ベルリン世界陸上、往生際の悪い最後の所感!

まーだ書きます。

世界陸上最終日の最終種目といえば、男女マイルリレー、つまり4×400mリレーの決勝です。これは大方の予想通り、男女ともアメリカの圧勝でした。もう、メンバーが豪華すぎるもん。400m走の金メダリスト、銀メダリスト、400mハードルの金メダリスト、それに200mの金メダリスト(もちろん女子ね。男子はボルトだから)もいるし。いまだアメリカの独壇場ですね、この距離は。それにしても、女子のほうは4人が4人ともとっても美人さんで、そういう意味でもゴージャスだったわー。

番組ではこのあと、槍投げ村上選手の表彰式などを挟んで、大会の総括へと進んでいきます。総集VTR、それは、そう、織田さん中心に撮られてました! 題して『織田裕二 in 生ベルリン』! TBS、織田さんの使いどころをわかってるね〜! アンチ織田派に真っ向勝負を挑む、その姿勢やアッパレ。いや、やっぱり、それだけ世界陸上の織田さんを支持する層も熱いってことよね。

今大会が始まった当初、
「いつものODAじゃない」
「おとなしすぎる」
「モノマネされるのを心底嫌がってるのか?」
「陸連からストップがかかっているのか?」
など、さんざん波紋を投げかけていた織田さんでしたが、このブログで経過を記しているとおり、やっぱり織田さんは織田さんでした。さすがに四十路を超えて分別がついたのか(?)、かつてほどの破壊力を爆発させることはなかったものの、その態度は“不惑”には程遠いもの。しかも、日を重ねるに従ってテンションが上がっていく様子は、
「もうダメ、やっぱり我慢できない・・・」
って感じの、制御不能の陸上への情熱を感じさせてくれて、かえって楽しかったかもしれません。

そのVTRの中にも、番組中には放送しきれなかった熱い織田さんがいました! 

  • ボルトが100m1次予選で今大会初お目見えすれば、「スタート上手くなったんじゃないの?」と、したり顔で評してみたり、
  • 準決勝でフライングすれば、「あいつ、記録狙いにいきやがったな〜」と勝手な解釈でニンマリしたり、
  • 決勝で世界新記録を出した後は、拳をつきあげたすぐあとに、「いやー、すごい時代になったな。なんか、考えさせられるレースだね・・・」と難しい顔をしてみたり。
  • お気に入りのアリソン・フェリックスが200mで優勝すると、「あの、高校生だったアリソンが、ここまでくるとはねぇ。」なんつって、2003年パリ大会で彼女が世界大会に初登場してからの6年間に思いを馳せてみたり。
  • 4継リレーでは、日本チームの健闘と、みたびのボルト激走に興奮しながらも、「もういいよ、ボルト、どけ! 今からブラシッチが跳ぶんだから!」と、お気に入りの女子ハイジャンプ選手を見るために暴言を吐いてみたり。

それは、まさにテレビの前で見てる1市民、しかも陸上専門外のファンそのものの姿! いささか、特定の競技や選手に肩入れしすぎて公平性に欠けたり、門外漢の勝手な思い込みによる発言をしたり、といった点もあるものの、そこがまた、いかにも「ひとりのファン」って感じでいいんだなあ。ほんと、織田さんという最高のファンと、好き勝手なことをやいのやいの言いながら見る、これがシロウトファンの楽しみなのです。

織田さんは1997年のアテネ大会から、中井美穂さんと共にキャスターを務めており、まさに日本においては、世界陸上と織田さんは切っても切り離せない関係といえましょう。あまりにも無防備な、それゆえに時に傍若無人でもあるけれども、純粋な陸上競技への愛、陸上選手への愛につられて、日本の陸上ファンが育ってきたことを否定することはできない。そのハイテンションぶりをモノマネされるのも、必然だったのです。

また、織田さんの影に隠れがちですが、女房役の中井さんの輝きも決して見過ごすことはできません。キャスターとしての本分を忠実に務め、織田さんをフォローして、しかも彼女自身も当然、12年という月日の間、陸上の世界に携わってるだけ合って、相当に熱いし、博識。いつ、何を振られても、美しい発声で、しかも台本ではなく自分の言葉で語れる彼女の仕事ぶりには、社会人女子の後輩として非常に感銘を受けました。

