卯月の七 / インターナショナルシティ太宰府

●4月某日: 
小学校の入学式の日、2年生の息子は学校お休み。ふと思い立って太宰府に行ってみた。電車を降りて、先にお昼ごはん食べようかっつって短絡的に駅前のラーメン屋に飛び込みますよね。そしたらびっくり、そこがほぼほぼ中国だったんですよ。

狭い店内、カウンターの後ろにずらっと客が並んで待ってるんですけど、ほぼほぼ中国の人たちなんですよ。さっそく、列の中の女性に肩をつつかれる私。千円札ポッと出してメニューの一品を指さし、食券機を指さして、指でピースサインを作る彼女。どうやら、配偶者らしき連れの男性の分と合わせて、魚介系のラーメンの食券を2枚買いたいらしい。でも、1杯680円なんですよ。「お金がたりません」と言っても通じない。千円札を指さして「ワンモア」と言ってみても通じない。

なんとかかんとかジェスチャーでやりとりして、2枚目の食券の受け渡しが済んだ瞬間、ご夫婦も私も思わず笑顔でサムアップしましたよね(笑)

あいた席に早いもん勝ち的に座る方もいて、「ちょっと! こっちの人が先でしょ!」と平野レミ似の店員さんが平野レミ的なぞんざいさで客をさばいている。「順番!」「列に並んで!」的な中国語の単語をたびたび鋭く発しながら。お客さんはもちろん盛んに中国語で喋ってる。

日本人らしくおとなしく列に並んでいた小2の息子が「ねえ、ほんとに、ここ(この店)でいいと?」と囁いてきた。店内の喧噪は、小2の息子には殺伐と見えるらしい。ま、そりゃそうだよね。知らないってそういうことなんだよね。

「ぜんぜん大丈夫だよ!」と言って、周囲を観察しつつ(←好奇心が抑えきれない)息子に話しかけつつ待ってたら、隣に並んでた家族の中の、高校生くらい(?)の中国の女の子が、息子を見て「prettyね」と声をかけてきた。「サンキュー!」と答えて、彼女たちが連れてた小さい男の子に「How old?」と聞いてみた。4才だってー。列に並ぶのに飽きてぐずり気味だったけど、とってもかわいいの。

「どこから来たの?」と、英語…というか英単語で聞いてみたら、「China」だって。うんうん。
「Chinaのどこ? what city? ベイジン?(←北京、と言いたい)」て聞いたら、「シャンハーイ」だって。通じた☆(←レベル低)

彼女は日本の文化の知識か経験値があるみたいで、あいた席に座ろうとする人を「こっち(私と息子)が先よ!」と制して「どうぞ、どうぞ」と私たちを促してくれたりした。「お~、サンキューね~」って答える自分のテンションが完全に出川@イッテQだったよね…w

席に座ってラーメンにありついてたら、例の食券機のご夫婦がお店の人をつかまえて、すったもんだしながら餃子を追加注文してる。2皿。で、餃子が運ばれてくると、夫さんが即座に私をつんつんして、1皿をぐいぐいこっちに寄せる。どうやら「食べてくれ」と言ってるみたい。

「いえいえ そんな、お礼には及びません、ていうか私も息子もお腹いっぱいで・・・」って言いたいんだけど言えない(言葉で通じ合えない)悲しみ。でももちろんお気持ちは受け取りたかったから、私と息子で1つずついただきました。

店を出たあと、息子に「ラーメンおいしかったね。でもびっくりした?」と聞くと
「うん。ぎょうざももらったな。でも、日本にくるなら、日本ご、おぼえとけよなー!」
と、どこでそんなテンプレなフレーズ覚えたのかな?というような口を利く。

これになにげなく同調する親とか、むしろ率先して「これだから中国人は…」的なことを悪気なく言ってしまう親も多いんだろうな、と思いながら、

「言葉がしゃべれなくても外国に来ることはよくあるよ。私たちも中国に行ったらああやって町の人に教えてもらうんやけんな」

と言っといた。

今日の目的は、息子的には「ラーメンとおみくじ」、私は「九国と梅が枝餅」。太宰府市大野城市は入学式もう済んでたから、体験型展示室“無料で入れるアジアのはらっぱ” こと【あじっぱ】が狙い目じゃないかと思って。読みは的中、すごくすいてて、全ブースをゆうゆうと堪能できた。ボランティアさんの話では「今日は大型のクルーズ船が着いたから、特に中国の人が多いのよ~」って。

福岡に住んでたらどこででも観光客の人にたくさん会うし、コンビニとかにも外国人のバイトさんがたくさんいるけど、息子にとっては今まででいちばんのアジア体験。良い機会になった。考えてみれば、古都・太宰府は1200年前だって国際交流の街だったわけよね。

写真は、あじっぱで南蛮人のコスプレがことのほか気に入った息子w ええ、撮ってる私も…w

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夜ごはんは、小鯵と野菜の南蛮漬け(夫の仕込み)、厚揚げのそぼろあん、もやしと春菊炒め。白ワイン。