2011年大河ドラマ『江』キャスト予想その1

来年の大河ドラマ江〜姫たちの戦国〜』の主演が上野樹里である旨、今日、大々的に報道がありましたね。これはNHK当局の公式発表ではなく、スポーツ新聞のスクープのようですが、おそらく信憑性は高いでしょう。

今年の大河『龍馬伝』が始まったばかりだというのにもう来年の話題、と驚いてはいけません。来年の大河が「江」であること、その脚本を田渕久美子が書き、プロデュースを屋敷陽太郎がつとめることは、すでに去年の6月にはプレスリリースされていたのです。「来年の話をすれば鬼が笑う」どころか、再来年の話ですからね、その時点では。

今年に限ったことではなく、NHK大河ドラマのお約束のようなものです。放送開始1年半前にドラマの題材、脚本家を発表し、前年の初頭には主役を発表する(2007年大河ドラマ風林火山」のように、主役と準主役級を同時に発表する場合もあります)。それからも、梅雨の時期か明けたころ、秋、そして放送開始後というように、キャストを段階的に発表していくのです。

なんせ長丁場の大河ドラマですから、全員いっぺんになんて決められない、という事情もあれば、もちろん情報を小出しにして視聴者に話題提供していきたいという思惑もあるでしょう。そして、私のような長年の大河ドラマファン・・・というかマニアック寄りの輩は、少しずつ少しずつ出てくる情報をもとに、脳内でキャストや内容、ドラマの雰囲気を予想・・・というか、妄想する日々を過ごすのです。そう、放送開始1年半も前から、長い時間をかけて。

ええ、まんまとNHKさんの手のひらの上で踊らされてます。いいんです。ジグソーパズルを完成させていくようなものなんです。むしろ、その過程がいちばん楽しいかもしれない。今年の「龍馬伝」にしてもそうでした。実際にキャストやスタッフ、筋書きの全貌が明らかになり、放送が始まってみると、「なーんだ、こんなもんか・・・」てな具合でも、それは驚くべきことではありません。

というわけで、上野樹里さんの名前が出てきた今から、来年の大河ドラマ江〜姫たちの戦国〜』について、プロデューサーになったつもりでキャスティングしていきたいと思います。


大河ドラマのキャスティングにはいろいろなポイントがあります。まあ、大雑把に言うと、“まんべんなく、バランス良く、サプライズありで、「大河ドラマ」らしく”てとこですかね。

出演者の年齢をまんべんなく。子どもからお年寄りまでが見る天下の大河ドラマですから、若手ばっかりに偏っても、逆に中年以上ばっかりになってもいけません。

出演者の格をバランス良く。キャリアの浅すぎる顔ぶればかりでは伝統の大河の沽券が保てませんし、逆に大御所ばっかりでも現場がピリピリしそう、ギャラの問題も出てきそうだしね。たとえばフジの月9のような編成ともちょっと違います。ええ、まあ、年によっては、「朝ドラ大河」とか「月9大河」とか揶揄されるキャスティングになってることもありますがね・・・。

バランスは、格だけの問題ではありません。たとえば出身業界。主にテレビドラマでよく見る人気者、映画中心の本格俳優、舞台を主戦場にしてきた個性派や名バイプレーヤー、歌舞伎に代表される伝統芸能の担い手など、いろんな面々のガチンコが見られるのは大河ドラマ視聴者の楽しみのひとつです。

また、役者の所属事務所間のバランスもあるでしょう。主演の上野さんはアミューズですから、当然ここの事務所からはほかにも何人か送り込まれ、ある程度の勢力になることが予想されますが、ほかにも、大手芸能プロである研音、ダスト、バーニング、ホリプロなどそれぞれの事務所との折衝が必要。ジャニーズさんについては、かつては必ず毎年って勢いで出演がありましたが、近年はご縁がないようです。版権に厳しいジャニーズさんと、オンデマンドやなんかでばんばん稼ぎたいNHK大河ドラマ班とは仲良くできない、とか言われてますがどうなんでしょうね。

お茶の間や職場、ネットでの話題をさらうサプライズも不可欠です。今年でいえば、歌手であり日本イケメン代表であるところの福山さんが龍馬を演じることが最大のサプライズともいえますが、お母さん役に元バレリーナでテレビドラマ初出演の草刈民代をもってくるとか。去年で言えば、ヘキサゴンで一躍全国区になった上地雄輔小早川秀秋にキャスティングするとかね。

そこまでの目玉商品(?)でなくとも、ミュージシャン枠、お笑い芸人枠、元スポーツ選手枠、まったくの異業種枠など、「へぇーっ、あの人が演技を?! しかも大河!」と思わせるような人選を含むのは毎年のお約束です。

大河ドラマならではのポイントとしては、「ご当地枠」というのもあります。当然、大河ドラマは全国ネットで放送されますが、物語の舞台になる地方の関心はとりわけ高く、当該の市町村では大河ドラマ関連のイベントやグッズで「町おこし」をして懐を暖めたいという算段もあり、市議会や商工会議所なんかが地元出身の俳優をプッシュしてくるのです(想像です)。今年で言えば、高知出身の広末さんや島崎和歌子さんですね。

NHK独特の「貢献度」的なものも考慮したほうがいいかもしれない。紅白と同じですね。これまで、NHKの番組に出演して好評を博した人なんかだと、企画会議の際、局のお偉いさんたちもすんなりOKを出してくれるかもしれないし、何しろ、国民の皆さまからの受信料で成り立っているNHKですから、公序良俗に配慮して、スキャンダラスなイメージのある人は避けたほうが無難です。いきおい、これまでNHKでまじめに実績を積んだ人のリストぐらいは作っておきたいところ。

人脈にも当然、頼りたいところです。以前、一緒に仕事をしたことのある人には、現場で一から説明する必要もなかったりする。お互いやりやすく、安心ですね。プロデューサーや脚本家にとって「旧知の人」「ヒット作を共に生み出した戦友」的な人にはぜひ声をかけたい。今年も、福山さんと脚本家の福田靖とは「ガリレオ」つながりですし、武市半平太役の大森南朋と大友プロデューサーとは「ハゲタカ」つながりですもんね。

あ、あと、重複は避けたいので、つい最近に大河ドラマに出演した人は外します。香川照之やら、妻夫木くんやらはパスですね。ていうか、お願いしても、向こうも断ってくるでしょうね。大河ばかりに続けて出演してもしょうがないですし。NHKはギャラの安いので有名ですし・・・。ただし、主役や準主役ほどでなければ、1年おき、2年おきくらいに出演する人もいます。そこは天下のNHK、天下の大河ドラマ、悪いキャリアじゃありませんから。たとえば、2008年「篤姫」に出た松坂慶子稲森いずみは、2005年の「義経」にも出ましたから、2年おきで、けっこう大事な役どころを演じたことになります。


ざっとこんなもんですかね〜。これらに目配りをしながら、具体的なキャスティングを・・・・って、あらっ、もう誌面に余裕がありません(?)。続きはまた次回(気が向けば)!