まーだ、『江』 第30話「愛しき人よ」がらみ
あー、前の駄ログにメールなどくださった一部の方々、まことにありがとうございました。同好の士、という語句が大好きです! emit9024あっとまーくyahoo.co.jpです。
で!
アレ(2011-08-10 - moonshine)書いた後、本屋にて、田渕久美子大センセイの書いた『江』の原作本っていうんですかね、ノベライズ本っていうんですかね、それで、この第30話に該当する部分を読んでみたですよ。
- 作者: 田渕久美子
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2010/11/12
- メディア: 単行本
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この本、以前、番組初期のころの部分をちらっと立ち読みしたことあるけど。
かなりラフでダイジェスト的。「たたき台」のようなもんなんだと思う。ざっくりしてる。映像になったものを見ると、本よりだいぶメリハリのきいた演出・シナリオになっているし、時代考証も(スイーツ大河なりに・・・)大幅に付け加えられている。
ただ、ざっくりしつつも、ひとつの作品にはなっていて、ブレがない。お江ちゃんを主人公としてちゃんと遇している。つまり何にでもしゃしゃり出てくるってことなんですけど、お江ちゃんが、快活で、面白くて、前向きで、信長に似てるとかいう設定もきちんと随所で貫かれているし、「これは少女小説だ」とでも念じて読めば、歴史の解釈にいちいち腹を立てる気も失せる。
あらためて、テレビでのお江ちゃんのキャラ立ちの薄さが残念なのである。まるで別人だよ〜。
ちなみに、淀のキャラもけっこう違う。こちらは、テレビのほうが、より素敵で妹思いのお姉ちゃんだと思う(りえ様も素敵だし☆)。初はあんまり違いがない気がする。お笑い担当。
秀忠も、テレビほど小憎らしいキャラじゃない。というか、秀勝時代(何それ)から、あんなにチョイチョイ出てこない。
まあ、小説と違って、映像化ということになると、関係者の数ってハンパないからね。たぶん、いろ〜〜〜んな大人の事情があって、シナリオ起こすときに、設定をいろいろ変えてるのね。視聴者の反応とか。スポンサー・・・はNHKだからいないにしても、各種業界団体とか、役者が所属している芸能事務所からの要請とか、視聴率とか、時世とか。きっといろいろあるのね。
(30話のクライマックス、テレビの火事のシーンは、原作では地震なのだった。史実、その時期には大きな地震が起こっているらしい。私はこの改変に異を唱えるものではありません。)
なんか、全体的に、テレビのほうが暗いね。まじめというか。秀吉と絶縁宣言したりもしない。家康と江も、もっとひょうきんに丁々発止のやりとりしてる。原作は基本的に、キャッキャしてる。まさにラブコメ。秀忠との仲も、そう。ちゃんと、ツンツンしながら仲良くなっていくパターンを踏んでる。『夫婦関係こそなかったが、会話は普通の夫婦の倍はあった。大半、喧嘩だったが』みたいな文章が、ちゃーんと書いてある。
あの原作をそのままやると、「ふざけすぎ」「けしからん」なんて声が殺到するってことなのかなあ。スイーツ大河ならスイーツ大河と、胸を張って、ふりきれるまでやればいいのに。今の中途半端なつくりのほうが、よっぽど、作品を貶めているように思うのだが。ま、大人の世界はそう簡単にはいかんもんね。
ちなみに、原作でも、ほんとの夫婦になるときは、お江ちゃんから言い出すんだけど、テレビみたく、泣きながら頭を下げて頼むなんてことはなくて、もっと毅然としてて、これならアリだなって思った。そして、灯りを吹き消す前の秀忠の殺し文句はすごかった。
江: 「あの、手を、さわってもいいですか?」
(地震の現場で、助けに来た秀忠が、さしのべてくれた“手”が、お江ちゃんにとって「昔から夢で見ていた“運命の人”の手にそっくりだった、という設定なのだ。)秀忠:「さわりたいのは、手だけか?」
なんでこれを採用しなかったんだ、NHKスタッフのばか! 弱腰!
まあ、確かにあまり趣味のいいセリフとは思えないけどね。向井(事務所)側が「こんなやらしいこと、うちの向井には言わせません*1」とでも拒否ったか?
*1:そいえば、映画パラキスではどれくらいまでやってるんだろう