『おんな城主 直虎』 第2話 「崖っぷちの姫」
おとわに完全にバカにされてる大人世代ですが、子煩悩な脳筋かと思われた直満のがえらく気の利いた土産を買っていたり、朴念仁然とした小野和泉守が息子の淡い恋心を察していたり、優しげな父直盛があっさりムロを切ろうとしたりと、多面性が見えてきて楽しいです #おんな城主直虎
だって前回のあの、「なんかいい土産を買ってきてやろう、ガハハ~」は死亡フラグのお手本のようだったのに、今回こんなオマケがついてくるとは思わないじゃないですか!
小野和泉守、息子の内面まで見えてるうえでの「(おまえが断るなら)弟のものになるだけだが?」が良かった。戦国の武士たるもの、こわっぱに負けてちゃいかん。でもこの人、弔い酒の席にドヤ顔でやってきたはいいけど、前田吟が抜刀したら腰抜かして怯えてたよねw 肝っ玉は大したことないとみた。
おとわの父・直盛は、前回、大きな花を活けてるシーンもあったよね。小さな国衆の一族でも当主クラスになるとそれが教養だったのか、それとも本人が意外にそういうのが好きで、今川から嫁してきた妻に習ってたりするのか、なにげないけど気になるシーンだった。井伊家の館は、質実剛健な中にもそういう華やぎがあっていい感じです。
直盛の、それなりに国衆の当主をつとめてるけど(感情を優先して今川に背くような短慮はしない、つらい話でも亀にすぐ父の成敗を告げるなど)、娘にも強く出られないし、これじゃあ戦国をわたっていけないよな~っていう父親像はうまい。杉本哲太、森下脚本『天皇の料理番』でも主人公の父親を演じてたけど、また違った味を出してますね。
森下脚本で主人公の母を演じたのは財前直見も同じで、こちらは『ごちそうさん』と同じく賢いお母さんだけど、今回の「あほう~~~?(ピッキーン)」でけっこう激しいところがあるのね、と。今川の血かしら。この人は、今川のどこらへんの出身なんですかね。
「意に染まぬ今川の下知に従って生き延びるか。あるいは、従わず今川と戦うか(それは滅びを意味する)」本当にそれしかないのか、他の道は? 二者択一でない、単純化されない世界を描くんだね。2017年の今やるにふさわしいテーマ。楽しみ。#おんな城主直虎
「阿呆なんですか?」と無邪気に問うおとわ。千賀の逆鱗に触れたのは、親に対して無礼というより、賢夫人たる自負があるだろう彼女にとって地雷を踏みぬいた言葉だったのでは。それは図星の面もあって。大人はどうしても社会システムに慣れ過ぎて既成概念に捉われてしまうから。#おんな城主直虎
思えば初回の最初のシーンで、おとわは川に飛び込み、ご初代さまの井戸の謎についても「第三の答え」を示したのだよね。同時に、序盤の2回ですでに強調されているのが、「運」。子ども相手にも「亀はきっと生き延びますとも」とは誰も言わない。「運の強さ次第」「神様に祈るしかない」。井戸の中から見つけられたという井伊の初代も運の強い人だったんだろう。
大規模な天災や人災で相次ぐ犠牲者を見る現代の私たちは、運の強弱が本人に起因しないことをよく知っている。きっとこれから多くの死や敗北が描かれるだろうこのドラマでの、それらに対するスタンスがちょっと見えるような。生き延びていく者にはそれなりの理由もあるのだろう、生まれ育ちに恵まれているとか、人と違うことができる(=第三の道を探せる)とか。でも結局は「運」なのかなーと思う。そして、生き延びた人間の背負うものは大きそう。なんたって、命は己の才覚次第じゃないから。道途上の死は自己責任じゃなくて、ただただ運が弱かっただけだから、無念でしかないよねえ。・・・と、森下作品を振り返ると早くもそんなことまで考えてしまったり。
亀を思いやっても鶴の気持ちは微塵も想像できず、「第三の道を思いつかないなんてバカなの?」と無邪気に問い、後先考えず家出してみたり、地肌までジョキジョキやってもニコニコしてる。未開の道を切り拓く厳しさ・自他にふりかかる重みを、おとわはまだ微塵も知らないんだよね。#おんな城主直虎
んで、父に恋心を指摘されても動じず一歩も引かなかった鶴丸くんは、マジ将来有望ですな! 見える…君が歩む茨の道が見えるよ…。気が優しくて愛が深いから気の毒ポジションになるんじゃない。それを上回る類稀なる強情さが君に苛烈な人生を送らせるのだよね… #おんな城主直虎
事前の特集番組で貫地谷さんを見たし、亀の作劇はちょっとわかるんだけど、この状態で鶴のほうに嫁が来るのか来ないのか(おとわという線はゼロだよね)、来るなら役者は誰でどんなキャラでどんな夫婦になるのか。ネタバレ見ないようにワクワク楽しみにしとく #おんな城主直虎
「鶴は悪くない! 鶴を恨む筋合いがどうしてある?!」「おとわ・・・」
からの、
「ところで夫婦約束の件じゃが」「うん!」「どうにかして反故にできんかのぅ」
の流れ、上げて落とす感ハンパない。。。。鶴がんば!!
