近くて遠い場所になった

福岡でいちばん都会なところといえば「天神」である。
東京とかに比べりゃ、まさに小都会だが・・・。

「天神」から、南へ10駅下った町(の団地)で育った。
南へ10駅というと、普通電車で30分かからないくらいだ。
10才で、同じ路線を5駅分、天神へ上った町へ引っ越した。
大学に入って、天神から東に伸びる地下鉄、6個目の駅の町でひとり暮らしした。
就職する前にいったん実家へ戻った。
25歳になるころ、天神の南隣の駅の町で再びひとり暮らしをして、
29歳と半年で、もうひとつ南へ下った駅、平尾に引っ越して結婚した。

ちなみに、「天神」と、JR九州「博多」駅は、地下鉄で5分の距離で、これもとても近い。

つまり、なんだかんだで、都心で暮らしてきたこれまでの人生。特に、大学に入ってからは、都心(あくまで福岡レベルの話ね)の自転車移動範囲内に暮らしている。

子どものころは、天神に遊びに行くのがすごく楽しくて、特別だったなー。
限られたお小遣いで、午前中から夕方まで、デパートだとかウロウロするってことに興奮した。
もちろん、お昼はマックだとかミスドとかのファーストフード。

大学生になってからはバイト先も天神に求めたし、就職してからも、友だちや恋人とのショッピングにランチ、夜はライブハウスに出入りしたり、小さなギャラリー覗いたりイベントに混じったり、やたら安い居酒屋に入り浸ったりもしてた。
もちろん、酒を飲もうが帰りが深夜だろうが、移動はチャリが基本。

いつのころからだろ?天神が私の生活圏から外れたのは。
いつのまにか、あんまり行かなくなってる。

車をもったこともないから、特に移動範囲が広くなったわけでもないし、子どもができたりして郊外の大型ショッピングセンターのほうが用途に合うわけでもない。
朝まで遊んだりすることはなくなったけど、仕事してて、当座のお小遣いに困るほどでもないので、今もよく外で飲んでる。
仕事・・・。まあ仕事は(業務上、一定時期は特に)忙しいけど、でも25,6のときのほうが、少なくとも仕事の拘束時間は今より長かった。
それでもあのころ、天神は今より身近だった。

今でももちろん、天神に行かないことはない。
洋服だ小物だのショッピングは天神ですることが多いし、友だちと天神で会うこともある。
天神のいくつかの大型本屋さんには、定期的に行ってる気もするし。

今はあくまで、「何かしらの、目的をもって」行ってるんだろうな、天神には。
だから、目的以外で、不必要にうろうろしない。

「近いんだし、その気になれば、いつでも行けるし。」みたいに思って、「今日は靴を買うため」「誰々とランチするため」「お中元的な贈り物を」「ついでにジュンク堂をチェック」という目的を果たすと、サッと未練なく帰る。

いかんせん、天神のど真ん中でなくても、私の生活範囲はそこそこ都会で、しゃれたお食事どころとか、お菓子屋さん・雑貨屋さんといった贈り物を買う場所、気の利いた本屋さんなんかもあるので、天神に行く必要性も減ってる。

平尾(自宅)、薬院、白金、清川、高砂、住吉、博多(会社)。
だいたい自宅と会社を結ぶ道のりで、外食も買い物も事足りるし、ちょっと足を伸ばして美味しいものを、ってことになると、西中洲、春吉、赤坂、あるいは今泉あたりに行くことが多い。
天神ど真ん中、ってこと、ほんと少なくなったよなー。

別になんのオチもない日記です。
ふと思っただけです。
でもこういう生活範囲の変遷て、ちょっと、「年を経たな」て感じがする。