『坂の上の雲』 第6回「日英同盟」

番宣も全然見ていなかったし、ハテナと思うところもいろいろあったにせよ、一年間見続けた『龍馬伝』が終わって間もないものだから正直なところそれほどテンションも上がっていなかったのだけど、見るとさすがの出来ばえ。90分といえば大河ドラマの2倍の時間だというのにあっという間だった。心もあっという間に『坂の上の雲』の世界に戻った。

一年ぶりっていうのも、なかなか乙なもんだなあ。一年前とは全然違ってるんだもんなあ。それでも同じドラマの続きを見て、感動してる自分がいる。

大友啓史はかなりこだわりの演出をするので、『龍馬伝』にしろ『白洲次郎』にしろ独特の雰囲気をもった作品になったわけだけど、『坂の上の雲』もすごいね。作家性、というのとはちょっと違う気もするけど、一寸のゆるみもないというか、一点の曇りもないというか、すみずみにまで行きわたった清冽さに襟を正すような気分になる。広瀬大尉とアリアズナのロマンス良かったなー。ボリスとの友情も。てか、ボリス、広瀬のこと好きすぎだろって思ったw

時代ってなんだろう、と思う。各国が武力で覇権を争うキナ臭い帝国主義の時代、「いい時代だったよね」なんて思えない。でも坂の上の雲だけを見続けて進む若者たちがいた時代。まあ、いい時代なんてもの自体が幻なのかもしれないけど・・・。去年見たときよりも、なんかいろいろ考えちゃうな。

それにしても香川照之だよ! 別人じゃねえかよ! 弥太郎はどこへ行ったんだよ! なんか、『龍馬伝』と『坂の上の雲』をこうやって連続で放送するのも、香川照之の名優っぷりを世間に広く知らしめるための壮大な仕掛けなんじゃないかって気すらしてくる。それぐらい、いきなり(?)子規だった。