2015北京世界陸上、男女棒高跳び!

男子棒高跳び。ラビレニ~~~!!!

あたくし、この種目ではかつて大好きな選手がいましてね。オーストラリアのスティーブン・フッカー。2008北京五輪と2009ベルリンワールドで金メダルを獲った選手ですよ。'60か'70年代のロックミュージシャンみたいな風貌もさることながら、足に怪我をして出場した2009ベルリンで、大胆不敵な戦略を立て、たった2度の跳躍で金メダルを獲った姿は眼裏に焼き付いています。

↑ この人です、フッカー!

で、そのころから既に有力選手として優勝を競っていたのがフランスのラビレニですよね。もう7,8年、必ず3位以内に入っているような選手なんですよ。2012ロンドン五輪ではついに栄冠を手にしたものの、なぜか世界陸上では金メダルに縁がない。ということで応援ですよね。ここ3年ぐらい、この種目ではラビレニ(仏)とドイツのオットー、ホルツテッペの3人が最後に競うことが多かったんですが、オットーいませんでしたね。あと、ラビレニ(弟)も出てませんでしたね。

そうそうラビレニったらいつのまにか(って言い方は失礼だが)なんと、あの鳥人セルゲイ・ブブカの世界記録を20年かそこらぶりに更新してたんですよ! しかも最近! まさに新・鳥人。死角なし!
・・・て思ったら~~~!

ただ一人、5m50も65もパスして80から登場し、それをものの1回でクリアして唸らせるしかもどんだけ余裕あるん?てな跳躍で「異次元です」と実況も興奮、解説も絶賛。80を1回でクリアしたのは他に2人しかおらず、最大のライバルと目されるホルツテッペはここを1回目失敗したので、この時点で半分くらい「勝ったかな」と思ったんです、誰もが。

ところが、彼にとってはたいしたことないはずの5m90を3回とも失敗しちゃうんだから・・・ワールドの魔物、おそろし。この高さを1回でクリアしたカナダのバーバーが、ホルツテッペもラビレニも2回まで失敗するのを見て、「え?え? こんな展開あり?」と怪訝な、いっそ不安げといってもいいような表情をしていたのが印象的だったw ホルツテッペがさすが前回王者のキャリアを見せて3回目でクリア。

ラビレニの3回目、テレビの前で夫と息子も巻き込み「跳べる! ラビちゃんなら跳べる!」と修造ばりに応援したんだけど、あああああ。ラビレニは3位に終わりました。跳躍回数とかのルールで同位が3人いたんだけど、これ全員メダルもらえるのよね? そしてバーバー・ホルツテッペともに6mに成功せず、結局金メダルは22才のバーバーに転がり込むことに。いや、5m90まですべて1回でクリアしたんだから、転がり込んだなんて言ったら失礼千万なのだが、本人めちゃめちゃ驚いてたんでw でもラビちゃん自身は、戦前からバーバーもちゃんとライバル視してました。さすがなラビちゃん。来年また応援するからね!! 

女子棒高跳び
前回大会で劇的な優勝を飾ったエレーナ・イシンバエワが不在で、優勝候補はシルバ(キューバ)、ムレル(ブラジル)、サー(アメリカ)あたり。そこにギリシャのキリアコプロウも絡んできた。なんだか国際色豊かな決勝です。1回でクリアする選手も多い4m70からシルバが苦しむ意外な展開。3回目でクリアしてみせたとこはさすが歴戦の勇者。シルバ、ムレルともに4m80は2回目のクリアで、ここをキリアコプロウだけが1回でクリア。この時点でメダル争いは3人に。続く4m85では逆に、シルバとムレルは1回でクリアし、キリアコプロウは1回目失敗。

ここで、キリアコプロウは85をパスし、90を先にクリアするという大胆な戦略に出る。確か90が飛べれば自己新だったはずなんだけど、そんな賭けに出るくらい、今日は絶好調だったし、若い彼女には失うものなんて何もなかったんだろう。こういう駆け引きがあるから棒高跳びは楽しいんだよね! で、90はそんなに甘くなくて、キリアちゃんは3回失敗。ムレルも3回失敗。ここで、3回目で跳んでみせたシルバ姐さん超かっこよい!! 逆転の金メダル。いやードキドキしました。