んで、おとわちゃんは、今のところ完全に「亀がかわいそう」一点張りでがんばってるんだよね。かわゆいのう、と思ってた仲良しの幼なじみ(「かっこいい」じゃないのだよ)と婚約セッティングされてまぁいっか、と思ったところで、彼の運命は突然暗転。かわいそすぎる。だから鶴との結婚は呑めない。だから家出する、出家する。
そこには、「亀にキュンとときめいた乙女心」みたいな要素はないんだよね。でも、そうやって「亀、亀」と思い込み続けることで追慕の思いが積み上げられていくんだろうな。どちらかというと、恋に恋する、に近いのかな。鶴、がんば・・・。
お姫様が家出して総出で捜索の末に見つかり「皆にどれだけ迷惑をかけたと思ってる!」バチン!てのは大河の子ども時代で割とオーソドックスなエピソードなんだけど、それが病身の家族にためとか淡い恋心とかじゃなくて、ひたすら「あの子がかわいそうだから」っていう理由なの、なんか新しいw そして、とわがこの調子で、好き放題やってるようで実は人のことばっかでいろいろ背負ってくんだろうなーというのも見える。
ムロ良かった。彼が出てきて世界がまた広がった。解死人、というのだね。逞しくて残酷な、当時の人々の知恵。でも意に染まぬ生き方を迫られ、一寸先に死があるのは支配階級の武士層も同じ。そしてムロは「解死人として死なされるか、運よく生き延びるか」ではなく違う道を狙ってる #おんな城主直虎
まあムロさんは手クセの範囲内で演じてるなって感じもあったけど、「解死人」の説明ゼリフをうまく面白くこなしてくれたりするのホント安心する。帰館したおとわがすぐにムロを庇わなかったのは、あれやっぱりムロのやり口に怒ってたんだよね。袋詰めも、おそらくだまし討ちみたいにされちゃったんだと思う。おとわが寝たところで高級品にキャッキャしてるシーンもあったし、多分あれ全部いただいちゃったはず。今の人生から抜け出すための必死さや逞しさでもあり、手段を選ばない豪腕さ(ゲスさ、危うさ?)も描いてたってことかな。
てか、放送後のTLに「首を返してくれるなんて今川は優しい」とか「武田なら一族主要人物皆殺しのうえ武田の縁者を送り込んで乗っ取り完了」とか「昌幸ならこんなことで悩まない」とか、どんどん流れてくるんですがw
今川にとっては井伊家を潰す事は簡単だ。だがそれをすると北条家や武田家にスキを晒す事になる訳で、高圧的に出ながらも目付交代等の妥協線を提示するあたり今川家は大名として最先端を走っていた。もちろん、その気遣いをおとわをはじめとした国人衆はまったく理解していなかったが。#おんな城主直虎
おおっ。これで剃髪して、次郎法師とやらになるのではないのか。今川に行って寿桂尼さまに会うのか。これは一本とられた #おんな城主直虎
今川家くるー! 楽しみすぎる。