『春秋山伏記』 (藤沢周平)

春秋山伏記 (新潮文庫)

春秋山伏記 (新潮文庫)

なぬっ、新潮文庫から出てるほうは、表紙イメージが出ないじゃないか。

藤沢周平は司馬さんよりも大好きなぐらいなんだけど、こちらも未読はまだまだある。そして司馬さんと同じく、もう永遠に新作が出ることはないけど、人気は衰えず絶版になる心配もないので、折に触れて時々求め、大事に買い集めることができます。

これはかなりかなりステキな小説! 地の文も、会話文も(この小説は、藤沢さんの故郷である庄内地方の古い方言で会話が書かれている)なんてお上手なんでしょう! 大鷲坊さんかっこいい! 読んでる間じゅう幸せで、読み終わると感動がじんわりと広がる。

ちなみに、藤沢さんの性の描き方も、すごく人間味があって好き。現代小説ではエロいシーンに辟易することの多い私だが、なんだろうね、やっぱり現代が舞台だと生々しすぎるんでしょうか。