『家政婦のミタ』 最終話

残された子どもたちが「あれは事故だった」と思うのはもちろんいい、でも、家族を死なせてしまった十字架を一生背負って生きていく、と言うミタさんに比べ、不倫で妻を苦しめ死を選ぶまでに思いつめさせた阿須田さんちの父ちゃんはあまりにも十字架を背負わなさすぎじゃなかろーか? や、彼には子ども達を立派に育てていく責任があるから、あれぐらい前向きでいいのか。つーか、あの父ちゃんがそうそう身辺を清く保てる気がしないのだが、そこは生まれ変わったってことか? 性的なことに敏感な年頃の長女は、父親の不倫にもひどく嫌悪感を示していたし、それが高じて自分も先輩と寝てしまったりしたのに、その後のピュアさときたらどうか?*1

などと、まあ、釈然としないというか、「そこはドラマ的にうまく片付いたっていう扱いなのね」というところは色々ありました。また、このドラマで何か感動したか?というと、特にしてません。だけど、最後まで目を離させなかった、そして脇キャラまでそれぞれ拾ってのエンディングを作ったってことで、エンターテイメントに徹したアッパレなドラマだったと思います。楽しませてもらいました〜。

ミタさん=サンタ説とか、ミタさんの名前であるあかりと北極星とを絡めたセリフとか、さすがです遊川さん。ただ、「あの角を〜曲がったら〜」の家をめざす歌とか、最後の「この家が、僕たちの北極星だよな」とかいうセリフのように、このドラマの「家族=家=ホームベース」みたいな作りは、「11人もいる!」の家が燃えてしまってからの妙なリアリティー(と同時にファンタジーだが)を見たあとでは、若干弱いなと思ってしまったんだが。

このドラマがどうしてこんなに高い視聴率を獲得したのか、その理由を分析してみせるような記事もいろいろ出てますが、今のところ、すごく説得力のあるものには出会ってません。私としては、「面白いよ」「視聴率高いよ」という評価をされているテレビドラマに食いついてみる習性を今でもみんなもってるんだなーというのが驚きでした。もちろん、松嶋さんや長谷川さんや忽那さんといったキャスティング*2も「いっちょ、食いついてみるか」という気にさせるのもあったんだろうし、いったん食いついてきたものは絶対に離さないような作りも見事だったわけですが。

あとは、来年、ミタさんもどきなドラマたちがミタさんの足もとにも及ばず消えていくのを想像しただけで軽く憂鬱なんですが、各局(特にTBS)、真似してもOKって思ったのは、最終回の放送の仕方。9時から1時間、特別編(という名のほとんど総集編)をやって、本編は15分程度の拡大、という、その手があったか〜!て感じですよね。これまで見ていなかった層も取り込めるので、最終回40%の視聴率にも寄与しているに違いないし、これまでを見てる人は本編だけ見ればいいしで、まあ、あざといっちゃあざとい数字稼ぎメソッドではあるけれども、最終回とか初回とか、2時間にもわたって延々と見せられるよりはありがたいってもんです。

*1:唯一、母親を演じるミタさんが病院で父ちゃんのに手を重ねたときにドキッとする演出があったけど

*2:あら?相武さんを入れ忘れてしまったわ・・・笑