『龍馬伝』第4話「江戸の鬼小町」
広末涼子の加尾にしろ貫地谷しほりの佐那にしろ、「福山だから」龍馬に恋しているように見えてしまう。なんたって福山。そりゃ好きにもなるわー、と、そこには妙な説得力があるのだが、ドラマとしてそれでいいんでしょうか。製作陣は、福山さんを最大限に生かしているともいえるし、頼りきっているようにも見える。
なんのかんの言うても、私は司馬遼太郎の読者なんだよね。若き日の龍馬はまちがっても才気あふれる青年ではなく、むしろ勉強や武士らしさでは落ちこぼれのような存在だった、というのはこのドラマでも一致してるんだけど、あの人なつっこさ、ストレートに人の胸を打つ雄弁な言辞が、どうにも違和感なのである。龍馬は・・・正しくは司馬さんの書いた“竜馬”でしかないんだけど、基本的に無愛想な男でないといけないのだ。無愛想と書いて“すぼっこ”と読みます。
千葉定吉の娘にしても、「佐那」ではなく「さな子」であって、剣は強くても男が誰ひとりかなわないほどではなく、若い娘らしい快活で浅はかなおきゃんさ(おきゃんって死語だな)を持っているイメージなんだよなあ。でも、貫地谷さんの演技はさすがに見ごたえある! 画面がピリッとしてたよね。彼女が出てくるとき。