『江〜姫たちの戦国〜』第1話「湖国の姫」

あんだけ執拗にキャスティング予想しときながら、予想以上に平静な心持でこの日を迎えました。手っ取り早くいえば盛り上がってないわけです、自分の中で。

今年は、やや古い語彙かもしれないが、いわゆる“スイーツ大河”なので、歴史解釈がどうこうとかいう視点で見ることもなく*1、いっそ気楽です。や、いいんですよ別に。49作の大河ドラマの歴史を見ても明らかなように、さまざまな作風があって然るべし。天下の大・大河ドラマたるもの、視聴者だって老若男女さまざまなんですから、3年に1回くらい自分好みの大河をやってくれればそれで御の字とすべきでしょう。すでに来年に期待を寄せてる身としては、今年は骨休め的に、自分もスイーツになりきって楽しみたいと思います。

初回の本日、主人公・江は赤ん坊(さすがに愛くるしい赤ちゃんでしたな)でしたが、市の結婚から足利義昭を擁しての信長の上洛、姉川の合戦、そして小谷城落城までがなかなかテンポ良く描かれました。まあ、このあたりの歴史は、知ってる人は知りまくってるし、知らない人にも雰囲気だけ伝えればいいわけで、さくさくいっちゃっていいわけです。

プライド高くブラコンも甚だしい戦国一の美女、お市が、見目麗しく心優しい青年、浅井長政にデレちゃってぽこぽこ子ども産んじゃうあたりは、いつ見てもムラッときますな。てか、鈴木保奈美、この役にちかっぱ合っとう!(博多弁) 同じNHKでこちらは朝に出演中の安田成美といい、子育てもひと段落して復帰してきたんでしょうが、なんという美しさ。とんねるずの奥さん対決は甲乙つけがたいってことで。

若い頃はどういう感じだったのか知らんが、時任三郎があの年齢、あの濃い顔であんなに爽やかな役をやってのけたのにちょっと感銘を受けた。大地康雄柴田勝家が、福山龍馬も真っ青の天パだった。大竹しのぶには、ぜひこの大河の良心の一角を担って欲しい。

豊川悦司の信長はまだよくわかんないけど、この大河をスイーツたらしめるための“都合のいい男”になりそうでちょっと心配。ま、それを言い始めたら、篤姫における堺雅人や瑛太さんだってそうだったんだし、今年のムカイリだって斉藤工くんだって、姫たちの物語を盛り上げるのが役割なんだろうけどさ。それにしたって、命からがら退却しながら「市、何をしておったのだ」とひとりごちる信長って・・・。ともあれ、トヨエツほどの大物が初回からバンバン出ると、いかにも華やかでいいですな。

あと、江を「水のようにしなやかに生きた女性」として位置づける今回、初回のサブタイトルが「湖国の姫」てのはいいよね。内容ともぴったり合ってたし。こういうのはやっぱりプロの仕事だなーと思います。

*1:だってはじめから三姉妹しかいなかったことになってるんですよ。万福丸の悲劇を、まるっとなかったことにしちゃってるんですよ。どんな大河でも史実の取捨選択は行っているとはいえ、これは結構すごい部類だと思う