『ゆるく考えよう』 ちきりん
- 作者: ちきりん
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2011/01/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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あら、のっけからお金の話ばかりを書いてしまったわ。
分類するなら自己啓発系の本ということになるんだろう。この手の本を読むのは年に1,2回といったところなんだけど、ほかのカテゴリに比べても(身銭を切るか切らないか・・・図書館で借りるなど・・・にかかわらず)、厳しく内容を吟味してから読み始める。自分にしっくりこない自己啓発本ほど意義のない読書はない。そういう意味でも、ブログを知っていたのはアドバンテージだった。
さてそんな「折り紙つき」で購入した本書の中身だが、どんな自己啓発かというともちろん「もっとゆるく生きようよ!」である。もっと詳しく言うと、「30年ローンで家を買うとか、子供を有名私立校に入れようとするとか、土台、無理な話なの。無理をするからしんどくなるの。庶民は庶民であることをさっさと受け入れて、庶民らしくちんまり生きなさいよ」ってことである。そう言い聞かせる著者はというと、バブル最盛期に証券会社で働き、米国の大学院留学後には外資系企業で働いて、今や定年前にリタイアして悠々自適の生活を送る、モノホンのエリート、本人が分類するところの「ゴールドカラー(著者いわく、ホワイトカラーなんて今どき何の価値もないらしい!)」の人間。
なんてひとごと、なんて上から、なんという言いっぱなし!! と憤る向きもあるだろうけど、私はこの人の本(ブログ)を読むと、あきらめつつもラクになる、というか、朗らかに絶望する、というか、なんとも不思議な感覚に捉われる。明るいほうへ、自由なほうへ向かう気持ちになる、というのが、私の自己啓発本に求める絶対の条件なのだ。
目のつけどころといい、読みやすい文章といい、さすがは超インテリ、「おちゃらけ社会派ブロガー」なる自称もなるほど、と思わせる。だからブログも大人気で、わざわざ本にもなったんだろう(しかも、これがまあまあ売れたんだろう、第2弾まで出版されている)。まあ、私がこんなところで言葉を尽くすよりも、当のブログに飛んで、興を覚えたタイトルをひとつふたつ、クリックして、読んでもらうのがもっとも有効な宣伝方法でありましょう。