して語ることには積極的ではありませんでした。研究者としての就職を控えた人たちを大学で多く指導しているので、彼らの未来に何か負の影響が及んではいけないと懸念したのが要因です」

「今、インタビューに応じたのは、ひとつには政府とのやりとりが先月末で一区切りを迎えたこと。もう一つは、報道機関などによる調査が進んで、学術会議の自律性が前政権の時代から何年もかけて掘り崩されてきた過程が明らかにされたこと。関係者に迷惑をかけずに私が発言できる状況が整ってきたと判断した」


問題は、こうした優れた研究者が胆力ある行動を示しても、私たちの社会がそれに応えられないってことですね。

https://digital.asahi.com/articles/ASP7F5G05P77UPQJ00T.html