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2011年 日本アカデミー賞 

最優秀主演女優賞の受賞者が翌年の司会を務めるのが通例の日本アカデミー賞。松さんの司会を1年前(2010-03-08 - moonshine)から楽しみにしていたのに、今となっては寝かしつけやその後の夜泣きなんかとかぶる時間で、とてもゆっくり堪能することはできず。でも、渡辺謙だとか役所広司だとか豊川悦司だとか、吉永小百合だとか山田洋次だとかが一堂に会しているのを目にするだけで華やかで晴れやかな気分になれるものであります。ちらちら見た感想を書き留めておこう。

演技部門は軒並み『悪人』が独占。この映画、見ていないんですが*1、外国の賞を獲ったことで話題になったのでこれまでいろんなシーンを見ることができたし、筋もだいたいわかります。吉田修一の小説の嫌らしさ(エロさという意味ではなく)を、『フラガール』の李相日監督が相当うまいこと映画で表現したんだろうな、と勝手にイメージしています。

主人公の祖母役で出演し、この日、最優秀助演女優賞を受賞した樹木希林も、「撮影している段階で、みんなが賞にからむと確信していた。わかるんですよ、50年もこの仕事やってると」と絶賛。2008年の『東京タワー』は駄作としか思えなかったらしく、自身が最優秀主演女優賞を獲った壇上でも悪態つくぐらいだった正直すぎる大女優の彼女なので、今回の評価にも信が置けるというものです。

ところで今回の助演女優賞は、樹木さんのほかにも、蒼井優木村佳乃夏川結衣と私好みの面々でした〜。*2木村さんの極めて華奢なデコルテも美しいけれど、夏川さんとか余貴美子さんとか、むちむちグラマラスな熟女がドレスアップしたのも好きです、外国の女優さんみたいな貫禄があって。蒼井優ちゃんはもう20代も半ばにさしかかっているのに相変わらずの少女感ですね。

話を『悪人』に戻しますが、妻夫木くんが最優秀主演男優賞を初受賞し、「クセがないと言われて悩むこともあった。自分らしさってなんだろうと考えながら、自分を信じてやってきた集大成の作品」と感極まった様子で語るのを聞きながら思わずじーんとしてしまいました。

妻夫木くんは、もっとずっと若いときから本当にいい役者です、それは間違いないんです! じゅうぶんな実力と意気込みで臨んだ『天地人』の脚本や演出があまりに劣悪で、まさかの大根に見えてしまうという飛んだとばっちりを受けていた妻夫木くんでしたので、その翌年にこんな素晴らしい映画で正当な評価を得られたことに胸を撫で下ろした思いです。つくづく、仕事選びって大事ね。

そして、それぞれ作品自体も大評判であった松たか子寺島しのぶ深津絵里の3強が激突した主演女優賞では、深津ちゃんが最優秀に輝きました。これまた3人とも大好きな女優で誰が獲っても納得だったと思うけど、こちらもなんだか格別な喜びがあったなあ。松さんも寺島さんも、精進を重ねてここまできてるしすごい女優魂の持ち主だけど、いわゆるサラブレッドでもある。深津ちゃんは、もともと長いことテレビドラマを主たるプレイグラウンドにしてきて、早くからお茶の間の人気者(なんかこの表現も死語だな・・・)だったけれど、大きな賞を獲るといった形での評価はこれまでなかったはず。

深津ちゃんも妻夫木くんも明るくさわやかでかわいいイメージが強いので、キャスト発表のときにはかなり違和感があったし、そういう声は本人たちにも届かなかったはずはない。この決して心躍るような筋書きではない映画で、果てには破滅しかないような道行きを演じながら、ふたりはそういう声とも戦っていた、まさに同士なんだろうと思う。だから、いろいろな賞をそれぞれがもらうたびに、スピーチで必ず相手のことに触れるのを聞くと、ぐっとくるのであります。

今回の深津ちゃんの言葉も良かったよねー! 「妻夫木くんと、あとで抱き合って喜びたい」て言ったの*3。去年の松さんの「最高の夫、浅野さん」というスピーチも良かったけど、女優さん、しかもキャリアを積んできた女優さんって、ほんと肝が座っててさばけてて、かっこいいな! 見てて気持ちいい。

それにしても・・・『悪人』『キャタピラー』『告白』と、そろいもそろって、見るのに勇気が必要なくらいシリアスな3作品が今年度の邦画代表作でござんしたね。へなちょこな私は当分のあいだ、勇気が出そうにありません。。。 あと、国内の映画賞っていろいろあるけど、本人たち、「これだけは逃したくなかった」「これは、まあ、あの賞には劣るよな」とか、そういう感想ってやっぱりあるんですかね。

*1:というか、ノミネート映画は何ひとつ見てない。しかも毎年・・・。なのに授賞式にやたらとこだわる私、笑

*2:満島さんも多分とてもいい女優さんなんだろうけどまだ出演作を見たことがない

*3:妻夫木くんはなにかの事情で、別のところから中継で受賞してました