『西郷どん』 第20話 「正助の黒い石」

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精忠組!誕生秘話ですが、『篤姫』のときよりもっと性急で(笑)

確かあのときも瑛太さん、血の気の多い連中の「突出じゃあああああ!!!」に苦労してたと記憶してるけど、素直な好青年だった10年前から瑛太さんもすっかり大人になり仲間を出し抜くのもいとわない老獪さを身に着けたなあと感無量(笑)。あのころは頼りなさも魅力だった瑛太さんが、すっかり大河の看板背負える役者になって、いや~本当にうれしいです。

本当に突出しているのはある意味、脳筋連中でなく正助なんだけど、まだまだキュートさが残っているし基本的にふんわり大河なのでけっこうほっこりする。

家に人だかりができてて訝しみながら分け入り、お由羅の姿を見て「あっ!」とびっくり平伏するお芝居、かわいげがあって最高だった。そのあと、家じゅうの戸をバタンバタン締めてまわるから、妻をどんだけ激しく折檻するのかと思いきや、存外シンプルな説教のみ(笑)。

その後の「夫婦なんだから旦那様のお考えを知りたい」「これからは難しいこともどんどん話すぞ!」の流れは、これも大河の伝統のひとつ、純粋まっすぐな帰結でしたがw みんなが西郷を望んでいて(なぜそんなに西郷を望むのかはよくわからんのだがw)、自分でも西郷にはなれないとウジウジしてる中、満寿どんだけがぷっと笑って「西郷?ナイナイ。私は正助さぁだから好きなんです」って言ってくれるのが正助どんにとっての救いで、だから心置きなく西郷に片思いできるんでしょうね(え)。

丁寧に描かれる斉興の最期。その年代を念頭においた描写なのかもだけど、なんだかんだ、斉興お由羅夫婦に対して優しいドラマだったなあと。そこで、久光が、ぐっと腹に力を込めて積年の屈折と自立への決意を口にするのか・・・と見せかけて、「死なないでくださーい」と泣きじゃくるのが、ほんっとよかった!!!

この「あまちゃん」なシーンがあるからこそ、国父としてエラそうに登場する姿が危うくもあり不気味にも見える。そしてその久光と紐帯を深めている正助が心配にもなるんである。

それでも、久光もまた、ふてぶてしい坊ちゃんというだけじゃなくキュートさがあるのが、このドラマのキュートさでもあると思ってます。