番組の最後はもちろん! 世界陸上(日本の一部では「織田陸上」とさえ言われている)のテーマソング、織田裕二の『All my treasures』のフルコーラスをバックに、今大会の名シーンを振り返りましたよ。あのシーン、このシーンをあらためて見返すと感無量です。そして、
「CM明けに、織田&中井から一言!」
というテロップが出たときには、「まさか織田さん! 世間のいろんな雑音に屈して、今回でこの仕事を降りるとか挨拶するんじゃ・・・」と、肝が冷えましたが、実際は
中井さん「次回の世界陸上は2011年、韓国のテグで行われます!」
織田さん「韓国テグ! ・・・暑いだろうなぁ〜」
と、微妙な笑顔で締められました。この「暑いだろうなあ」は、“出場選手にとって”ではなく、“リポートしに行く自分にとって”という解釈で間違いありません! そういう、
(参ったな〜、俺にとって、また暑い、そして熱い夏が!)
という苦笑で間違いありませんでした。そうだよね、織田さん! 


さて、そんな織田さん&中井さんと一緒にエキサイトした世界陸上

いつもの如く独占中継したTBSの放送内容については、おおむね良かったと思います。開催前から話題になっていた「いかがわしいキャッチコピーの撤廃」は、絶対に良かった。「世界記録保持者」とか、「前大会(あるいは五輪)メダリスト」とかいう正当な冠だけで、本当にじゅうぶんでした。

「決勝はこのあと!」と早々とテロップ出しといて、実際は午前4時半から・・・みたいな“やるやる詐欺”めいた手法はあったものの、まあ何日か見てたら、時差の都合でそれぐらいの時間になるんだろうな、ってことはだいたいわかるので、許容範囲内ではないかと。ボルトや日本人選手の予選から決勝までのVTRを日々、繰り返し流し続けるのも、特に陸上ファンではない視聴者を取り込むためには、やむを得ないかな、と思えました。おかげで、毎日きっちり見てた私は、ボルトの全走をすべて10回ずつくらい見た気がするけどね。

惜しむらくは、トラック競技に比べ、投擲や跳躍といったフィールド種目や、女子7種競技、男子10種競技のような種目についての放送が部分的であったことです。「レース」ではなく、「試合」というのがふさわしいこれらの競技は、最初から最後までじっくり見ることで、よりエキサイトできるし、ファンを開拓できるはずなんだけどね。選手同士が、「素晴らしきライバル」として、国境を超えて戦中でも笑いあったり、戦後は深く称えあったりするのも、こういう競技だし、そういうのって、見てるほうも凄くジンとくるので、本当はぜひ、全種目をじっくり見たかった。とはいえ、これは、やはり時間の関係や、マジョリティーのニーズによるもので、TBSを責めることはできないよね。

オリンピックになれば、当然ですが陸上以外にももっといろんな種目があるので、日本の地上波で陸上競技がまともに映されるのは、極端にいえば短距離かマラソンか、てことになるぐらいだもんね。そういう意味では、800mや1,500m、3,000m障害、あるいは円盤投げ走り幅跳びみたいな種目も予選から見られる世界陸上は、やっぱり陸上ファンにとってはすごく得がたいチャンスです。

解説陣も、それぞれに味があって、また全員に共通して陸上への深い造詣と愛があってステキでした。長距離の増田さん、金さん、跳躍の石塚さん、投擲の小山さんといった、世界陸上ではおなじみのベテラン陣は、さすがに安定した解説技術で楽しませてくれましたし、その中で、以前にも述べましたが投擲の小山さんが最終日に教え子・村上選手の晴れの舞台をライブで伝えてくれた様子には大いに感動しました。

また、マラソンのQちゃんや、短距離の伊東さん、朝原さん、男子長距離の高岡さんといった、引退後それほど日を経ていない人たちの解説も、いかにもこないだまで現役だった、みたいなレース感覚や、かつてライバルや同僚であった選手たちの姿をリアルに伝えてくれて良かったです。


