長月の十一 / 松隈先生インタビュー

●9月某日: 松隈先生インタビュー。七隈線を使うと福大がものすごく近くなっていることに驚く。

息子が国語の教科書を忘れて登校しているのを見つけ、「あらあら」と思ってたら、自分は財布を忘れてインタビューに行っていた。「あらあら」なんてもんじゃない、「おいおい」である。しかしスマホボイスレコーダーもニモカも水筒もあったので乗り切ったよ~! 夜ごはんはギョウザ、鶏軟骨、シメサバ、サラダなど。

facebookより)

大学の先生の研究室って大好きです。自由と知性、そして、深い専門性をもちながら、意外に「来る者拒まず」な雰囲気も感じます。
量子力学や飛行機の模型‥‥私には似つかわしくない(笑)研究室におじゃましたわけは、またいずれ!

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帰宅後、久しぶりに森博嗣の小説をひっぱりだしてみました。名古屋大学工学部の助教授時代に発表された彼のデビュー作、『すべてがFになる』。
理系ミステリの走りですね。1996年出版なので、もはやちょっとした古典といってもいいかもしれません。綾野剛主演でドラマ化もされました(ちょっとしか見てないけど)。

「僕ら研究者は、何も生産していない、無責任さだけが取り柄だからね。でも、百年、二百年先のことを考えられるのは、僕らだけなんだよ」

(そんなにコンピュータばかりが増えたら、人間は何をしたらいいんですか?と聞かれて)
「何もする必要はないね。何かをしなくちゃいけないなんて、それこそ幻想だ」
「元来、人間はそれを目指してきた。仕事をしないために頑張ってきたんじゃないのかな? 今さら、仕事がなくなるなんて騒いでいるのはおかしいよ。仕事をすることが人間の本質ではない。ぶらぶらしているほうが、ずっと創造的だ。それが文化だと思うよ、僕は」

私がこの本を最初に読んだのは確か2003年、社会に出てしゃかりきに働いていたころでしたが、
【ぶらぶらしているほうがずっと創造的だ、それが文化だ】
という主人公の姿勢にはいつも支えられてきた気がします。

先だって、松坂桃李主演で放送されたNHKドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』でも、現在の大学の様子は見受けられましたが‥‥
大学には、役に立たないことも自由にできる、文化的で創造的な場所であってほしいものです。

 

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