その初日

夫、今朝から2−3週間にわたる予定の入院生活に突入。

初日である今日、彼の体内に入り込んだ菌がどんな種類のものかを同定するため、患部である腰に穴をあけて針をさして、その辺りの組織を採取するという、いわゆる「検査手術」(?というのは今、私が名づけたものですが)を行うという。

そんなこんなで、
病院〜自分の会社〜病院〜自宅〜病院〜自宅、
と、小刻みな移動を繰り返したワタクシである。

入院手続きに付き添い、
会社に行って今日の最低限の仕事や連絡事項、プライベートたる現状報告を行い、
夫の実家と幾度か電話連絡を取り合い、
お医者さんや看護婦さんによる説明を受け、
約1時間の手術の間、家族控え室で待って、出てきた夫と一緒に過ごして、、、

などと、まあ、やっぱり疲れたな。って感じの1日であった。

自宅、病院、私の会社という3地点は、3キロくらいの直線上に位置しているので、すべて自転車で縦横無尽(実際はほぼ一直線ですけどね)に行き来できて助かったよな。

あの病院、初めて入ったけど、ドラマの撮影が出来そうなくらい綺麗。

その病院内では、1日にすごい数の手術が行われてるみたい。彼の主治医の先生、外来〜手術〜家族説明〜手術〜外来。みたいなエンドレスループっぽかったけど、快活で感じのいい人だった。

お医者さんて、人並みはずれて頭のいい人がなるものなんだろうけど、現場はやっぱり、体力や対人関係、精神的に強い人でないと勤まらない激務だな。看護士さんたちも同様。

私の業務上、1年でもっとも忙しい時期たる4月なんだけど、こういう非常時に対して、周りはみんな理解を示してくれた。
まあこういうことが頻繁に、あるいは延々と長引いたりすれば、また周りの目も変わってきたりするんだろうけど、普段、マジメに働いてるわたくし(ほんとだよ!)の年の功や、そして、長い付き合いの上司や同僚たちとの信頼関係のタマモノだよな。
いろいろありつつもがんばって働いてきて良かった。

当人たる夫は、いつもどおり落ち着いてるし、検査手術はものすごく痛かったらしいけど、終始しっかりしてるのが、けなげ。

世の中のありとあらゆる手術やなんかの種類からいうと、たぶん、ほとんど大したことないといえるぐらいの現状なんだろうけど、彼が手術室から出てくるまで待ってる時間や、そのあと、彼と会ったとき、
ちょっとぐっときた。泣きそうになった。

そして、彼自身に対してはもちろんのこと、お医者さんや看護婦さん、彼の実家の両親、私の職場に対しても、付き添ったり説明を受けたり説明をしたり、なんていう一連のモロモロを、堂々と?ていうか、正面切って?ていうか、何の疑いももたずもたれず?ていうか、
とにかく普通にできる、受け止めてもらえる、って、れっきとした婚姻関係を結んだ「妻」という社会的立場って、強くてありがたいな、って思った。

各方面に対して最善を尽くす、っていう責任ももちろんあるけど、心配することも世話することも、手を握ることも、あたりまえに許される私の権利なんだなって思った。
結婚してて良かった。

しばらく一人になる家に帰ってきて、洗濯とか片付けとかして、ビール飲んで、自分の実家に電話した。母親と話すと、それはそれでやっぱりほっとするものだった。
週に一度は電話で話してるけど、おんなじ福岡市内に住んでいながら、母親とはお正月以来会っていない。
子どもって身勝手だよなー。
夫でさえも(まだ新婚だからだろうけど)こんなに心配なのに、自分の子ども、しかも赤ちゃんとかが病気になったら、もうすごく耐えられないぐらいに心配なんだろうな。

とか、まあ、こういう非日常になると、いろいろ感じるところがありますよねえ。