「剣客商売」再放送 “三冬の縁談”

そんなわけで仕事を休み、家での遅い昼食どきにテレビをつけると、「剣客商売」の再放送をやっていた。私は池波正太郎の原作を14冊目まで持っているが、買い集め始めたのはここ数年のことで、ドラマ放映時よりずっとあとだった。だから初めて見た。

登場人物のイメージは、私のイメージとは総じて違う。秋山小兵衛は小柄な老人でなければならないのに、藤田まことじゃあ、まるで“馬”兵衛じゃないですか(藤田さんが嫌いなわけではありません)。田沼意次は薄い顔立ちで痩身の男を想像していたのに、平幹二朗だし。濃い! おはるさんはあんなに小奇麗にしてなくて、もっといい意味で農婦っぽいいでたちのイメージだし・・・。

そして、佐々木三冬と秋山大治郎! 

今日は、実は意次のご落胤であるところの三冬に縁談が持ち込まれるという、原作でも面白い章の放送だったのだが、三冬は大路恵美。「ひとつ屋根の下」で最終回近く、レイプされてしまった妹ね。うーん、なんか違うんだよなあ。こう、もうちょっと男装が若武者のように見える、今で言うと黒木メイサみたいに切れ長の眼の人がいいんだけど・・・。でも大路さんは演技は切れがあって上手です。最近見ないなあ。

大治郎はといえば、びっくり、なんと渡部篤郎ですよ。ち、ちがうよー! 全然デカくないし! 線が細すぎるし! 妙に暗い影を背負ってるし! いやーびっくりした。こんなことになってたのか、ドラマの「剣客商売」は。

でも、さすがに原作がよくできているだけあって、おもしろかったです。原作でちょっとグロいけどかっこいい場面は、しょぼく改変されてましたが、ゴールデンタイムのお茶の間に向けた放送だから仕方ないですよね。役者陣の若さから見るに、10年くらい前の放送だったのかなあ。いいもん見ました。平日の昼間に家にいると、こういう恩恵ってあるんですね。てか、ほんと、CSの時代劇チャンネルに加入したい・・・。