出場した選手たちについて書き始めれば、本当にキリがないのですが、まあやっぱり、まずはウサイン・ボルトだよね。

底抜けに明るいキャラクターと、世界新記録、しかも、それは1年前に北京五輪で自らが更新したばかりの記録を上回ってくる、圧倒的な走力を見せ付けた彼、その存在感は文句なしにこの大会の顔といえましょう。予選でのあまりの流しっぷり、スタート前の堂々たる笑顔、そして決勝では「まさに伝説の瞬間を見た!」と思わせる驚異の走り、どこをとっても、彼を見ただけで胸が高鳴るスーパースターでした。日本では、小谷実可子さんが、毎日、レース前の調整を行うサブトラックでの選手たちの様子を伝えていましたが、その小谷さんが最終日、総括コメントとして、
「サブトラックでのボルトを見ていると、世界ナンバーワンの選手として、彼が日に日に、人間的に成長していくのが、つぶさにわかった。」
と言ってました。ただ速いだけでなく、「真に強い」選手として、彼はこの大会で、その印象を強く残したのです。この大会でもっとも注目を集めたボルト、それはつまり、裏返せばもっともプレッシャーを受けていたということですが、彼は常に気さくで、数え切れないシャッター音やインタビューにも決して動揺しなかったし、圧勝した100m決勝の後、銀メダルのタイソン・ゲイ、銅メダルのアサファ・パウエルと並んでの公式インタビューでも、常にライバルたちを称え、尊敬する態度をとっていました。

そう、結局、200m以降のレースは回避し、ボルトと並んで走ったのは100m決勝だけだったタイソン・ゲイのことも忘れてはいけません。スプリント大国アメリカのナショナルレコードを更新してきた、あの決勝での走りを見ただけでは信じられないことですが、実際には、走りきれたのが不思議なほど足がヤバかったらしいです。それは彼自身の口からは、最後まで語られませんでしたが・・・。

昨夏の北京五輪、そしてこのベルリン世界陸上と見ていると、ボルトが圧倒的すぎる印象ですが、ボルトはその前まで、このタイソン・ゲイに何度も敗れていた。ゲイを超えずして世界一の称号は得られないという気持ち、タイソン・ゲイの怖さを世界でもっとも知っていたのはボルトです。だからこそ、闘志を前面に出しつつも、走る前も、勝負が決したあとも、ゲイを最高のライバルとして意識し、称えるコメントを常に出していたのです。この大会での栄光の結果は、ボルト自身の才能や努力の結果とはいえ、そこに素晴らしいライバルの存在を忘れることはできません。

圧倒的な強さといえば、私にとってのもう一人の英雄は、トラック長距離の王者、エチオピアのケネニサ・ベケレです。今回は、5,000m、10,000mという2種目を制覇。先に行われた10,000mでは「皇帝」の称号にふさわしい、あまりにも後続を引き離したスマートなレースで、まさに王族のようなスマートな気品をかもしだしていましたが、中距離の覇者・アメリカのバーナード・ラガト(元はケニアの生まれで、アメリカに帰化したらしいね。)を迎えた5,000mでは、上品さをかなぐりすてた必死の走りでの戴冠を見せてくれました。その姿に、
「やっぱり、この人は雲上人なんかじゃない、熾烈な争いに捨て身で挑んでくるトップアスリートなんだ、闘う人なんだ!」
ていうのをあらためて感じて、なおさら好きになりました。やっぱりここにも、素晴らしいライバルがいた。

ほかにも、一発勝負で見事に王者のすさまじさを見せつけた、男子棒高跳びのフッカー、いったんは「もう彼の時代は終わりだ」と言われながら、見事に復活した男子走り幅跳びのフィリップス、地元ドイツ選手への大声援を尻目に実力を出し切って連続王者となった女子走り高跳びのブラシッチ、これが最後という思いをひしひしと感じさせたベテランの女子障害3,000のドミンゲスに、いまだ渦中にある女子800m金メダリストセメーニャ、過酷なデッドヒートで女子マラソンを制した中国の白雪など、勝者の素晴らしいパフォーマンスを挙げれば枚挙にいとまがありません。

また、勝つ者あれば敗れる者あるのもスポーツの必然で、圧倒的な人気と実力を誇りながらも「記録なし」に終わった女子棒高跳びイシンバエワや、足を痛めていた男子110mハードルのロブレス、転倒に泣いた女子800mのブルカの姿も鮮烈でした。

一方で、金メダルやメダルに届かなかったけれど、力を出し切って最高の笑顔を見せてくれた選手たちもたくさんいました。男子200mの銀メダリスト、若きエドワード(パナマ)、同じく銅メダリストの、ドレッドヘアーをさっぱり切り捨てたアメリカのスピアーモン(今回は、レーンの白線を踏んで失格にならなくて良かったね!)、女子200m、ベテランのファーガソンバハマ)などなど。

