ことば・4 満1歳10か月

●語彙がどんどん増えてる。

  • あっぱ(葉っぱ)、ちょーちょ(蝶)、シュー(すべり台)、ボー(ボール)
  • きーぃ(きりん)、えーび(エビ)、ゲオ(げろ=かえる)、パンナ(パンダ)、
  • トント(トマト)、ヨート(ヨーグルト)、お、ちゃー(お茶)、
  • あんよ(足)、ポンポ(おなか)、おちんちん(笑)、
  • のんのん(ベビーカー/乗る)、たーまー(ただいま)
  • トラック、しんかんせん、ふね(舟)
  • めーなーね(メガネ)、ぼーし(帽子)、とーへ(時計)、あーばーし(歯ブラシ)

などなど、などなど。

●絵本やテレビで次々に対象を指さし、親に名前を言わせる遊びが大好きになった*1。特にやってみせたわけではなく、いきなりやり始めた感じ。逆に、私が指をさして「これ何?」ということもある。わかるものについては、もちろんその名前を言うのだが、わからないものについては、「ぱっち!」とか「あっし!」とか、全部同じ謎の語彙でごまかす(ごまかしているわけではないのだろうが笑)のが面白い。

●そうやって、毎日のように繰り返すことによって覚えて発するようになる語もあれば、「え、もう覚えたの?」という謎のスピードで発する語もあり。そして、「まだ言わないの? ねえ、まだ?」という語もあり(←パパ、ママだ!)。

●調音が進化したものがいろいろ。
・じんじん→にんじん、 ばーあーあ→バナナ、 おーいーい→おーいーち→おーぎーに(おにぎり)、 お・ひ・ぱぃ→おしまい

●音の代用。
・[m]→[p] ぴーつーたった!(みーつけた!)
・[k]→[t] たと(タコ)
は相変わらず見られるが、本来の音で言う語も増えてきた。メーオーン(メロン)、トラック、しんかんせんなど。

●統語的な面では、「○○た!」が絶好調。

(ex.) シュー・た!(すべり台)、おっぱい・た!、しまー・た!(しまじろう)などなど。
これは、パッと聞くと、「すべり台だ!」「おっぱいだ!」と言っているようにも聞こえるが、私は違うんじゃないかな―と思ってる。

●おもちゃなど、探し物をしながら、「ナイネー?」とつぶやき、見つかると「アッター!」と言う。ある、ないの概念を正しく理解しているみたい。

●それを応用しての、「おっぱい、あった!」、「しまじろう、あった!」という、事実上の二語文なんじゃないかしら。「おいっしょー、た!」とも言うのよね。これは「おいしそうなのがあった、出てきた!」の意だと思う。「っぱい、っぱい、た!」もある。これは「いっぱいいっぱいあった!」だろう。

●「ピンポ、た!」(ピンポン=インターホン押した!)、「ちゅー、た!」(チューした)など、○○した!の意でも使われているし、食べ終わってからっぽになってお茶碗を誇らしげに示し、「ぜーぶ、た!」(全部食べた!)とも言う。

●つまり、「単語+た」の「た」は、今のところ、あった、した、食べた、など、サクにとって万能の動詞なのだ。たぶん。

●ほかにも、誤用…というのは少し違う気もするが、ことばの獲得過程らしい、子どもオリジナルの(大人はしない)言い回しが、いろいろ見られるようになった。

●入れ子になっている「コップ重ね」のおもちゃの順番を間違えて積み上げたときやパズルのピースがうまくハマらないときに、「ナイネー?」と言う。ないわけじゃない。違うね、という「no」のニュアンスを、「ナイ」で表現しているのだ。

●ごはんをこぼしたときに、「いっちゃったー」と言う。「いっちゃったー」は、バスや飛行機、近くにいた鳩が遠ざかってしまったときに私がよく言う言葉なんだけど、その「残念ながら○○になってしまった」の意を、「っちゃった〜」で表現しているんじゃないかしら。

●ちなみに、「いっちゃったー」は、最初、去るバスを目で追いながら、「あっちゃったー」と言っていた。後半の「ちゃったー」に引きずられる形で、「い」が「あ」になってたんじゃないかな、そのほうが母音を変えなくてすむから、調音しやすいもんね。

●引きずられる発音といえば、「単語+た」の発語の中でもっとも初期にあらわれ、頻度も非常に高い「バス+た」。これ、「バシた!」と言うんだよね。なんかリエゾンしてる。

●前月に見られていた拡大拡張がほぼ消えた。名前を知らない四つ足の動物すべてに「わんわん」を使用することも、ちしゃ(靴下)を靴に使用することも、ぎぃい(牛乳)をほかの飲み物に使用することも、なくなった。

●今月の語彙獲得は圧倒的に名詞が多かったな。動詞は、「ちゃんと=ちゃんこ=座る」「のんのん(ベビーカーに乗る)」くらいか。

●「ぜんぶ」「っぱい・っぱい(いっぱいいっぱい)」は初の副詞。

●終助詞も初。「ナイネー」、「キエイネー(きれいねー)」、「オッキイネー」の「ネ」。ま、おうむ返しじゃないとも言い切れない。

●「アエ〜?(アレー?)」、「ヤッター!」、「うわー!」、「よし!」、「よいしょ」みたいな感動詞もたくさん言うようになった。これらは最初からかなり正しい語法で駆使している。

●これも感動詞の一種か、前述の「単語+た」の前に「あ」も、よく付ける。「あ、でんしゃ、た!」みたく。

●言葉それぞれの意味を完ぺきに理解しているのではなく、シチュエーションでなんとなく言ってる言葉もある。自分が私におもちゃを渡しながら「あーとー(ありがとう)」。しかも、そのあとに自分で「いいえー」とまで。外から帰ってきた夫に向かって、「たーまー、おーかーり(ただいま、おかえり)」と、ひと息で。これがもう、おっかしくておかしくて。

*1:やっと、か。1歳半前にこれやる子もいるよね