『獣になれない私たち』2話まで

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ガッキー史上、もっとも「いい女」に寄せてるビジュアルがすごくて、酔って家に誘う松田龍平の気持ちは超わかるけど、4年間も元カノ(引きこもり)と切れてない田中圭、おまえ、ガッキー彼女にしといて何しやがってんだ!

…って激しく訝しんでたら、2話の回想シーン、2人の馴れ初め時期はガッキーがまだ垢ぬけてない “普通にかわいくて感じいい派遣社員さん” って感じのビジュアルで納得。
ガッキーと松田龍平含め、登場人物全員がかなりダメな感じ。愛すべきダメさとかじゃなくて「これだからうまくいかないんだよね…」っていう“つらみ”のあるダメさ。

そのダメさは「バカになれない=獣になれない=自分の気持ちに正直に生きられない」ってことで、空気読んで上手く立ち回らなきゃいけなかったり、ちょっと踏み外すと堕ちるしかないみたいな恐怖感だったりっていう、世の中の閉塞感・生きづらさがびっしり敷き詰められてるようなドラマだと思う。

脚本は『逃げ恥』の野木亜紀子
「逃げ恥」は「自分にかけられている呪いを解く=劣等感から解放されて、フラットな関係を」ってドラマだった。

今回はタイトルバックにガオーッていう咆哮が入ってる通り、「もっとアグレッシブに自分と向き合い人と対峙しよう」って感じになってる。それくらいの勢いがないと無理!っていう、よりハードな設定。「逃げ恥」放映から2年、世の中がさらに世知辛くなったことの表れかもしれないな~

でも最終的には、
「自分の中の獣(自然)を解放しつつ、かんたんに獣になれない弱さ・つらさを知ってるからこそ、人と優しい関係が築ける」

みたいなところに希望を見出すんじゃないかな?と予想。つまり、「半分、獣で、半分、人間くらいがマッチベター」みたいな感じ? 

(いまだに『半分、青い』脳w)
(考えてみたらこのドラマ、「鈴愛になれない私たち」ってタイトルでも通じるんじゃないか)
(通じません)

ガッキーと龍平が常連で通ってるビアバーがすてき。そのマスターを演じるのが松尾貴史なんだけど、新聞や雑誌、SNSでも政治的発言(批判)を厭わない彼が地上波の連ドラにキャスティングされるのは珍しく、このあたりにも攻めてる感がある。

松田龍平の元カノを演じる菊地凛子がめっちゃいい! フェミニストは必見ってぐらい。でもだからこそ、この先なにか影が見えてくるんだろうな~。

ヒットメイカー野木さんの最新作とあって、予算かかってるの感じる。ガッキーの会社にも田中圭の会社にも、人がいっぱいいる!