『江』第4話「本能寺へ」

いやはや〜。長年にわたり、珍作、迷作、いろんな大河を見てきて、たいがい耐性のできているわたくしですが、なんつーか、言葉を失くしますね。

や、大河ドラマはあくまでドラマでありますから、史実(とされていること)を元に、作家が想像の翼を広げて書くものなのです。史実(とされていること)は、いろーんな解釈の仕方ができるわけであって、わたくしごときが「それは違ーう」なんて言えるもんじゃありません。

田渕大センセイともなると、黄金の翼を広げて大空をはばたきまくり。姪っ子を愛玩する織田信長は、戦乱の世を終わりに導き天下泰平を実現させるため、おのれ一人が憎まれ役をかってでる捨て身のヒーローだったのです! と、そういう解釈だって決して可能性ゼロとはいえないのに、なんでしょう、この「やりすぎ感」。誰もかれもがベラベラせりふでしゃべりすぎるからでしょうか・・・。いくらなんでも毎週信長にコスプレさせすぎだからでしょうか・・・。なんというか、誰に感情移入してよいやらわかりませんよね・・・。

しかし、単に脚本家が無知無学すぎたのだろう『天地人』では腹立たしいばかりであったが、田渕大センセイに盾突く気には、なぜかなれません。それこそ信長よろしく、神をも恐れぬエゴイスティックな筆致で描かれる「田渕史観」を、固唾をのんで見守るばかりでございます。ここまで大胆に書けるのって、それが彼女の最大の才能って気がする・・・。そして視聴率はちゃんとついてきている・・・。

あ、今日の「本能寺へ」っていうサブタイトル、てっきり“本能寺の変へ”という意味かと思ったら、まんま主人公が本能寺に行ってやがんの。想像のななめ上をいってくれるとはこのことです! ワタシマケマシタワ、って回文で白旗揚げたい心境です。