『のはなし にぶんのいち〜キジの巻〜』伊集院光
のはなし にぶんのいち~キジの巻~ (宝島社文庫 C い 6-2)
- 作者: 伊集院光
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2010/04/06
- メディア: 文庫
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石ちゃんも捨てがたいけど、いま私がもっとも気にかけているデブキャラ芸人は伊集院光だ。「光」業界の中においても、ひょっとしたら宇多田ヒカルや太田光よりも輝いてるかも。
ちょっと前まで、『Qさま!』というクイズ番組をたびたび見ていて注目し始めた。難しい漢字が読めるとか歴史に詳しいとかいうならば宇治原ややくにやや劣るかもしれないにせよ、なんたって閃きと頭の回転の速さが際立っている! あと、絵がうまいのもポイント。なんか俗っぽくてちょっと恥ずかしいんだけど、クイズ番組で活躍する人って、けっこう好きになっちゃうんだよねえ(『Qさま!』見てると、宇治原も超かっこいいと思ってしまう)
とにかく、すごく才気あふれる人だなあ、という思いで見ていた伊集院光に著書があり、しかもかなり話題になっているらしい。と知ったのがしばらく前。買うほどでもないか、と逡巡して図書館で予約などしてみようかと思ったが、これがけっこう順番待ち長いのよ。文庫化したのを見て、結局買っちゃった。
そしたら、これはかなりの当たり! オビで『この人のおもしろさには今一度注目すべきだ。絶対にいい』と糸井重里が絶賛しているが、いかにも糸井さんが好きそうな感じなので、「ほぼ日」の愛読者なんかには得にオススメである。
「て」・・・ディスカウント 「と」・・・独立 「な」・・・縄跳び というように、五十音順にお題を作って書かれたエッセイ。なんでいきなり「て」から始まってるかって、これ「にぶんのいち〜キジの巻〜」だからです。ともかく、実におじょうず! 何度も声に出して笑ってしまった。そして何度かホロッときたり胸が締めつけられたりたりした。ほんとの面白さって、ちょっとした哀しさを孕んでいたりするものだよね。
一編につきわずか原稿用紙3枚くらいだと思うのだが、つかんでひきつけてオチをつけて外さない能力はさすが。ものすごくさらっと読んで楽しめるんだけど、読むスピードと同じくらいの速さでさらっと書いているんだったらすごすぎると思う。どんな感じで書いているのか、ぜひ知りたいもんである。