もちろん、あらゆる競技で姿を見せてくれた日本人選手たちにもありがとうを。(そこまでメダル候補でもなかったのに)見事、メダルを獲った尾崎さん、村上さんはもとより、男女の短距離陣、TBSがキャッチコピーを廃しても、視聴者の心にしみついた“エアー大地”の称号をもつ、決勝進出おつかれさま!の澤野大地さん、見かけより遥かに過酷な競歩競技の山崎さん、渕瀬さん(彼女は7位入賞!)、ほとんど地上波では放送されないけど、陸上の鉄人が集う10種競技に出た池田さん、五輪の雪辱を果たした男子マラソン佐藤さん、自分のレース、男子障害では敗れたけれども、女子マラソンの給水スタッフとしてすばらしいパフォーマンスを見せた岩水さん、そして、闘魂の男子4継リレー選手! それから、女子走り幅跳びで予選敗退した枡見さんは、福大を経て九電工のチームにいるということで、地元民としてはこれからも応援していくことを決めたし、ほかにもまだまだたくさんの日本人選手がいました!


このベルリン大会、何が素晴らしかったかって、スタジアムの応援です! 勤勉、生真面目のドイツ国民とかって印象がありますが、いつ、なんどきの競技をとっても、客席は満員! マラソンのような競技でも、(前に述べましたが10キロ周回×4のコンパクトコースとはいえ)沿道はどこもかしこも応援する人たちであふれてました。もちろん、各国の応援団もたくさんいましたが、7万人を収容できるとかいうメインスタジアムは常に熱々の満員御礼状態。

地元ドイツ選手が予想以上の活躍を見せたのも、その応援を背に受けた面が大いにあったと思います。女子やり投げ金、ネリウスや、男子円盤投げハルティング、女子4継リレーチームの銅メダル、女子ハンマー投げ銀メダリストのハイドラー、女子ハイジャンプ銅メダリストのフリードリヒなどなど。決勝種目では自然と客席が総立ちになったり、かと思えば、大事な場面で選手の要請に応じて静まりかえったり、また、よその国の選手が良い成績を収めても、その国の国旗を振って喝采を送ったりと、この観客たちは本当に、陸上競技を存分に楽しんでいた。

ここでどうしても思い出さざるを得ないのは、前大会たる大阪世界陸上です。このときも、メインプログラムはすべて、19時〜22時くらいか、土日の午前中に組まれるという「多数派の社会人対応」だったのですが、メインスタジアムたる長居競技場の客席はガラガラだった。危機感を覚えた主催者側がチケットをものすごく値切ったり、サクラを動員したりして、後半は持ち直したようですが、テレビで見ていても、とても今回の熱気とは違った。

やっぱり、陸上競技というのは、日本では相当にマイナーなのよね。仕事で会うような相手にでも世間話で通じるのは、100mかマラソンかという両極端な走る競技。800〜10,000といったトラックの中長距離、跳躍や投擲といったフィールド種目に至っては、一般の興味の対象にもなってません。いかに世界のトップアスリートが集うといっても、まったく人を集められないのです。

陸上競技というのはシンプルで、結局は、どれだけ速く走るか・遠くまで投げるか・高く跳べるかという観点で競っているので、実際に見てみると、すごくわかりやすい。野球やサッカーに比べても、基本的ルールはものすごく簡単で、人間の肉体があらわすスピードや高さ、遠さなどを、難しく考えなくても明らかに認知できる、いわば人間の本能に訴える競技なのです。それでも、試合が地上波テレビで放送されるのは、この世界陸上か、あるいはオリンピックかだけなのですから、そりゃ認知度は低いってわけだ。

確かに、「肉体そのもの」の能力が大きな要因であれば、黄色人種たる我が国は圧倒的に不利で、君が代を聞くような最高のカタルシスを得るチャンスも少ない。それでも、ボルトの世界記録に熱狂できるように、他の種目にもたくさんの見どころがあるんだけど、それはやっぱり、プロリーグがあるような野球やサッカーと比べれば、ふだんから接する機会が圧倒的に少ないので、知られないのもしょうがないよね・・・。人気が低ければ、競技人口も増えないわけで、競技人口が少なければ、選手層も厚くならないわけで・・・。

