【いきなり氷上列伝】村上佳菜子

いつのときも、ニューヒロインって求められているのね。と痛感した、佳菜子フィーバー。

そりゃもう、いろんなニュース番組・情報番組で数え切れるほど見たもんですよ、ジャンピング・ジャックの軽快な音楽に乗せて踊る、黒とピンクの水玉の衣装で踊る佳菜子たん。それも、出だしの振り付けか、ラストのピストルバッキュン☆のとこだけを抜粋して流す番組の、なんと多いこと。絶対、満面の笑みでね。

まあ、あのショート・プログラム、ほんとよくできてるんだよな。音楽、振り付けはいうまでもなく、衣装も髪型も、無邪気で天真爛漫な今の彼女の魅力を最大限に引き出すプログラム。そんで佳菜子たんが、心底楽しそうに演技するんだもん、これがまた。もちろん、成績が示すとおり、すんごく上手なんだよ。トリプル−トリプルの成功率の高さも、世界でトップクラス。まるで、異様な安定感のあった昨季のキムヨナのジャンプを見てるみたいな錯覚をおぼえる。その裏では、佳菜子たんもすごく練習がんばってるんだろうし・・・世界ジュニアを制してるんだから、もう数年前からフィギュア界のトップアスリートとして熾烈な戦いを経験してるわけだし・・・。

それでも、それでも。

あの、はるな愛もとい、あやや然とした、てらいのない、「てへっ」とした笑顔に、ちょっとだけ「イラッ」とくるのは、そして、

「今季は、シニアデビューのご祝儀でもあるんだよ。怖いもんも失うもんもなく体当たりできるのも、デビューしたばっかりだから。マスコミはいいように書きたてるしファンは気ままだし、これからの体型の変化も演技に影響してくるし、今後の競技人生は、きっと山あり谷ありなんだよ〜〜〜」

なんて、よけいなお世話以外の何ものでもないことを思っちゃうのは、マオタゆえの嫉妬が少々入っているからか、あるいは、凡人ゆえ、30代ゆえの訳知り顔からか・・・

本人は何ひとつ悪くないし、かわいいし、日本人だし、やっぱり応援もしてるんだけど、どうも佳菜子たんを見ると複雑な気分、軽い自己嫌悪にも見舞われた今シーズンなのである。そして、彼女が今後も注目され続けるのは間違いない。ひとりの選手が少女から大人へと成長していくのを見られるのは、楽しみでもあるけど時に残酷でもあって、来シーズン以降もどきどきさせられそうです。

個人的には「てへっ」なショートより、フリー「マスク・オブ・ゾロ」でのキリッとした姿のほうが好きでした。「てへっ」少女路線をいつまでも続けるほど安直な山田満知子陣営ではなかろうが*1、来季にでもそうそうに、また違う佳菜子たんの姿が見たいです。

*1:だいたい、佳菜子たんについてる山田コーチに対して、マオタとしては複雑な思いがあるのよね・・・もちろん、外野からの推測でしかない部分も多いんだが