『その人、独身?』『駆け込み、セーフ?』『いつから、中年?』酒井順子

その人、独身? (講談社文庫)

その人、独身? (講談社文庫)

駆け込み、セーフ? (講談社文庫)

駆け込み、セーフ? (講談社文庫)

いつから、中年? (講談社文庫)

いつから、中年? (講談社文庫)

流行語大賞にもなった『負け犬の遠吠え』がベストセラーになったころ、まだ24,5歳だったにもかかわらず、「おまえはあの本を読んどいたほうがいい」と会社の先輩男性にすすめられて(そして素直に読んで)以来、酒井順子さんには勝手に親近感をもっている私である。

週刊現代』の連載エッセイをまとめたシリーズ。1冊目は本棚からひっぱりだして再読、続きは図書館で借りた。

3冊も連続して読むと、終わって最初に出てきた感想は「はぁ〜。よく、ネタが尽きないよなぁ〜」という、本の内容とは直接関係のない、なんだか間の抜けたものだったんだけど、実際、この仕事ってネタ探しがもっとも難儀なんじゃないかと思う。

この手の週刊誌での連載エッセイは多かれど、なんとなくの身辺雑記だったり、クドカンの「俺だって子供だ!」(=子育てエッセイ)のような、基本的にネタの宝庫みたいなテーマだったりが多い気がする。しかし酒井さんの場合は、“日常の中にひそむイマドキのジェネレーション問題、ジェンダー問題、未婚・既婚問題”など、幅広さはあるとはいえ、観察眼、“気づき”意識が必要なトピックを取り扱わなければならないわけだ。

それで毎週締め切りがくるんだもん、こりゃ大変だよ。3冊(たぶん5年分くらい)も読めば、多少かぶったネタや、考察が甘くない?なんて感がなきにしもあらずなネタがあっても、ともかくまずはおつかれさまです、と労をねぎらいたい気分になる。それとも、もう、手クセでチョイチョイと書けちゃうのかな。担当の編集者も優秀なんだろうな。