『家政婦のミタ』 第4話

あかん。父ちゃんがダメを見せれば見せるほどオモロなってきた。完全にツボ。

妻を失い*1、不倫相手を失い*2、出世の道を絶たれ、そして今回、家まで追われてしまったわけで、この何もかも剥ぎ取られていく様子は、毎週書いてるようだが、『曲げられない女』の菅野ちゃんを思い出します。

そんなどん底一直線でも、見てて暗くなるわけじゃない。先には明るいものが見えてくるはずだと思って見てる。その根拠として、万能で、四次元ポケットバッグをもってるミタさんの存在感がある。

そして、確かにミタさんは表情を変えないんだけど、その目がすごくもの言いたげに見えるようにもなってきた。

思うに、愛情なんてものは、こうやって子どもたちとドタバタやってるうちに、いつしか生まれ育っていくもので、これまでは妻の存在もあって子どもたちと向かい合うことからも避けていたわけだから、今後、彼がだんだん父親らしくなっていく可能性はじゅうぶんにある。今回、きいちゃんをぶったのもその表れだと思う。

これもまたひとつの「それでも、生きてゆく」というか、結局、生きていれば、取り戻せるもの、変えられるものはいろいろある。取り戻せないものとして、恵一の妻の命と、ミタさんを無表情にした、誰かとても近しい人の命がある。

だからミタさんは“心を失くして”黙って見ているだけだけど、親子の絆を取り戻していける阿須田家の父子たちが羨ましくもあり、彼らのダメっぷりがもどかしくも、憎らしくもあり、祈るような気持ちもあり、これからも、彼らを突き放したり、ちょっと褒めたり励ましたりしながら、そばにいるんだろう。最後にはお別れするんだけどね。四次元ポケットをもったどらえもんは、のびたくんが大人になったとき、いないから。

*1:まぁ妻を失った時点では彼にとってそれほどの痛手でなかったのだろうけど、それこそが現在の悪夢の始まり

*2:とはいえ、この子は先でまた問題になるんだろうが。ヨリを戻すか子どもらを選ぶか、みたいな?