”大阪都構想”議論の主役は今回も「二重行政」…「今、二重行政はない」のにナゼ”都構想”?

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自分の資料として、以下、リンク先記事の文章をコピペ。

 

2015年の住民投票で否決されたいわゆる「大阪都構想」。
あれから5年が経ちました。

今回の住民投票でも議論の主役は、「二重行政」です。

大阪維新の会松井一郎代表】
「二重行政のバラバラやめましょう。大阪を二度とバラバラにしない。”府市あわせ(不幸せ)”と揶揄される二重行政を根本から断ち切る。そのためには都構想は必要」

自民党大阪市議団・北野妙子幹事長】
「二重行政っていったい何でしょうか?解消すべき二重行政がないのに、なぜ大阪市を廃止しなければならないのか」

「二重行政」とは何か。
大阪市民に聞くと…

【女性】
「府と市の?よくわかんないです正直」

【男性】
「難しいですね」
【女性】
「あんまり深く考えていないです」

行政学者】
「難しいですよね。そんなこと普通の人は意識しませんし」

「二重行政」とはいったい何を指すのでしょうか?

大阪南港にあるATCビル。
「二重行政」を解消するとして、10月から大阪市大阪府の部署が統合されました。
「大阪港湾局」です。

これまで、大阪港は大阪市が、堺泉北港など8つの港は大阪府が管理してきました。
田中利光局長は、部署が統合されたメリットをこう説明します。

【大阪港湾局・田中利光局長】
「大阪港が船のルート持っているのは中国とか東南アジアが多い。堺泉北港とかは国内のルートが多い。今までがバラバラに営業していたんですね。一緒になると大阪港湾局は、国内のネットワークも海外のネットワークもあります。
両方のサービスあるのでそこで荷物運びませんかという営業ができる」

大阪府の職員23人が引っ越してきて、市の職員とともに業務にあたっています。

【大阪港湾局計画整備部振興課・東野亨太さん(府の職員)】
「どなたがどこの船会社に連絡しているかもよく聞こえます。我々の視野も広くなる」

【大阪港湾局計画整備部振興課・永井克実さん(市の職員)】
「(府は)我々が得意とする貨物と違うので、我々の知らない分野もできるかなと楽しみ」

大阪府大阪市の部署が統合した結果、局長は、市長の部下でもあり知事の部下でもある立場になりました。

【大阪港湾局・田中利光局長】
「今までは局長が2人いたが、これからトップは局長1人なので、予算を両方の議会通さないといけない。私自身は忙しくなる。それがデメリットかもしれない…」

仮に「大阪都構想」が実現すると、全てが大阪府に一本化されることになります。
港湾管理の一元化は、「二重行政」の一つとして議論が進められた結果、去年ようやく議会で可決されました。
しかし、市の港湾局はこれまで「二重行政」との説明を避けてきました。

【大阪港湾局・田中利光局長】
「今までは二重行政だったかと言われると、我々すみ分けはしてましたよと。元々取り扱っているものも違いますし、規模も地域も違うので別々にやってきました」

府が管理する堺泉北港は中古車中心、市が管理する大阪港はコンテナ中心と、役割も機能も重なっていないので「二重行政」には当たらないという説明です。

「二重行政」について分かれる説明。
背景には「二重行政」の定義のあいまいさがあります。

副首都推進局は「二重行政」の定義について「これまで、広域機能を有する両者が、狭い府域の中で、大阪トータルの視点が十分でないまま、役割分担を明確にすることなく、府市それぞれが、それぞれの考え方に基づくサービス提供が行われ、『大阪都市圏全体として最適になっていない状態』」と説明。

一方で、反対派は、府と市の事業の役割等が重なっていないものも「二重行政」と説明しているなどと批判し、議論が平行線となっています。

さらに問われるのは、二重行政解消のためには「都構想」が必要なのかどうかです。
大阪府大阪市は、これまで水道事業の統合などをめぐって何度も対立し、府と市の関係は「ふしあわせ」と揶揄されてきました。

その後、知事と市長を「維新」がつとめるようになり、研究所、大学そして産業支援など大阪府大阪市の事業の統合を次々と進めてきました。

その結果、今年8月の大阪市会では…
自民党大阪市議団・北野妙子幹事長】
「二重行政の解消が必要というが、現在の存在している二重行政とは何なのか?」

大阪維新の会松井一郎代表】
「今、二重行政はないんです」

松井市長は「今、二重行政はない」と話しました。
しかし、討論会では「二重行政」をめぐって激しい議論となっています。

大阪維新の会松井一郎代表】
自民党さんに聞きたい。二重行政はどうやって解消するか?」

自民党大阪市議団・川嶋広稔副幹事長】
「『今はもう二重行政はない』とおっしゃっていたので、今はもうないというご理解ではないのですか」

大阪維新の会松井一郎代表】
「(比べないといけないのは)我々が知事市長になる以前の二重の不幸な時代。厳しい時代を乗り切るためにも、府と市の対立する制度は根絶すべきなんです」

自民党大阪市議団・川嶋広稔副幹事長】
「過去の大型開発いっぱい(住民説明会のパンフレットに)出てくるんですけど、これって全く二重行政と関係ない話なんです」

府と市の対立について、行政学の専門家は…

大阪大学・北村亘教授(行政学)】
「大都市というのは必ずけんかしている、どこでも。基本的に大都市は自分の税収で発展したいわけですよね。都道府県は、そこ(市)の経済成長の上がりは周囲から(人が)流入したことで得た果実だから、吸い上げて周りに分配して全体を発展させるというのを考える。必然的に対立する」

そして…
「都構想は必ず出てくる意見だし、他方で、市が「独立したい」として(市の権限を強化する)”スーパー政令市”などの意見も必ず大阪で出てくる」

「二重行政」解消のために”都構想”という手段が必要なのか。
大阪府大阪市の対立をなくすために、府に広域機能を集約するべきか、市に権限を委譲していくべきか。
あるいは、現状の制度のままで解決できるのかが問われています。

”都構想”の必要を訴える維新の松井代表は、知事と市長が同じ方向を目指す関係がこれから続くとは限らないとして、広域行政を府に一元化して、府と市の対立による「二重行政」を制度的にできなくしようと訴えています。

一方、”都構想”反対を訴える自民の川嶋市議は、「二重行政」の問題が生じたとしても、住民により近い市が優先される原則(基礎自治体優先の原則)に従って対応すれば、自ずと無駄は解消されていくと訴えています。

 

最終更新:10/27(火) 19:34
関西テレビ