『江』 第27話「秀勝の遺言」

過去は遠くなるいっぽうなのに歴史の研究は進んでいく。その成果が大河ドラマに用いられることも珍しくない。

私が子どものころには「殺生関白」というイメージ一辺倒だった豊臣秀次だが、小牧・長久手の敗戦以外ではいくつかの武功も挙げており、古典の素養にあふれた面もあって、最近の研究ではそれなりに文武両道の人物だったのではないかといわれているらしい。今回の『江』における人物像もそれを下敷きにしているのだろう。北村有起哉の好演も相まって、新鮮な印象を残したと思う。・・・・って切腹は来週ですが。

このように、なんだかんだむちゃくちゃやってるけど、ところどころ歴史考証に見るべきものがあるこのドラマである。淀の方が秀頼に自分のお乳をあげていたというのはどうなんだろう? や、創作だとしても、これまでの描き方であれば「そうしても不思議でない」という感想を抱かせ、かつ、今後の展開の暗い側面を予感させる、いいエピソードだと思った。

お江ちゃんのしゃべり方がちょっと大人っぽくなった。「ますます強くなったな」とすぐにセリフでそのまま言っちゃう脚本は相変わらずだけども。