『陰陽師屋へようこそ』 第1話

おお、面白かった。もうけもん、って気分。なんとなく赤茶けた画づくりの、生活感ある王子の街に、昼は陰陽師装束で、夜遅くなると普通の青年姿で存在してる錦戸くん、てのが、まずもってなんか雰囲気ある。ただのインチキ占い師かと思いきや、人心の機微や世間の酸い甘いに通じている元ナンバーワンホスト、って設定も錦戸くんに合う。単純な善意の人ではないけど、口八丁手八丁で狐や地縛霊のせいにしながら、結果的にトラブルを解決しちゃう。長いセリフになると滑舌とイントネーションがアレだけど(まあ関西の人だしね…)、短いセリフではとってもいい表情やニュアンスを出してくれたりするので、しらけない。うん、私、錦戸くんが好きなんです! あのタレ目〜〜たまらん〜〜〜。

自己責任が叫ばれだしたころから、かんたんに善悪を決めつけて叩くとか、言葉じりをとらえた炎上とか、もっともらしい正論での上から目線とか、どうにも息苦しい世の中だ。そんな中、ゴーイングマイホームとかはらちゃんとかあまちゃんとかいう優しいドラマや、リーガルハイみたいに視聴者自身をも刺すタイプの大人のコメディが続々と作られているテレビドラマ界って、すごく希望があると思う。(まあ、お化け視聴率をとるのは、ミタとか半沢とかなんだけどさ・・・)

陰陽師屋も、大きく分ければそういう系譜のドラマ・・・だと思うんだけど、錦戸くん演じる陰陽師屋は、もっている力を、悪意をもって使おうとすればいくらでも使えるわけで、どういう展開をしていくのか、なかなか興味深い。

脚本はとてもスムースだった。冒頭の「それぐらいのトラブル続きは誰にでもある」って道理の重ね使いとか、倉科カナの来し方を見透かす論理とか。杉良太郎駿河太郎の謎のチラ見せも、わざとらしくならない程度に抑えてあって。

ヒロイン倉科カナちゃんなのか〜ってちょっと不思議に思ったら、彼女は同じく黒岩勉脚本「dinner」でもヒロインでしたね。あの眉メイクは・・・かわいいのか・・・? 知念くん、柏木さん、濱田マリふせえり見栄晴、宮川一郎太、南野陽子杉良太郎・・・渋すぎる競演陣だが、ベテラン陣は安心して見てられるし、若者部は錦戸くんひとりいれば全然OK。華があるのに、ちょっとした頽廃も、ダサい感もあるような、独特の存在感がとても良く生かされる役のような気がします!

この火曜22時枠。なんかファンタジー枠になりつつあるのかね。