ここで、話はループして、しろうとファンをたっくさんに増やした織田さんの功績を再認識しなければいけないと思うのだが、まあその話はもういいよね。

とにかく、次の世界陸上は2年後、韓国のテグで行われます。このメインスタジアムは、2002年に日韓共催だったサッカーワールドカップの、韓国のメイン競技場。時差もないことだし、織田さんも行く気まんまんだし、日本人としては大歓迎なのですが・・・。陸上に関しては、少なくとも現時点では韓国は日本よりもさらに世界レベルの選手が少なく、従って当然、認知度も低いだろうから、どうなることやら・・・。まあ、熱い韓国民がスタジアムを熱気で埋め尽くしてくれることを祈ります。


私は陸上部出身でもなんでもないですが、もともと、自分が走ることが好きで、だからかどうかわからないけど陸上競技を見るのも好きだった。最初は、やはり100mやマラソンといった日本での人気種目から入り、大学生になって深夜番組を見るようになってから、鳥人ブブカの男子棒高跳びや、マイケル・ジョンソンの400mの不倒の大記録を目にしたり、あと織田さんの熱いリアクションを見て、走る以外の競技の魅力も次第にわかっていった。

2年前の大阪世界陸上、去年の北京五輪と、時差のない大会が続いて、しかも相当に仕事に縛られながらも、たまたま夏はヒマな職種なので、両大会をつぶさに見ることが出来て、どんどんのめりこんできたわけだ。

このベルリン大会は、明らかにキツい時差があったんだけれども、それを見越して4ヶ月も前から夏休みを申請してたんだから、我ながらたいしたもの。(そんな自分の)おかげで、日本の地上波で行われた競技は、DVD録画を含めて、ほとんどすべて目にすることができました!

仕事の休みをとってまで臨んだからには!と、意識的にたくさんの競技を見て、解説や実況、織田さんのリアクションにもアンテナを張り、結果、これまでで最高に世界陸上を楽しめたと思う。8月15日に開幕して以来、特別な日々を過ごしていたし、逆に、自分がこんなに盛り上がってるのに、世間にとっては普通の日々なんだな、ってことが不思議なくらいだった。まさに、この熱さを共有できるのは、周りでは(テレビの前の、そしてベルリンにいる)織田さんだけ、てな状態。

でも私はその間じゅう幸せだったし、毎日毎日、「今日はあの競技があって、あの人やあの人が出てくる」ってのが楽しみで仕方なかった。そして、スポーツニュースやネットで、主だった競技の結果は見れても、世界陸上以外では放映がほとんどないため、その過程で自分が味わった緊張や興奮、感動は、時間が経つと忘れてしまいがちなので、ぜひに自分のブログに書き残しとこうと思って、長ったらしく書いてきた。

昨日までにブログに書いた世界陸上についての文章は、ゆうに40,000字、つまり原稿用紙100枚分を超えてます。(今日のブログはこれまた、8,000字を超えているので、総合計では120枚分。。。)

それは、将来の自分のため。来年は、世界陸上も五輪もないという、陸上競技にとっては3年に1度の谷間です。次に、これだけたくさんの競技を贅沢に見られるのは2年後。そのときの自分が、この大会に出場した面々や、この大会で感じた気持ちを思い出しながら、次の大会を、より厚みをもって楽しむため、ただそれだけのために、ひたすら毎日書く日々・・・。

けれど、その一方で、2年後に自分がまた、世界陸上を楽しめる環境にあるのかは、決してわからない。とも、今大会じゅう思ってました。家庭の都合やら仕事やらの状況が変われば、それどころじゃなくなる可能性もたくさんあるし、将来の私は陸上よりももっと熱中する何かを見つけているかもしれません。しろうとファンのお気楽な感想だとしても、自分にとっては、これが唯一の世界陸上・完全観戦になるかもしれない。それならそれで、やっぱり書き残しておきたいわけで。

とにかく何にせよ、この大会は本当に楽しく感動的で、大満喫しました! 

あ、大会マスコットのベルリーノ君のかわいさも忘れられない。あんなに積極的に絡んでくる世界陸上マスコットも初めてでした。中の人、日ごとに変わっていたとしても、かなりの体力でしたよね。すんごい元気いっぱいのアピールで、動きもかわいかったー!
 
あと、このスタジアムのトラック、目の覚めるような青で、最初は目がチカチカしてたんだけど、中盤からは全然慣れました。すごく美しい色でした。グッドラック、世界陸上