文月の九 / Mステ3時間半スペシャル超長い感想
●7月某日: 未明、すごい豪雨と雷。蚊とも戦う。午前中には上がり、畑の野菜を収穫。午後、辞去。夜はホタテのバター焼き!めちゃうま! ニラチヂミ、きゅうりの肉巻き、うるめいわし、もやし酢など。Mステスペシャルをざっと見。
(facebookより)
昨日のMステ3時間半スペシャルを、早送りしながらざざーっと録画で見ました。本邦の現在地点を知る素材。とても勉強になります‥‥。
嵐がテレビ初披露した『IN THE SUMMER』にぐっときた。立ち位置を変えると、こうも表現が変わるんだね!
YouTubeチャンネルを開設しサブスク解禁したことによる変化。曲がいいのはもちろん、トラックは洗練されてるしボーカルの音の立ち方がすごい。処理がすごくて誰の声かわからなくなるほど(笑)。
つまりいわゆる “ジャニーズ臭さ” を最大限に消している。ダンスもすごいがんばってた。‥‥と思ったら、あのダンスはMステ用の特別ver.で、Official MVでは全然踊ってなかった。あらら?
前回のシングル『Turning up』を最初に見たのもテレビの音楽番組での披露だった。というか昨年末の紅白だったw そのときも本当にぐっときて泣きそうになったんだけど、昨日とは種類が全然違って、『Turning up』は2019年ぽくチューニングされていても従来の嵐の曲だった。
ジャニーズの大御所かつトップセールスを誇るアーティストであり、しかもJ-POPシーンのメインストリートを少なくとも10年走ってきた。サビ部分でまさに「Turning up with the J-POP」という詞があり、しかもそこの振付がもう本当に、めちゃくちゃダサい。いやとっても可愛いんだけどね。
あの曲には「ガラパゴス化した日本で、世界基準ではなかなかダサいJ-popを、誇りを持って全力で楽しんでるよ!」っていう自負が感じられて、それはそれですごく立派な在り方だと思ったしファンへの「寄り添い」を感じた。実際に私もそのダサ可愛いJ-popで長年楽しませてもらってきたからね。あの曲のゴキゲンさは感動的だった。
そしたら8か月ぶりのニューシングル『IN THE SUMMER』。
‥‥完璧にサブスク前提にしてるやん!
ジャニーズもJ-popも振り切ってるやん!!という(笑)www
思わず(笑)のあとに草3つつけちゃうくらい、劇的にアップデートされてた。
そうだよね。みんなサブスクで流し聴きするんだもん。世界のトップオブトップミュージシャンたちと一緒に流れて遜色ない音楽をやろうというのが彼らの意思なんだね。
いやはや、さすが嵐。めちゃめちゃクオリティが高いのよ。
予算も人材も潤沢なんだなーと感じさせる。歌詞が、コロナ前提なんだけど、声高にメッセージを押し付けてこない、抑制的な感じなのもとてもいい。しかも全然無理してるふうがなくて、5人も本当に楽しそうだしね。すごい。
これはこれで超感動。
だって今年で活動休止するのに(五輪が延期になっても休止の方向は変わらないと聞いてるよ)、こんなに「前に進んでる」曲を出すなんて。
おじさんたちが一生懸命踊ってるのも本当にさ‥‥。涙。私もがんばるよ(←これ! これだよ! アイドルの意義!!)
