『ごちそうさん』 大嫌いっていわしたい ・ ごちそうさんまでの道
BSでやってる再放送・・・じゃなくて、DVDを見てます。BS再放送を見ての感想がtwitterに流れてくるのを見てると、もう一度見たくてたまらんくなってDVD BOX買っちまったのだよ!
◆第11週 「大嫌いっていわしたい」
「大事にされればいい嫁さんになる」だろう和枝。思えば西門家って、和枝も静も悠太郎も希子も、大事にされずに長い年月を過ごしてきたんだよね。だから、互いに相手を大事にする方法も知らなかった。根が深い。#ごちそうさん
#ごちそうさん あれだけめ以子にイケズしてきたんだから、詐欺に遭った和枝に「報いじゃ」と思いそうなもんなのに、彼女が言う「こんだけ不幸なんだから幸せになってええはず」のほうに思わず共感してしまう。そんな自分の気持ちが不思議で、すごい脚本だなとつくづく思った回だった、放送当時も。
恨みを力に気張ってきて、恨み骨髄から数々のイケズもして、家族にも信用されてなくて。そんな自分から生まれ変わりたい、形見の着物も今度は優しく撫でてあげたい、十数年も時間をかけてやっとそう思えるようになったときに、これだもんね…。ほんと容赦ないお話ですよ。#ごちそうさん
そして詐欺の被害者をショック浅からぬうちからすぐさま取材したがる室井なw 桜子という手綱があるから何とか常人の世にとどまっていられる業の深さ・・・ #ごちそうさん
ガスが噴出して露わになったのは断絶なんだよね。「生きて見返してやれ」なんて一般論の他人ごと感。和枝の長年の苦しみは家族にはわからない、でも和枝が作る空気で希子たちがどんな思いをしてきたか和枝にはわからない、愛されて育っため以子には和枝の如き人生は想像もつかない #ごちそうさん
「恨むなら俺や」と言われた和枝の顔がすごかった。そんな言葉では何ひとつ慰めにもならないとこまで来てるのだ。希子の言葉によって、今やどんな憎しみも恨みもすべて己に返ってくる矢になった。家族がこんな自分を必死に探し助けたのさえ、和枝には耐え難いことだっただろうな #ごちそうさん
そして、こんな修羅場の直後であっても、子どもができたと分かればうれしくてしょうがなくて笑い合う夫婦。そうだよね、当たり前。残酷なようだけどそういうものだ。とことん断絶なんだよなあ。断絶を抱えながら一緒に暮らし、いなくなれば心配して必死に探す。人って因果なもんやなあ #ごちそうさん
心が波立った状態でも、心を波立たせる最たる相手・め以子に対しても、丁寧な料理や裁縫をできる和枝。それは間違いなく和枝の美点で、その丁寧な仕事ぶりが和枝の人柄なのだとめ以子が理解し称えてくれても、和枝には救いにならないんだよね。むしろ自分との差をつきつけられてしまう。#ごちそうさん
皆に愛され祝福されるめ以子を見て自分の時のことを思い出し、つらくなっても「あれも自分が捻くれてたから起こったことなんや」と自己否定して、素直な人間にならな、と頑張ったら義妹は素直に褒めてくれて、その素直さにまた自分との差を感じて自己否定…悲しい悪循環だよね… #ごちそうさん
め以子は「丁寧な仕事=丁寧な人柄」という和枝の美点を正しく理解して、そこから和枝に謙虚に歩み寄ろうとするんだけど、「長所を見て付き合いましょう」「長所を伸ばしましょう」なんかじゃダメなときも厳然とあるんだよね。それが、見てて悲しいけどとても救われる思いもする鰯週。#ごちそうさん
#ごちそうさん 今日は本放送時、心の底から震えるほど感動した回。互いが嫌いで、ぶつかって、傷つけあって、努力もして、それでもダメで、満身創痍で別れていく、それでも人と人とが本気で関わり合うことってやっぱりすばらしいんだと思えた。ここまで揉めて離れるしかなくても、人は受け容れ合える
ここまでぶつかり合って、互いに醜態も見せ合って、自分の心の闇の部分まで見てエゴイスティックを自覚して、そうだからこその受容、今日の晴れ晴れとした別れと、その先につながる未来なんだよね。傷ついてなお強くなった2人、簡単に言語化できない繋がりをもった2人が眩しい #ごちそうさん
◆第12週 「ごちそうさんまでの道」
#ごちそうさん 妻の実家の安否確認というより、明らかに自分の業のために東京に向かう室井。一貫している。そこへいくと、安全な街のため「だけ」と言い切るには、悠さんはもうちょっと人間的かな。
#ごちそうさん 本放送時は、難しい題材に挑んでるなあ、これは挑戦的なのを超えて、当事者としてつらく思う人も多いのではないのかなあとも思った今週前半だけど、2回目になると、なぜこのエピソードが必要だったのかよくわかる。より、胸が痛い。
いやいや絶食しとったのにいきなりサンマを丸かぶりって…ていう衝撃の図が #ごちそうさん の真骨頂なんだよねえ。生きることは食べること。お腹が空いて食べずにいられない。悲しくて見苦しくて逞しい。
思い出の味が、新蕎麦とか味噌汁とかじゃなくサンマってのがねぇ。食べるって生々しい行為なんだよね。お腹の子がおなかすいたと言ってるとか、お母ちゃんは食べるのが仕事とか、そういう役割のための仕事じゃない。#ごちそうさん
犬猿の仲の和枝ちゃんも美味しい料理を作ってくれた、悲しみの淵にいた谷川ふみも食べて再生した。どんな人でも、わかり合えなくても、みんな食べるのは同じ。だから、難しいことは何もわからないめ以子は、自分にできることとして「食べさせる」に意義を見出していくのよねえ・・・。#ごちそうさん
「鍋底大根は全力でうまくなければならない!」 それは、ひとり歩きする綺麗で空疎なお題目じゃなくて、現場をつぶさに見た人間の絞り出すような切実な叫びなんだよね。聞いてる食卓の面々がもらい泣きして感動で消費したりしないのも、理知的な脚本演出。#ごちそうさん
「気持ちには寄り添うのは難しいけど誰でもお腹はすくから食べ物の力を信じる」という気づきがめ以子らしく、それが救援所に差入れを続けるという実際の行動に結びついてるのも、桜子の「変わったような変わってないような」という評までも、ほんとにストンと落ちる。#ごちそうさん 毎週金土回すごい
竹元教授の「自覚しろ」。これも好きなシーン。ほんとに逃げさせないよねえ、#ごちそうさん は。そして「新米くらいは心置きなく」なんつって、今ホッとさせてくれる、守らなければならない暮らしが戦争に行きついて、そこからも逃げさせない…