神無月の七 / 藻谷さん講演

●10月某日: 思い立って「スパイの妻」を見に行く。最前列の席しかあいてなかった。それでも駅から走りまくったから確保できた席だ。鬼滅みたいに混んでるw 久しぶりの映画。放心状態で弁当買って帰宅。夜までずっと考えてた。夜ごはんは、豚肉と野菜のケチャップ炒め、大根とこんにゃくの煮物、サラダ。

●10月某日: N事務所出勤。大変なこといろいろ。

(facebookより)

久しぶりに対面で藻谷浩介さんの講演会に参加することができました。盛りだくさんの話の中からいくつか覚え書きです。毎回、口を酸っぱくして言われるのは
「私たちが、ふわっとしたイメージや世間(テレビ、SNSなど)の言うことにいかに囚われているか」
ということ。

【新型コロナによる人口100万人あたり累積死者数(10/15現在)】
 アメリカ657人
 スウェーデン584人
 ドイツ118人
 日本13人
桁が違う。日本めっちゃ優秀!!と思いきや‥‥?

 韓国9人
 ニュージーランドシンガポール、マレーシア5人
 中国3人
 タイ1人
 ベトナム0.4人
 台湾0.3人
東アジアの中では一番多いのでした。「日本は民度がウンチャラ」とか言ってた政治家がいましたが~

藻谷さんはジョン・ホプキンス大学のCOVID-19に関するサイトで日々数字をチェックしているそうです。
藻谷さん作成、エクセルのオリジナル・テーブルを画面に映してくれました。すごかった‥‥!

ちなみに国内の内訳をみると
 東京32人
 大阪26人
 福岡19人
 佐賀0人
特に、夏の第2波以降は、死亡率が大幅に減っています。
これは日本だけでなく、アメリカも、ヨーロッパも、全世界的な傾向です。

【日本の年齢別 陽性判明者(~10/7時点)】

 ~9才 2,112人
 10-19才 4,399人
 20-29才 23,707人
 30-39才 14,816人
 40-49才 12,064人
 50-59才 10,658人
 60-69才 6,666人
 70-79才 5,629人
 80才-  5,267人

こんなにもダントツで20代が多くなってるんですね。
これはPCR検査で陽性になった人の数で、感染者数とイコールではありません。無症状の人も含まれます。

では、このうち、亡くなってしまった方はというと
 ~9才 0人
 10-19才 0人
 20-29才 2人
 30-39才 6人
 40-49才 17人
 50-59才 51人
 60-69才 157人
 70-79才 414人
 80才-  933人

このひとつひとつが、本人や家族友人にとって耐えがたい苦しみ悲しみであることは言うまでもありません。
しかし病気や死から逃れられる人生もなく、私たちはいつでもそのリスクを負いながら生きている。
ちなみに、日本では毎年約400人の子が小児がんで亡くなっているそうです。

だからといって、私もコロナにかかりたくはない。
後遺症や長期間にわたるQOLの低下についてのデータはまだそろっていないと思うし。
マスクきらいだけど、みんながマスクを外した場合の感染データがないし、そのデータを取ることは不可能だろう‥‥。

でも、「マスクをし続けることのリスク・悪影響」についても同時に認識し考えなきゃいけないなと思ったり‥‥特に子ども。
以下、友だちが子どもの歯科検診で聞いた話、受け売りですが。

・マスクの着用により顎を大きく使う運動が減り、顎の発育が足りず12歳臼歯の生え方がおかしい子が増えている

・マスクのせいで口が開き、鼻呼吸ができない子が増えており、これは広く言われている通り万病の元になる。

そうだよね。自然な呼吸が妨げられることで弊害がないわけがない。そもそも、鼻まで覆う形でマスクをしていれば表情が乏しくなるのは当然。子どもに子どもらしくないことを強いている。ずっとこのままなんでしょうか? 


【福岡市は元気な街?】

2015年→2020年の福岡市の人口 +67,990人

内訳を見ると
0-14才 (子ども)20.9万人(+3,900人)
15-44才(若者) 60.8万人(△9,600人)
45-69才(中年) 48.9万人(+29,400人)
70才~ (老年) 24.7万人(+44,000人)

藻谷「この間、「福岡は元気だ」って本が2冊出ましたが、若者は増えてないですね」
笑笑笑

藻谷さんの講演ではおなじみの、この人口増減表。
これまでは15-64才(労働生産人口)と65歳以上(高齢者)という区分でした。
団塊ジュニアが45歳を超え始めたため、今回区分を変えたとのこと‥‥。

藻谷「44歳の方、まだ若者です。69歳の方、中年です。おめでとうございます」

やったー私もうしばらく若者^^
 
ちなみに、相変わらず人口が増えている東京も基本的に同じ図式で、15-44才は△8.4万人。増えているのは中年28万人と老年30万人だそうで。


【日本の経常収支(貿易収支+金利収支)はG20で何位?】

→ 2位。ちなみに1位はドイツ、3位はイタリア。
藻谷「日独伊三国同盟ですね」

日本は対アメリカ、対中国ともに収支は大きな黒字。
対赤字なのは、中東の産油国とフランス・スイス・イタリア。

藻谷「相変わらず日本人はイタリアからパスタとオリーブオイル買いまくってるから」

藻谷「福岡の人もうどん食べずにパスタばっかり食べてるんじゃないですか? いつの間にかピエトロドレッシングが福岡の名産になってるし。にせイタリアでしょ」

にせイタリア笑笑笑 

や、うどんも食べてますって! そのうどん麺の原料の小麦粉は、オーストラリア産だったりするのだが‥‥

・米中を含む大半の国に対して、収支が黒字であること。
(逆に言うと、アメリカも中国も日本に対して赤字なのだ)

・輸出額はバブル期よりずっと増えていること。
ちなみにドルベースでの輸出額が最高だったのは民主党政権時だったこと。

・株価が変動しても日本の内需はこの30年ほぼ横ばいであること。

いずれも、藻谷さんがいつも数字を出しながら示されることで、(私でもw)しっかり頭に入れることができてます。そこで出てくる問いは

「なのに、日本の最低賃金はなっかなか上がらないし、平均賃金はOECD加盟国で24位(30年前は2位)。世帯年収の中央値は25年で122万円ダウン。なぜ?」ってことなんですよね。

子育てして、介護して、みなさん生活は楽ですか?
先の見通しは明るいですか?
って言ったら、そんな人決して多くはないわけで。

そりゃ、日本より格差が大きい国もたくさんあるし、みんなが生きやすいユートピアみたいなとこなんてどこにもないだろうけど。

そのうえ、

・景気の波よりも人口の変動のほうがずっとインパクトが大きい。そして日本の人口がいかに減っている(減っていく)か。

についても、数字ではっきり出ています。
日本はまだまだ大丈夫だとホッとするんじゃなく、これまでのモデルにしがみついて安心できるわけもなく、まずは「ふわっと流されずに数字を、現実を直視する」ですね。

仕事を終えたみなさんがいろんなところから集まってきて、あいさつを交わしおしゃべりをして、一緒に学ぶ。並んで受付した倉富さんとも「やっぱりいいよね~こういう雰囲気」と話してました。