長月の十六 / お隣町の議会を傍聴して思う

長月の十五 / 鍵なし子ラプソディ - moonshine

の続き。那珂川町役場へ。私は那珂川町民ではないんだけど、 町議の伊藤智子さん が議会で一般質問をするのを聞きたくて。

那珂川営業所から役場まではコミュニティバスか…乗り換えるの面倒だな…2キロもないくらいか…歩けばいっか。
と思って家を出たら、バスが遅れて遅刻しそうになったので、結局、2キロ弱の道のりを走る(笑)。こんなことばっかりやっている…。てか、営業所じゃなくて現人橋で降りた方が近いうえに速いのね…。
ということで(長い前置き)人生初めての議会傍聴です。

那珂川町議会にやってきましたー!
議場のそばで手続きをする。名前と住所を書くくらいで、スルッと通してくれます。
このあたり、とてもオープンで、のどかな雰囲気。
福岡市とかだともうちょっとものものしいのかしら?
ちょうど、伊藤さんの質問が始まったところでした(走ってよかった…!)。

議会って、ぶっつけで質問をぶつけてガチで議論するものじゃないんだね。
事前に質問内容を提出するのはもちろん、
質問に対する回答、その回答を受けてのさらなる質問・・・と、
ほほほぼ台本のようなものが準備されているのだなあ、と。

確かに、そうじゃなきゃ、
「その件は、調べてみないとわからないので…」みたいな逃げも打てるし、
時間がかかってしょうがないもんね。
国会も基本的にも同じなんだろうけど、
あちらはヤジやらでぐちゃぐちゃになることが多いし、
「記憶にございません」でぶっちぎる人もいるしで(それもどうなのよ)、
整然と、粛々と進む議会の様子は妙に新鮮でした。

あと、町長さんを始め、議場に座る町の職員幹部の方々が
おそろいの緑のユニフォーム(?)みたいなの着てて、さわやかでした^^

今回、伊藤さんの質問のテーマは
「非正規公務員の処遇について」。

非正規雇用の公務員は女性が多く、保育士、社会福祉士、臨床心理士、ソーシャルワーカーなど専門職も含み、いずれも、昨今の社会状況を鑑みるに、神経を尖らせる仕事だし、正規の職員と労働時間や職務内容に差がなかったりするが、基本的に昇進はなく、
産休期間中は無給であったり、任用期間が限られていたりする現実がある。

引継ぎの態勢が十分でなかったり、任用を更新できるか否かの通知がギリギリだったりして、安心して働けるかという面でも、生活の糧を得るという意味でも不安が大きい。

国が提示する「女性活躍」や、「同一労働同一賃金」に照らして、どうなのか?
今後、現状の条件で優秀な人材を確保し、町の行政サービスを維持できるのか?
・・・・など。

那珂川町における具体的な数字を町の行政の側に質問しつつ、国の平均の数字と比べたり、法律を参照したり、現場の声を伝えたりしながら、伊藤さんの質問は続きました。
とてもわかりやすい言葉でまとめてあって、内容も頷けることばかりでした。


選挙には毎回行ってますが、【そのあと】を見たことはなかったので、本当に行ってよかったと思ったし、いろいろ考えさせられました。

質問に対して、行政の側は、ざっくりいうと
「それは仕方がないことです」
「それはちゃんとやってます」
という現状肯定・現状維持の回答がメインだったこと。
やっぱり、問題提起しても、そう簡単に事態は打開されないんだろうな~。

たとえば、非正規職員の任用期間に限度があるのは、
「町で働きたいという人にあまねく機会を提供するため」
という回答だったけど、
専門職の長期的な人材育成や、働く人の生活の安定やモチベーションの観点については、どう考えているのか。

非正規職員の多くは女性であり、昔は夫が大黒柱、妻は補助的な稼ぎかもしれないけど、今後もずーっとこのままでいくのかどうか? ほかの自治体の様子見?
もちろん、「予算」の問題とかち合うのはわかるんだけど、「だからしょうがないよね」でいいことなのかどうか。

自分が選んだ議員の質問や働きかけによって、行政が変わることがあるのか、知りたいと思いました。


また、議員の質問一覧表を見ると、
保育所や、子育て支援、そして女性が多い非正規雇用についての質問をしているのは、
すべて女性議員でした。

那珂川町の女性町議は、現在17名中4人だそうです。
もし、女性議員がいなければ、
子どもや女性の問題を提起してくれる議員はいるのでしょうか?
(那珂川町に限らず)全体の1割、2割程度の女性議員の数で、
子どもや女性の問題を提起するには十分なのでしょうか?

男性議員の質問も聞きましたが・・・初めての傍聴なので、今回だけで一般化はできませんし、男性・女性じゃなくて個人の差なのでしょうけれど、
「現場の切実な声を届ける」
という観点から質問をされている伊藤さんに比べると、
「それ、わざわざ議会で聞くことかな?」って話もあったように思われ…。

もしかしたら、「仕事しなきゃいけないから」的な、、形式的でやっつけな質問をする人もいるのかもしれない。「ちょっと、準備がテキトーなのでは?」
って話もあったような…(主観です)。
台本ありきの議会だけに、シャンシャンで終わってしまう可能性もあるんじゃないかと。


私たちは、選挙権を行使するのは大前提だけど、選挙の前にも、そして選挙の後にも、
よく見て、考えないといけないんですね。
なんかさ、裁判員制度とか重たいものより先に、
「1年に1回、町の議会に傍聴するための有休チケット」
みたいなものがあったらいいんじゃないかしら。

そんなもので市民に監視されたら困る!っていう議員さんは、まさか、いませんよね?(笑)
今度は福岡市にも傍聴に行ってみようかな~。

午前中の議会が終わり、皆さんがお昼ごはんにハケていく中で、
席に残って一心に何かを読んで(書いて?)いる様子の伊藤さんを後ろから見て、ぐっときましたよ~。

【ママじゃな】で取材した伊藤さんのポートレート記事はこちらです。↑ インタビュアーわたくし!

夜ごはんは、ハンバーグ、ポットロースト&野菜の野菜部分、レタス、きゅうり。少し本を読んで早めに寝る。