『家政婦のミタ』第3話

というわけで、家族はいったん崩壊してしまいましたとさ。

やはり第3話までに、たったひとりの身内である母親と、9年(だっけ?)つきあった恋人、それに仕事まで失った『曲げられない女』における主人公・菅野美穂を彷彿とさせる、遊川和彦らしいスピーディーな展開。ここからが本番ってとこですかね。

ミタさんの万能さ・笑わなさ・ミステリアスさを、時にシニカルに時にコミカルに時にホラーテイストで、と、いろんな見せ方をするとことか、安易な感動を押しつけてこないとことか、さすがだな、エンターテイメントだなと思う。でも、もうひと味足りない気がするのは、私が贅沢なんですかね。『女王の教室』の序盤では、見ながら完全に志田ちゃん目線になってぞくぞくしてたし、『曲げられない女』は、それぞれダメながらも主演の3人がとびきりキュートだった。マイケルの歌とか、ごみシュートとか、菅野ちゃんの咆哮みたいな「お約束」も効いてた。

ここはやっぱり長谷川博巳に期待だろうか。今回、想像以上のダメ男っぷりを露呈していたが、これは、今からビヨーンとジャンプしていくために、ぐぐっと、思いっきし、しゃがんだってことだよね? ね?

もちろん、やたら上手い演説で周りの人間を動かしちゃう主人公が多いドラマ業界で、「その手は使わないぜ」っていう遊川さんのやり口(やたら吠える主人公だった菅野さん。自らの意図とはまったく別のところで・・・というか、意図というもののない行動をするミタさん。)が一番気になるところなんだけども。

しかしね、ミタさんを今のミタさん(どーでもいいけど、ついミタ“さん”って呼んじゃうね)たらしめているものは、間違いなく誰かの死であるわけで。ミタさんが関わった死と、阿須田家の母の死。死者を取り戻すことはもちろんできないんだけれど、死の意味あい(?うまい表現が見つからない)のようなものを、何らか、つけてくるよね。

てか、放送前から“崩壊しかけた家庭をミタさんが救う”感じを前面に出してるこのドラマ。それがミスリードを誘っているとまではいわずとも、実はミタさんのほうも救われることはないんだろうか。阿須田家の面々、特に、今、ダメ男の谷底にいるとーちゃんによって。

そこに本人の意思がなかったとしても、一方がはたらきかけるのみ・・・みたいなドラマは今にそぐわない気がするし、女王の教室のころならまだしも、遊川も今さらそういうの書くかな?とも思うんだよね。

うららちゃん=相武さんもうまく機能してほしいところ。ていうか、相武さんのかわいさを引き出してー!