半沢からリーガル・ハイ2へ

半沢直樹」の流れを受けて、「リーガル・ハイ 2」の視聴率がどうなるのかは、やっぱり興味ある。リーハイ自体が面白くなかったら元も子もないので、脚本の古沢さんにはシリーズ1同様、冴えわたっていただきますように!と願ってるんだけど、そこは多分心配ない。

といっても、初回は20ぐらいの数字が出て、そのあとは少し下がって、結局は15くらいで落ち着くんじゃないかなと思ってる。リーガル・ハイはシリーズ1が平均視聴率12.4なので、それより上がるのは、やっぱり半沢効果ってことで。でもあくまでその効果は限定的なんじゃないかと。

ひとつには、日曜9時と水曜10時っていう枠の違いがある。まあ、「家政婦のミタ」だって水曜10時だったんだけどね。そのころと違うのは、水曜10時にドラマがバッティングしてること。そう、ミタさんを輩出した日テレの水10枠にフジがドラマ枠を新設したんですよね。秋クール、水10の日テレは竹内結子松坂桃李北村一輝で労働基準監督もの、という水10鉄板の女子のお仕事もの。まあこれがバカスカ数字をとるとも思えないんですが、人気漫画が原作らしいのと、やっぱりふだんドラマを見る層って限られてるので、重なったらパイの奪い合いにはなりますよね〜。緻密な脚本演出のリーガル・ハイは録画して時間のあるときにゆっくり消化、リアルタイムでは日テレをながら見・・・て人もいそうだし。

もうひとつは、両者の作風の違い。半沢って、半沢くん本人はすごーく頑張ってるから私たちは感情移入して応援してるけど、基本的に、視聴者は受け身というか、安全なところにいる傍観者っていうスタンスだと思う。対して、リーガル・ハイ(シリーズ1)は、古御門(堺)と一緒になって「あまちゃん」な黛(新垣結衣)や、愚かな被告あるいは原告を嗤いながらも、ふと気づけば古御門に牙を剥かれたり毒を吐かれたりしているのは自分(視聴者)自身じゃないか、と愕然としたり、チクッと胸を刺されたりする部分のある、「当事者意識をもたせる」タイプのドラマだったと思う。それが押しつけがましくなく、あくまで良質なコメディたりえているところが秀逸なんですよね。で、その毒があるからこそ、好きな人はすごく好きになるドラマだと思うのだけど、特に深く考えずに(視聴している時間を楽しむためだけに)見ていても、その毒がイヤだなって感じる人も、一定数、いそうな気は、するのだ。

で、そういう人々は、自分が感じた「イヤな感じ」を追求して言語化するようなことはないから(ええ、ドラマやなんかのことを延々と考えている私みたいな人の方が特殊…ていうかヒマ人…)、なんとなく、言語化しやすい別の理由を述べそうな予感が。

「こっちの堺さんはふざけてるし感じが悪い」 「半沢のような真剣味がない」 「香川、愛之助、石丸のような芸達者の競演と、ガッキーや三浦春馬(シリーズ2の新キャスト)のような若者たちでは、重厚さが違いすぎる」 「ちょっと堺さんに飽きた」 「ギャグが滑ってる (←それは趣味嗜好が違うだけなのに)」etc、etc・・・

ライトな視聴者は、一見わかりやすい、けれど、本当は本質をついていない感想を述べて、リーガル・ハイから去っていくんじゃないのかな、という気がする。そしてそれにマスコミも乗る。さんざん持ち上げてから落とすのが彼らの常道なので、今度はここぞとばかりに、あることないことつまらないことをあげつらって、ネガキャンを貼りそう。そして、昨今の大河ドラマよろしく、クチコミがクチコミを呼んで「リーハイはけなしてもいい」みたいな同調圧力が醸成される中、シリーズ1からのファンや、半沢から流れてきた中で一部の人々が「何これ面白い!!」とSNSを中心にひそかに熱狂してる…

という図が脳裏に浮かんでいます。や、これはもちろん悲観的予想で、半沢並みにフィーバーしちゃったらいいYO!!と願ってるんですけどね。