霜月の九 / 小沢健二トークライブ「キツネを追ってゆくんだよ」

●11月某日: N事務所出勤。大学生の来客あり。しっかりしてる~。息子「後七五」に小さい文字は含むのか?という考察など。あつ森で、「よーし今日は30000ベルかせぐぞ!」と目標を決めてから潜っている10歳‥‥。夜ごはんは、ハンバーグ、豚汁、ブロッコリーなど。夜、オンラインで小沢健二トークライブ。

(翌日のfacebookより)

ゆうべはすごい夜だった。ウィズコロナの時代に花開いた “ オンライン配信 ” という形での小沢健二のライブ。
機材の不調かスタッフの不手際かで、予定していた映像が流れず進行が止まり、90分のはずが延長延長で135分ほども続いたのでした。

いや~(笑)。チケットぴあで売り出すくらいのライブがこれだもん。きのう今日zoomをダウンロードした私たちが四苦八苦するのは当然っつーことで、胸を張って失敗していきましょうね(笑)。くしくも小沢の最新アルバムには「失敗がいっぱい」というタイトルの曲が収録されています。

ったく、なんで私が夜中の12時まで小沢健二の心配をしなきゃいけないんだよ~!
‥‥ま、時間をつなぐため45分も長くおしゃべりを聞けて、むしろホクホクだったんですけどね。

「キツネを追っていくんだよ」 なんて、かつてのオリーブ少女(今オリーブおばちゃん)たちを狙撃するものすごくかわいいタイトルのライブで、しかも小沢健二ったら、まったく歌わない! ギターすら見当たらない。
そう、トークライブだったのです。
 
その内容はというと。

・劇場に光あれ
・草食(日本)と肉食(欧米)
・ペスカタリアン
・すきやき、焼き鳥、かつおぶし、豆腐、米とアワとヒエ
SNS、アナログ
・ことばの意味、文脈、黒ひげ危機一髪の“首ちょんぱ”
最高裁とジャニーズ
・テクノフィクス、じゃんけん、ドラえもん
・エイリアンネーション(疎外)
・コロナ(この話題が出ないわけはないですね)
・昔話のキツネ、東西の違い
・メイフラワー号、ネイティブアメリカン、鶏小屋
BTS、ほうじ茶
・編集力 vs “頭パチーン”の産みだす力
・「わかりあえやしないってことだけをわかりあうのさ」(1990)
・「ありとあらゆる種類の言葉を知って何も言えなくなるなんて そんなバカな過ちはしないのさ」(1993)

などなど、などなど、などなど…

このライブの開催が告知されたとき、小沢本人がTwitter
『「小沢は音楽だけやれ」と言う方はスルーでどうぞ』とつぶやいてた。
どんだけ強気なのw てか、どんだけしゃべりたいのよww
と苦笑しつつ、秒でチケット(2000円)を購入した私だったんだけど。

2時間2,000円でこんなにおもしろい話を次々と聞かせてくれる講演会はめっっっっったにない!!!
散文だけど論理があり、比較文化と食文化、歴史と哲学と科学の話であり、数千年前からドラえもんがやってきた22世紀の未来までを駆け巡ったうえで現代批評をして、あらゆるところに「薄い膜」が出現した今このコロナ期に戻ってきた。それでも毎日ちまちまお弁当をつくってる僕ら‥‥

大学の講義かよ、と(笑)。
夜中の12時までファンにここまで頭を使わせる配信があるだろうか。

でも、言葉のすべてが詩的だった。
そして音楽と映像がめちゃくちゃかわいかった。
きゅんきゅん(死語)。
ずるいぞ、小沢。
たぶんそのうち、Eテレで番組を持つね(予言)。

頭がぱんぱんなので、誰かに話したい!
たくさんメモしたけど、話さないとどんどん抜けていきそう。

ひとつだけ。

今、アメリカの洒落たレストランでは、食後の飲み物として、コーヒー、紅茶のほかに
 「ほうじ茶」
って書いてあるんだって。
で、ほうじ茶を頼むのがいま一番クールなんだってさ。
アメリカ人も今や、豆腐、瞑想、ほうじ茶なんですって。
あとBTSね(笑)。
ほんとかなw

というわけで、熱いほうじ茶を水筒に入れて、行ってきます。