『西郷どん』 第13話 「変わらない友」

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手堅いよね~。特に変わったことやってると思えないんだけど面白いんだよな。前回の泉ピン子vs南野陽子の対面は異様にドスがきいてたし、篤姫エピにはなかなかの切実さがありましたが、今週はまたサラサラと。

10年前(そんな前か…!)宮崎あおいの『篤姫』のときに「スイーツ大河」という語が生まれたと記憶しているのですが、今回はスイーツっていうかファミレスですかね。映像がとてもきれいだから、美味しいカフェ飯って感じかな。でも、中心にいる亮平さんの吉之助さぁの素朴さがハンパないから、しゃれのめしてる感もないのよね。そこが不思議感覚です。

さて、2年も江戸の薩摩屋敷でくすぶっていた篤姫がついにアバンでお輿入れ。藩主正室戸田菜穂に深々とひれ伏された篤姫は、同じ礼を返さないどころか言葉も発さない。後ろからやってきた斉彬はさすがに平伏はしないが、篤姫が彼に平伏することもなく、彼にお餞別を差し出されても立ったまま受け取る。くだくだ説明せず、「将軍家御台所になるんだね~! 一大名なんかよりずっと位の高い、雲の上のお人に・・・!」ていうのがプンプン漂って、よかった! 将軍又吉との出会いもキュート。

斉彬は、人でなしではあるけど、当時のお殿様が人でなしなのはまぁ当たり前のことでもあり、「子は国の宝」とか「民のための国」とかぶち上げなければ、やっぱり渡辺謙のカリスマ殿様オーラはさすがってなもんである。篤姫を見送ったあとの吉之助とのささやかな酒盛り。殿様らしい、着流しのくだけた着つけというか着こなしがすばらしい。

薩摩切子やら何やらで殖産興業を語る殿。殿さまは何も湯水のようにお金を使ってるだけじゃなく、将来への投資やトリクルダウンを考えているんですよ、っていうのを踏まえて吉之助さぁは薩摩に帰るのですね。しかし実家のみんなは相変わらず今日食べるもので精いっぱいなわけで、家族は何も言わないけど、ジェラシーも手伝って正助どんが爆発する、と。とても素直な展開ですが、するすると違和感なくのみこめる。手練れの手際よさだなあと思います。(このあたり、官兵衛やら花燃ゆやらは、やはり書きぶりに難ありでしたわよとあらためて。)

正助どんが初めて薩摩の外に出る、でも江戸へ行く西郷と違って熊本までしか行けない・・・っていうこのタイミングで正助どんがこじらせるのも「篤姫」と同じですね(『翔ぶが如く』はどうだったのかな)。でも「鬼になりもす!」が飛び出した(それを聞いた母・真野響子も「それなら私は鬼の母になりもす」と!)『篤姫』に比べ、こっちの正助どんは賢妻のおかげですっかり仲直り。えがっだ、えがっだ。亮平さんと瑛太さんはイチャイチャ暑苦しく仲良くしてください。もう史実度外視でいいです。

瑛太さんとミムラさんの夫婦は大久保夫妻らしい美男美女で眼福! ミムラさん、あらため美村里江さんは時代劇には欠かせない女優さんになりましたよね~。満寿さぁ、「だんなさぁ、リスペクト申し上げます☆」じゃなくて、最初から「まったく、だんなさぁには困りもんすなぁ(´-`;)」感があるのがイイ! 

糸さぁ、篤姫、満寿さぁと、賢い女子たちのキャラ付けがバラエティに富んでてすてきだと思う。須賀さぁの不器用さを思うと切ないけど、橋本愛ちゃんは来年にもっと詳しく・・・(しつこい

そうそう、月照さんの初登場!! 春風のようにおおどかな菊之助の微笑みの存在感! しかし特筆すべきは、その月照さんを上目遣いに見上げる吉之助さぁの表情ですよ! 斉彬はじめ、ひー様や水戸のご隠居、幾島など、身分高いいろんな人種に出会ってきたきた吉之助さぁですが、この初対面の表情はまた、初めて出たよね。やんごとなき御方へのいぶかしみや戸惑い・・・というだけでなく、恋が生まれそうな表情をしていたよね!!!!