米津玄師が提供した『カイト』は気持ち悪かったし、2018年の紅白歌合戦での飯館村の取材がひどかったし(私は忘れない!!)、祝典で天皇陛下ばんざいしたり官邸をたずねる様子が安倍のTwitterに載ったりと、最近引くことが多すぎたので、『IN THE SUMMER』にはマジで救われた。みなさん聞いてみてね。コメ欄に貼ります。
米津さんにしても、『カイト』は気持ち悪いし『パプリカ』もいまいち‥‥だったのに(個人の感想です)、『感電』はめちゃくちゃいいもんね。やっぱり官製芸術がいかにダメなのかわかるよね。
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わかんないのが初めてパフォーマンスを見たSixTONESで、ジャニーズといえどK-POPを強く強く意識せざるを得ないところまできてるのはよくわかった。疑問は、これを若い人たちが実際にどう受け止めてるか?ってこと。
従来のジャニーズファンやEXILE系(LDH系というの?)には受け入れにくい作風であり、かといってK-POPと比べるとまだ差がありすぎて正直劣化コピーに見えてしまったんだけど、若い人の感性ではすんなりOKになるのかな。
やっぱり若い友だちが欲しい。
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そのほか。
瑛人がテレビ初出演で『香水』を歌唱。ガラパゴスジャパンのトップオブトップの嵐が広い市場を見据えて変化をこころみる一方で、23歳の若者がほとんど演歌に近い曲を作って話題沸騰するところが日本ですw 本当におもしろいよねw
この曲のキモが「♪ドールチェアーンドガッバーナ」であることは言うまでもなく、ここの「気持ち悪さが気持ちいい‥‥」という感覚って本当に言語化し難いんですけど、日本語母語話者には容易に共有できるんですよね。
サザンとかB’zみたいに「どうやって日本語をかっこよく音に乗せるか?」を真摯に研究してきた先達がびっくり腰を抜かすみたいな「♪ドールチェアーンドガッバーナ」の大ヒット。
詞も本当におもしろくて、別れた彼女の実体ではなく「香水」に胸かきむしられる、というのがそもそも平安の昔(よりもっと前か)から続く古式ゆかしい感覚w
それにしても、こんなにタバコが値上がりして若者の喫煙率も激減してるだろう現代で、元カノ何を思ったか急にタバコくわえだすし、本人は本人で「人を傷つけても何とも思わないクズ」になっているらしい。
そのドラスティックな変化のわけは、曲中ではついにひとかけらも説明されない!! でも何となく「切ない」という情緒ですべて回収されてしまう。良くも悪くも骨の髄まで日本的で、納得のヒットである。ええ、我が家でも大人から子どもまで口ずさんでいます‥‥。
歌っている本人は、クズどころかむちゃくちゃ好青年ふうなアンバランスもなんか日本っぽい。
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・乃木坂の新曲、小室哲哉が提供。ほんとにもう、やめろと。秋元も小室もいいかげんにしろとしか言いようがない。90年代から一歩も進んでいない。
進む気がないのか進むことができないのかわからないけど(両方かと)、瑛人みたいに若者本人が多少なりとも換骨奪胎しながら自分で作って自分で歌うならいいけど、おっさんのセンチメンタリズムでしかないものを若い女の子たちがやらされる姿‥‥見るに堪えんかった。
これでもファン層にはウケがいいのだろうか? 乃木坂をめざそうという若い女子は今でもいるんだろうか?
・髭男の披露が『Laughter』じゃないという衝撃w いや『115万キロのフィルム』もいい曲だけどさぁ。アーティスト側の意向だったのか?
・Toshiに視聴者投票で歌わせる企画いつまでやるんじゃい‥‥本人もけっこう楽しんでそうなのがまた、見ててつらいんじゃ‥‥
・ディズニー曲の歴代ベストパフォーマンスについて解説する風間俊介。彼の解説芸はかなり確立されていて、これぞYouTubeチャンネル開設案件ではないかと思うんですが、すでにありますか?
・25年前からの「夏うた」ランキングを5年刻みで発表していく。Mステのこんなスタイルは今に始まったわけじゃないけど、ほんとにどうにかならんのですかね。
四十路の私ら夫婦くらいの年代がもろターゲット層にされてるわけだが、10歳の息子と見てると(そこに居るだけでもちろん見てないけどw)、未来のなさをひしひしと感じるw
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この日出演して披露するはずだった三浦春馬の新曲がMVで流された。目を奪われた。楽曲も、彼の表現も洗練されていて、「役者が歌を出しました」というのをはるかに超えたパフォーマンスだった。
「誰も知らない言葉が僕の頭の中でループして鼓動が速い、ナイトダイバー(大意)」という曲。楽曲づくりそのものに、彼もかかわっていたのだろうか? こうなって見るとものすごく迫ってくる曲になっている。逆に何も知らなければなぜこんな歌なのかぽかんとしたかも。
とにかく、何度でも見たくなるような、力強くエモーショナルなパフォーマンスがそこにあった。ついこのあいだ撮影されたものなのだ。