『江』 第32話「江戸の鬼」 

入れ替わり立ちかわりいろんな登場人物と対面していくって、つまんないお話だと思って見てた人もいただろうけど、長丁場の大河ドラマには、こういう「静」の回もあるもんだからね。秀吉というモンスターが死んで、次の風雲が急を告げるまでの静けさ、休憩、そして江戸編の幕開きってのが今回でした。

けっこうおもしろかったよ。内密で江戸に出立する前にそれとなく暇乞いをするっていう理由づけも無理ないし。ま、いろんな人にバレてたがwww

まずもって、大河ドラマでありながら、「新幹線でもあるのか?」てぐらい、移動を気楽なもののようにとらえる脚本も少なくない中、伏見から江戸への行くってことで「今生の別れかもしれない」というふうにもっていくのが良い。だからこそ、「一生会わない」とまで思いつめていた江の覚悟を知っていながら、完を呼んでこさせるわけよね。上座から降りてきて江の手を握り、涙を流すお茶々さま、秀吉が亡くなったうえ、妹までもが江戸というはるか遠き未開の地に移り住むことになり、おお、どれほど心細かったであろう・・・。

ところで宮沢さんは頬の肉がかなり薄いので、真正面からのカットはちょっと減らしたらいいんじゃないかな。や、傷心のお茶々さまなんで、お痩せになった姿で間違いないかもしれんけどさ。斜めから映したら、すんごく美しいんだから。

お初ちゃんには今週も癒されました。「仲良うして、子どもをつくって、私にくれ」って、そればっかりww てか、お初ちゃんとお江ちゃんがほんとの姉妹みたいに見えてる今日このごろ。良い視聴者です、わたしwww

石田三成を屋敷に呼び寄せて・・・って本はどうかと思うところだが、まあこれくらいの正面突破(?)は過去の大河でも珍しくないし、竹千代として登場した秀忠が徐々に大人の男になってゆくその一端ってことで、良しとしましょう。

だいたい、向井理の演技力がいかほどなのかイマイチよくわかんないので、皮肉げに笑って小憎らしいことを喋るとか、ひょうひょうとして関心なさげなふりをするとか、そういう以外の本気の芝居をしてくれると非常にありがたいですw や、もとより、大根じゃないとは思ってんだけどね。火事のときの叫び声では「腹から声出せるんだ」とちょっとびっくりしたし、今回の、じっとにらんで釘をさすあたりも、なかなか良かった。

三成の肩をつかんで・・・ってのは、演出、ちょっとやりすぎじゃないかと思ったけどね。いくら徳川家の御曹司とはいえ、ずっと年下のくせに〜。あと、秀忠が三成の盃に酒を注いだ瞬間、「おい待て! 石田は下戸だぞ!」と激しく思った自分がイヤだったwww あれは『天地人』での三成@おぐりんの設定だったが、史実でもそげんふうに言い伝えられとるんやろか?

追記:この場面、音楽がやたらうるさかった。どの大河でも・・・というかどのドラマもそうだけど、音楽頼みで盛り上げるのやめれ。あと、この場面、ろうそく燃えすぎ。そんな近くでふたつも要らんだろと。

ともかく、端座した役者同士が火花を散らす、ってのは大河ドラマの醍醐味のひとつ。相変わらず苦虫をかみつぶしたような顔の萩原聖人も、髭つけていい感じに苦み走ってきました。

あ、加賀まりこの大姥局ね、ああいう姑枠みたいなのって、大河ではおなじみだからね。あまりどうこうっていう感想はありません。