『真田丸』 第32話 「応酬」
小日向秀吉は退場してしまったが、これから内野家康の演技を本格的に堪能できる #真田丸 えんえんと強い
コンパクトな描き方で家康と三成の差を如実に描く脚本すごい。三成も本当は情が深く、誠心の人でもある。表し方があまりにへたっぴなのがほんと痛い。コミュ力がないんよね。いってみれば技術。それで滅んじゃうって何てつらい話なんでしょう、どこかに救いを作るんでしょうかどうでしょうか #真田丸
あの調子だと、先週の回で約束した通り、おこうの件は家康が平八郎に話を通しておいたんだろうな。うまーく丸め込めるよう、正信か阿茶が知恵を出したりして。お兄ちゃん超感謝、恩義も感じるよなあ。真田の嫡男を取り込めるネタになるなんて徳川には渡りに舟だったよなあ #真田丸
やっとこさ登場した長束のどうにもならん感もすごかったが、左衛門佐さんも負けじと役に立たない(泣) 信濃・上杉時代の彼は明るくて奇策も練るタイプ(失敗も多かったけど)だったのに、長年の大坂勤めで沈澱した空気に染まりすぎたのだろーか。 #真田丸
寧の戸惑い「誰を信じれば…」も、加藤清正の憤怒も、そうだろうなあとよくわかるんだよね。胃痛すぎる片桐とか。実はそれらの問題はもうずっと前から存在してたんだけど、カリスマ秀吉がいることで噴出を免れてたんだな。そこにすかさず入り込む徳川陣営。徳川もすごいが秀吉もやっぱすごい #真田丸
「秀吉逝去の報に接した家康の反応」は大河のお約束シーンの1つだけど、心を込めた合掌のち即座に秀忠を帰す算段という、奇をてらわず、大物らしく、しかも情も理も備えた今作の家康らしくて、すごくよかったな。真田の息子さんたちに比べぼんやりすぎる秀忠の成長(するのか?)も見もの #真田丸
天下に意欲はなくても、「死なない・徳川を滅ぼさない」への家康の執念は強くて、正信らにそこを突かれたら(うかうかしてると三成に滅ぼされますよ、とか言われてさ)、婚姻を進めたり狸芝居をしたりと厳重な策を講じるだろうなって。家康の大物感と小心者感のミックスした狸ぶりの説得力 #真田丸
んで、秀吉が死んでも時代はかつての戦国乱世とはもう違ってるんだけど、家康狸の戦略を見抜けるのは、戦国乱世を縫って生き延びてきた、くたびれ気味の昌幸なんだよな。信濃に帰りたくなっちゃった薫様ともどもまだまだ元気で活躍してほしいよ #真田丸
真田屋敷の酒宴でのおこう。お膳は用意されてないようで(あったっけ?)侍女的な出席の仕方ではあったけど、信繁正室の春に「おこうさま」と呼ばれ、稲に酒を注いでもらってて、なーんかいい感じのとこに落ち着いたね。おこうが自分で獲得した居場所であり、信幸の情け深さなんだろうな。#真田丸
信幸は、正室の雲居雁と、五節の舞姫だった藤典侍とにきっちり同じだけ通ったという『源氏物語』の夕霧(光源氏の嫡男)みたいに、生真面目に2人ともを大事にしてるってことなんだろうな。#真田丸
いっぽうのきりちゃんは、京大坂であまりにいろんなものを見過ぎて、そのうえ源次郎がいつまでもあんなふうなんで、キリシタンになろうとまで・・・! その経験がまた彼女につらいものを見せるのに(泣) でも「勉強」が何かにつながっていくのかな、そう思いたい #真田丸
三谷さんて、1シチュエーションとか会話劇書かせたらほんと名手なので、「応酬」ってサブタイトルだけで超期待して(三成を思うと超胃も痛い)たけど、いやぁ期待通りでした。景勝のチキンぶりとか予想以上で…無理を押して書状を書いた刑部さんも報われなさすぎる…
関ヶ原の戦いがあり、江戸幕府がひらかれ、大坂冬・夏の陣が起こる。三成も家康も真田も、帰着するところははっきりわかってるんですよ。ドラマはこの回だけでも、三成が負けて滅びてゆく必然・家康が狩って新しい天下人になる必然を克明に描き出している。それで、それでもですよ、そこに主人公がどんなふうに絡むのかが、まだまるで見えない。っていう最大のミステリーをずっと維持し続けている「真田丸」が本当に憎らしい!(=憎らしいほど嵌る!)
いや信繁だって最後は負け方について死ぬのわかってます。で、ここまでの状況だとそりゃ徳川じゃなくて豊臣につくよなあ、ってわかるんです。でも、信繁ここへきてだいぶ無能というか三成の下で働きたいと言ってもたいして役にも立ってないし「呪い」のようなものを受け続け澱を溜め続けるのみで、このまま友情とか恩義とか呪いとかを理由に豊臣について戦死するって悲しすぎるじゃないですか、作風的に何か「心を打つもの」を描くはずだと思うじゃないですか、それは感傷だけでなく、どこか視聴者の心を熱くするような、鼓舞するような、何かしらの前向きさを孕むはずじゃないですか、その萌芽がまったく見えない!! すごいです(笑)。
家康と三成にしたって、酷薄じゃなく情け深くてびびりなところもある(秀吉と対照的だ!)家康は、天下を任せるに足る、長く続く江戸幕府をひらくに相応しい人物として描かれていて、すこぶる魅力的なんですよ。対する三成も足りないからこそ魅力的だったりして視聴者としては感情移入しちゃうんだけど、これ判官贔屓的な気分だけで負けて滅びちゃう悲劇性だけじゃあまりに救われないじゃないですか、これどうすんのよ、っていう。
きりちゃんとの関係性にしても茶々との関係性にしても、真田家の趨勢についても、実は読めないことだらけだよねっていう。
演技は当然、誰も彼もいいんだけど、鈴木京香の寧にいつもすごく惹かれます。役作りのために太った(太って見えるようにと三谷さんに言われて水をがぶ飲みしてむくませた)と何かで読んだんだけど、それがすごく良く作用していて、地母神的な雰囲気なのに哀しいっていう今作の寧の雰囲気が本当に魅力的です。