こんにちは、さようなら

私が中学生くらいのころ、倉橋耀子という人が講談社の少女向け文庫で書く小説が人気を博していた。両親が事故死して身寄りがなくなるとか、幼少のころ実の母親が父親を殺して服役しており養女になっていたとか、かなりベタなんだけど妙にさわやかな作風で、「さようなら こんにちは」というタイトルのシリーズ全20巻をすべて本棚にそろえていました。大人になってから里子(=BOOK OFF)に出したけど。
●4月28日(水)
最近のマイブームといえば歯磨きかもしれない。左手に手鏡を持って内側や裏側も見ながら磨いてるし、歯間ブラシも使っている。週に一度、歯医者で状態を確かめてもらって「いい状態になってきてますよー」と言ってもらえるのが励み。こんなささやかなことでも、「やる→見てもらう→褒められる」みたいな良サイクルの有効性、効率性を感じるよ。今日は「あと一度で治療終了かも」と言われた。

午後は、さとみちゃんとベビーに会いに行く。ベビーちゃん、こんにちは、初めまして! 5月5日が予定日だった彼女、と昼ごはんを食べながら来たるべきお産についてあれこれ妄想してたのはつい1週間前なのに、それから4日後には破水して、26日に男の子が誕生したのだ! ほえーと寝てて、ときどき伸びをしたりぴくっとしたり、起きそうな雰囲気を漂わせながらもなかなかすぐには目覚めない新生児ちゃんを飽きずにじっと見つめる。

それにしても、さとみちゃんがえらく元気そうなのが印象的だった。陣痛はかなり長時間だったようなのに、お産に対して「分娩室とか、なんか楽しかったかも〜」とさえ。おかげで、なんかこっちの不安もちょっと払拭されたかも。このお腹の中にいる子に会うのは、もちろんもっと楽しみになった。

夫は飲み会につき、夜は自分の分だけ、納豆スパゲティ。歌舞伎座さよなら公演の千秋楽。トリは団十郎助六だったらしい。登場シーンをちょっとテレビで映してたけど、お年や、大病の影響をまったく感じさせないようなはつらつとしていなせな助六だった。

●4月29日(木)
10時前にゆっくり起床して、市民プール。夫が車で送ってくれる。おじいちゃんが孫娘姉妹を連れてきていたりする、祝日らしい光景もあった。

帰宅してうつらうつらと昼寝すると、ばっちり明日の会社の夢を見た。上司や同僚のちょっかいを「時間がないんです〜」と必死に退けながら、自分の机周りを必死で片付けている夢。どんだけ不安なんだよ、と起きてから苦笑。だったらもっと前から計画的に片付けときゃいいのに、それはできないのが性格ってもんである・・・。

夜ごはん、かつおのたたき、小ぶりの鰯を焼いたもの、わかめとえのきのお吸い物、豆腐サラダ。すべて夫によるもの。もりもり食べられるんだけど、おなかいっぱいになったあとしばらくのあいだ、息苦しくてかなわん。あばらと背中の痛みも絶好調(?)だ。ふいー、赤ちゃん、今、どれぐらい大きくなってるんだろ。

作家の松井今朝子はかつて松竹の社員で歌舞伎の演出もしていたというから思いきり玄人ということになり、歌舞伎座に対する思い入れもひとしおだろうとブログを開いてみる。もちろんさよなら公演について触れてあったのだが、劇評部分は感傷なんてみじんもないような辛口部分もあって、さすが!という感じでした。