皐月の一

●5月某日: 風薫る5月の始まりです。と、サクが空前絶後の機嫌の悪さ。朝起きた時はニコニコしていたものの、夫が出勤したあたりから急降下。朝ご飯は粘っても2,3口しか食べず、私がちょっとでも家事雑事に手をつけたり、せがまれたおっぱいを拒んだりすると、ひっくり返って手足をバタバタ、首を振り振りしながらそりゃもう激しく泣きじゃくって止まらない。抱っこして玄関の外に出てみるとちょっと落ちつくものの、家に帰って下ろしたとたんにまた号泣の始まり。業を煮やして外で遊ばせようとするも、靴を履くのを断固拒否。えー? これは何とも珍しいパターン。おっぱいをあげてみると、寝た(午前10時半)。そうか眠かったのか、ととりあえず納得するも、昼寝から覚めても様子は変わらず。昼ごはんも2,3口のみ。うーむと思いつつ、熱があるとかどこか痛いとかではなさそうだし、先週第2子を出産した友だちのお見舞いがてら、外に出ると、今度はてくてくニコニコ、鳩を追いかけたり電車や飛行機を指さして教えたりといつものサク。

病院では慣れない雰囲気に圧倒されたように借りてきた猫状態。それをいいことに、不安定な精神状態の息子にお菓子を与えて背を向け、新生児を抱っこして喜ぶ私、ハハハ。いやー、3キロってこんなに軽い?! 生まれてきたばかりのサクを抱いたとき、「むむっ? こんなにちっこいくせに、存外ずっしりくるな」と驚いた記憶があるのに、2年も経たないうちに、「新生児なんてエアだ、エア! エア抱っこだ! ちょっと気を抜くと、抱いていることを忘れて落としそうだ!」ってな感覚に。友だちも、抱っこや授乳の仕草が、軽い軽い。ひとり目のときは、生後数日の我が子に授乳しながら、こんなにも無駄話(笑)をして笑ってるなんて、考えられなかったよ。新生児に対する戸惑いはない、かわりに、上の子に会いたいという切ない気持ちがあるのよね。

さて、おいとまして帰り道はベビーカーでご機嫌のサクだったが、家に着いたとたん、また駄々っ子に逆戻り〜。ちょっとテレビを見せて家事をするが、興味の薄いコーナーになったとたんに泣く。また外に出てみると、キャハッキャハッと歩き出したが、ポツポツ降ってきたので抱っこして、「おうちに帰るよ〜」と声をかけると腕の中で大暴れ。帰ってきた夫も、その大暴れっぷりにびっくり。夫婦で慰め合いながら乗り切る。夜ごはんを食べるころからやっと落ち着いた。朝も昼もまともに食べていなかったので、さすがに空腹だったらしく、すげー勢いで食べてた。

●5月某日: 昨日よりはだいぶマシ、しかしちょっとでも思い通りにならないと、ギャーギャー叫びと全身バタバタで訴えるのは変わらず。まあそういう時期なのね…ていう。しかし公園でも家の中でも面白い遊びを創りだす子どもの柔軟さには心がなごみます。夫が作った夕食が激うま。ニラ玉とマーボ豆腐(CookDoじゃないよ)、イカの一夜干し。ひとつひとつは別に難解な料理じゃないけど、会社から帰ってすぐに、これらを並行してチャチャチャーッと作ってみせる夫の主婦力、無限大(さすがに言いすぎか)。