水無月の六 / サブカル打ち上げメモ
●6月某日: N事務所出勤。久しぶりにボイスメモ収録したり。
(facebookより)
昨年9月から10回にわたって受講したオンライン講座の打ち上げ、もちろんオンライン。4時間にわたって続いた‥‥! 一部を備忘メモ。(エ)は私の発言ですw ちなみに私以外は9割東京の人。
●星野源はサブカルなのか?
「あれはリベラルポルノでしょ。広告代理店が噛んでる感じの」
「“逃げ恥”よりずっと前からお金に困ってなさそうだからサブカルじゃない」
「お金があってもないふうを装うのがサブカルw」
「小沢健二だけは別。あれは貴族的サブカルという別ジャンルw」
●(エ)そもそもサブカルって都会的なものというイメージ。九州一の都会、ここ福岡市ですらサブカル不毛の地。
「確かに、サブカルって、“場”に紐づくものかも。ギャラリーとか舞台とかミニシアターとか」
(エ)「でしょ? 福岡市、ミニシアター辛うじて一軒残ってるのみ」
「この15年くらい、渋谷ですら普通の町と同じになったと感じる。ドンキができて、ブックオフができて‥‥」
「ただ、東京といっても、高円寺や下北は明らかにサブカルだが、阿佐ヶ谷は?日本橋は?蔵前は?」
「日本橋だって、高円寺や下北までアクセス可能やん」
「東京の東西問題ってあるよね」
「自分は、サブカルの場は作れると思う。向島の“レコードコンビニ”なんかはその例」
(エミ、心の声‥‥確かに、ブックスキューブリックやブックオカなんかは福岡で作られたサブカルの場かも)
●(エ)今、「サブカル」って何を指すのかな? かつてはそこそこの共通理解があったけど、今はあいまい。将来はどうなる?
「それな。キリスト教の信者を“キリスト者”っていうように、自分はサブカル者だと思ってるんだけど、サブカル者としては絶滅危惧種になってる感」
「20代にはいないかも」
「かつては、特定のジャンルや作品をサブカルといってきたけど、今は、テレビドラマにしろアニメや音楽にしろ、対象について語ったり考察したりする行為そのものを “サブカル” といっていいのでは? 異論は認めるw」
「作品を見たとき、言葉を費やして語りたがるのは、確かに特殊な行為。大多数の人は「おもしろかった」「感動!」で終わる」
●「美輪明宏って、いつから人生相談とか美の伝道師みたいな立ち位置になったの?」
「2000年くらい、江原啓之と一緒になんかに出てなかった?」
「細木数子とも一緒に出てた気が」
「宜保アイコ、鈴木その子、細木数子の系譜では」
「いや、1991年ごろやってた “それいけココロジー”という心理学とスピリチュアルの良いとこ取りみたいな番組が最初では?」
(エ)「あったねー! そんな番組。懐かしい」
「オウム事件の前までは、スピ的なものも普通に地上波にのせていた」
●「最近、トレンディドラマ時代の女優でスピリチュアル系にいってる人多くない?」
「浅野温子、鶴田真由」
「同時に、うっすらと右に‥‥」
「スピリチュアルとふんわり右派の親和性が高いのはなぜ?」
「ヒッピーの時代から、スピといえば昔は左だったのにね」
「かつてのヒッピーや左派はいわばオルタナティブを探す流れ。現代は、何かしらの超越性、動かしがたいものを探しているのでは」
(エ)「ネットの時代になって簡単に脱歴史化できるのが一つの要因では?」
「今や、何らかの資本かリベラル的な土台がなければ歴史は学べない」
「昔、人間の暮らしは、ケとハレがはっきりしていた。1年の9割以上は封建制や村社会に抑圧されるケで、ごくたまにすべてから解放されるハレの日がくる。対して、現代はケとハレの区別がなくなり、ずっと素面でいなければならない時代。だから超越的なものがほしくなる。戦後は新宗教、今はスピとオンラインサロン」
「スピリチュアルはそれ自体、ふつうのこと。ただ、利用されやすいのが難点」
「特別視しないことが大事。赤塚不二夫の『不思議だが本当だ』みたいなスタンスで」
「「あるよね、そういうこと^^」的な」
「おなかがすいたからごはん食べよう、みたいな」
●「Tik-Tokのカオスぶりがすごい。インターネット初期みたい」
「今、なんか良い新譜を探そうと思ったら、Tik-Tokを漁るのは世界の音楽シーン共通の現象」
「YouTubeや既存のSNSと違うのは、アルゴリズムに誤配がデザインされていること。自分が見ていたものと全然違うジャンルがレコメンドに出る」
「ただ、それもWebアーキテクチャのひとつ。結局、現代はWeb技術者が文化の最上位にいて、表現者はそこを超えられない。むしろ、喜んでその輪の中に取り込まれていく」
(エ)「GAFA的なものに管理されてるんだよね」
「いってみればネオ封建制」
「それがわかっていたとしても、「それでいいや」って時代。不快な非管理社会より、快適な管理社会のほうがよくない?みたいな」
「やばいよね」
1年ちょっと前、コロナ禍が始まったころに読んだ本の著者たち(共著)が講師。
めちゃくちゃ感銘を受けた本の作者とTwitterでやりとりするだけでも「スゴイ!」と思うのに、zoomで直に質問したり、オンライン飲みしてるって‥‥。
福岡生まれ福岡育ちの私には、不思議すぎる時間だった。
オンラインでつながれたことで、
なおさら東京のすごさを感じた部分もある。
都会の風を感じた全10回だった‥‥。