『坂の上の雲』第9話「広瀬、死す」

少佐、少佐ーーー!

悲しいから見たくないなあと思いつつ録画予約してたら、見事に予約失敗していたので(我が家のレコーダ、ちょっと調子が悪い)びっくり。再放送で後半50分くらいを見た。結果、想像以上に悲しませてもらいました。おお、少佐・・・。「わかったから、わしの顔をしっかり見て漕げ」泣けたわ・・・。彼はロシアに葬られたのね。永訣に際してのボリスも良かった。ボリス役の俳優さんがあまりに端整で繊細な方で、対する少佐は堂々たる偉丈夫だったので、ついつい二人の仲を(以下自粛

展開を先読みしたくなるドラマ、場面のあれこれについて人と語り合いたくなるドラマなど、見終わった直後の感じにもいろいろあるけど、この『坂の上の雲』についていえば、大きく息を吐くって感じだね。「ほーーーーぅ」と。それぐらい、知らないうちに息をつめて見ているし、簡単には言葉にならないような感慨を抱かせるドラマだと思う。久石譲によるエンディング・テーマ*1を見ているとき、私の顔は相当に呆けていると思いますよ。あ、キャストクレジットは真剣に追ってますが。

人間も時代も、そして歴史も、同時に描いている。ちょこちょことしか出てこない、しかもロシア側のマカロフ中将やら皇帝一家やらですら、記号的でないのがその証左だ。司馬遼太郎の原作あってこそでもあるだろうけど、ほんとに素晴らしいつくり。確かにとっつきやすくはないかもしれないけど、決して難解でないのもすごい。すばらしすぎて突っ込みどころがないのだけが逆にウィークポイントだ。視聴率的にも話題的にも、あるいは賞レース、演じた役者やスタッフに至るまで、この完成度にふさわしい評価を得て欲しいと切に願いつつ、来年の師走を待ちます・・・。

*1:第1部はサラ・マクラクラン、第2部は森麻季、さて第3部はどこの国のどなたが歌うんでしょうね?