●12月某日: 午前中のんびり。午後、衣服やおもちゃの整理をして古いものを捨てたり(もうすぐサンタさんも来るしね…)、油汚れのしっかりこびりついたレンジフードや水回りを掃除したり、やかんを磨いたりした。私が働いていると、サクもなぜか「いそがしい、いそがしい」というていになって、自分スペースを片付け始め、自分で作ったダンボールの机を撤去したり、おもちゃ棚の置き場所を決めたり(油性ペンで「くるま」とか「ブロック」とか書かれまくったよトホホ・・・)。
夜は、クリスマスイブイブのプチパーティ。麻婆豆腐、白菜煮・大根煮、野菜サラダ、焼きイカなど、まあ食事は普通だが、ワインをあけたり、嵐のライブDVDを見たりして楽しむ。
●12月某日: 起きてきた子どもの第一声「おはよー、きょう、どっかいく? クリスマスイブだけど」ど、どこにも行かないとは言い難い雰囲気(笑)。安心してください、どっか行きます。天神に出て、イブの町でちょっとお買い物。母と待ち合わせしてファミレスに入り、注文して、私は一時間ほど抜けて別の店へ。
母にランチ付きで託児をお願いして、自分は天神で働く勤労ママ2人と友だちランチ。多少あわただしくても、友だちと会って喋るのって楽しいリフレッシュになる。クリームソースのパスタにパイ包みのスープまでついて、おなかいっぱい…。夜ごはん作りへの意欲が急速に薄れる(笑)。サクのもとに戻ると、今日たまたま休みだった姉も合流して何やら盛り上がっていた。成り行きで、福岡市美術館で始まって間もないのモネ展に行くことに。これがすごく良かった!
たとえばボストン美術館展とか、浮世絵展とか、何らかのテーマで集まった美術展がいろいろ見られて面白いなーと思ってたけど、一人の作家の作品を追う展覧会って独特の良さがあるね。もう亡くなっている作家の作品を辿っていくのも、彼の人生に触れたような感じがあって良かったわー
私の乏しい知識では、モネって睡蓮に代表される「印象派の人」という印象(日本語拙くてすみませぬ)だったんだけど、若い頃は人物の風刺画みたいなのもいっぱい描いてて、これがまた当然なんだけどすごくうまいの。
若い頃は写実的だったりカメラで撮ったみたいな構図のもあって、「ナントカの海辺にて」てタイトルの絵、綺麗なストライプのワンピースを来た上流階級ぽい娘さんが椅子に座ってて。すごく都会的で洗練されててね。1870年の作品なわけ。日本が明治に入ったばかりの頃、フランスってこうなのね、と。
それと同時代の作品「ヨーロッパ橋とナントカ駅」って絵、立派な駅舎と橋、それに蒸気機関車も描かれてて。岩倉洋行団の大久保始め、あの時代の日本人がこういう景色を見て、衝撃を受けて帰ってきて母国の近代化につとめたんだなーとか。
ナントカ城、みたいな絵もよかったな(基本的に外国の固有名詞が覚えられない)。霧に包まれているような、寒色で、ぼんやりとして、とても綺麗だけど淋しい絵。
睡蓮はもちろんよかった。薄味で清明な感じがするのや、濃い陰影が描かれてるのや、夕日を映してるのや、鮮やかな桃色や、いろいろ。有名な何枚かじゃなくて、あんなにも、睡蓮を描き続けたんだなあと、本当に好きで、惹かれてしょうがなかったんだなあと、そういうのも面白い。
で、最晩年のセクションに辿りついたときの衝撃と感動よ! モネって86歳で亡くなる直前まで描き続けてるのね、眼を悪くしてからもずっと。その最晩年の作品群がすごく荒々しくて、強くて、前衛的で、自由! 近くで見るのも印象的だけど、離れて見たときの、題材の浮かび上がり方がすごくて、圧巻。
姉の車中で流れるのが、星野源とかゲス極とか『デート』の主題歌とか、まあ流行りの歌といえばそうなんだけど、私たちがよく聴いてる(つまりサクもよく知っている)曲ばかり。熱唱を続けるサクに自分も子どもの頃、親戚の車に乗ったときこんなんだったなーと思い出し、うるさかったんだろうなーと思いを馳せるなどw
そんなこんなで帰りはとっぷり夕方になり、急いでごはん準備。わが家ではクリスマスパーティは金曜日の明日に決めているのだが「イブ、イブ」と子どもが特別視しているようなので(なぜだ?)鶏と野菜のトマト煮込み、ピザ(市販の)、綺麗な野菜のサラダ等でお茶を濁した。
夜はすんなり寝たので、さらっとプレゼントを用意して、シナリオについて夫とすりあわせておく。お風呂で夫に「まどとか げんかんとか かぎしめてねるのに、サンタさん、どうやって はいってくるのかな?」と疑義を呈していたらしいし、夫婦で矛盾したこと言ってらんないな、という5歳児へのクリスマス業務である。