『最高の離婚』　第５話

光生は主人公の特権（？）で、毎回、心身いずれか（または両方）痛めつけられるわけで、それを見るのはこのドラマの楽しみのひとつですよね！（あれ、違った）？　振り返ってみると

第１話：　ぎっくり腰＆「離婚届出したから」
第２話：　ぎっくり腰＆「死ねばいいのに」
第３話：　指の骨折（突き指だっけ？）＆「“死ねばいいのに”に至るまでの経緯」
第４話：　「あなたが大好きなのは自分だけなの」

そして今回、第５話では、灯里＆諒カップルに力点がおかれたため心理的ダメージの控え目だった今回は、ダメージ総量をみたすべく、身体的ダメージとして肋骨を３本も折る必要があったわけです（？）。フルボッコの瑛太を見て喜ぶ視聴者（てか私）。鬼畜ですね！　でも次回以降も頼むよ、坂元先生！　

で、問題の灯里＆諒ですが、予告で凄絶ビンタを見せられていたので、温泉旅館でのキャッキャウフフを見せられても全然微笑ましい気持ちになれませんでしたw 女きょうだいならではの爆弾を投下した妹、グッジョブ！　そこから菜箸を片方、隙間に落としちゃうくだりが巧い〜！　どうでもいいですが、個人的に、男でも女でも、ああいう、モノとか壁とかに当たる怒り方をする人ってすごく苦手だわー。

３話で視聴者（と光生）を戦慄させた灯里の泥臭い生い立ちに、もう一段階の仕込みをしてたのがさすがの手練れと感心させられます。

今回、見てて印象深かったのは、灯里と諒は共に「自分が嫌い」なんだなあ、ということ。

諒は何も考えずふわふわ生きてるわけじゃなかった。灯里への土下座→女関係の清算にいそしむ姿も意外だったけど、カシオペア号云々の独白とか、温泉での「僕、つまんないやつです」とか、いろいろ総合するとだんだん「なるほどね」って感じになってきたよね。最後の「今どこ？」からの「指輪ポーイ」シークエンスには打ちのめされましたが、あれも、「あの女めんどくさい、もう知らね」じゃなくて、「やっぱり変わるなんて無理なんだ。こういう生き方しかできないんだ」っていう自分への諦めや絶望に見えた。

そんな諒だけど、「灯里のことが大好き」ってのはホントで、切実さすら感じた。「いい女」を演じてすっかり自分を偽っていた灯里だけど、諒はどこかで、「僕と同じく、大人になる過程で自分を嫌いになってしまった」な灯里の本質みたいなものを感じとったからこそ、好きになったんじゃないかなーと思いたいし、だからこそ灯里は“自分大好き、自分が一番正しい”光生よりも諒とお似合いなんだと思う。

諒がどうして灯里を好きなのか、諒の生い立ちについては、今後語られるでしょう。たぶん、灯里と同じように、ある種、親との尋常でない関係があるのではないかと想像します。坂元先生の脚本にそういう部分はつきものですし〜。

ともかく、灯里の長ゼリフはドン引き系のエピソード語りだったので、前回ように妙齢の女性視聴者から“そうだそうだ！”の怒号が渦巻くことはありませんでしたが、あの修羅場を、「そう来なくっちゃ！」感でいっぱいで見てた私です。どんな事情があれ、どんなフェロモン男であれ、諒は灯里に１発どころか何十発でも殴られるべきですし、あんな仮面生活が続くわけないもん。ここからが始まりだよね！　来週の予告でのふたりも引きが強すぎww

予告でネタバレしてても真木姐さんのビンタは絶品でした〜。肩で息しながら獣のように威嚇する姿の迫真よ！　「運命の人」といい龍馬の妻・おりょうといい、今回といい、女性に同調されない役がどんどんまわってきて、どんどん引き受けて、すごい人だと思います。

ひそかに気になってるのは、諒の避妊問題です。三十路の夫婦である以上、子ども問題は避けて通れないし、坂元裕二の律義さを思うに、光生＆結夏カップルの「子ども問題」を俎上にあげといて、こちらはスルーってのは考えにくい。

あちこちの浮気では子どもができないようにしててもおかしくありません。ですが、光生＆結夏カップルと違って、諒と灯里には夫婦関係はあるはずで、まがりなりにも夫婦として生活してたんだから、普通に考えれば、そこは避妊しませんよね。灯里を好きなのはホントの気持ちだから、できてＯＫだと思ってたのかなあ。結婚して２か月とか３か月とか言ってたから、避妊してないからといって妊娠してなくてももちろん不思議はないし、その可能性もある。でも、もしかしたら、諒は男性不妊を自覚してるんじゃないかしら…？とちょっと思ったりもして。諒に親との暗い過去がある以上（あると決めつけているw）、「子どもがほしい、できてもいいや」という自然なスタンスをもっているとは思えないんですよね。ハイ、妄想しすぎって話でした。

てか、２ちゃんねる見てたら「ドラマの感想で長文書く奴は頭おかしい」って書いてありました。２ちゃんに書き込みするような人にすらそう思われてるんだから、普通の人からはいったいどんな目で見られてることでしょう…笑

もとい、光生＆結夏は、今回、小休止でしたね。秘宝館のチラシに鼻の下を伸ばしたり、灯里たちの結婚決定に顔を引きつらせたり、光生の顔芸サイコー！！！　大学生にナンパされてる結夏たちに「ああいうのは人妻AVにつながる」とか真面目に思ってるとかねw 「無になってた」「無になってる人の横でコンプレックス歌ったの？！」のやりとりも爆笑。あの冒頭、４人のセリフで前回ラストの顛末を説明していくの、演出もうまかったよねえ。

前回あれだけ断絶しといて、今週ふつうに夫婦漫才もやってる光生＆結夏。「YOUたち、もう、結婚しちゃいなYO！」と言いたくなるけど、そうは問屋が卸しませんよね（死語）。このふたりのいざこざが最高に盛り上がるのは後半のはずですから…！　来週は窪田くんも活躍しそうだし！　今週もほんの１シーンだったのに、良かったわああああ。