『きのう何食べた? 5巻』 よしながふみ
- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/09/23
- メディア: コミック
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このマンガって、ほとんど必ず、ケンジが「ただいまー」って帰ってくるシーンがあるんだよね。仕事から帰宅したシロさんが夕食を作っているとケンジの帰宅時間・・・ていう設定だから、当然のようではあるけど、きっと意図的に省かないんだと思う。
ケンジはいつも機嫌よく「ただいまー」と帰ってくる。シロさんはキャラ的にニコニコはしないけど、ふたりで食べる夜ごはんを作る手を止めずに、必ず「お帰りー」と応じる。
そして、二人は必ず、食べているごはんについて「○○が△□でおいし〜い」「そうか、それは良かった」というような会話をかわす。作ってもらったケンジは料理のしろうとだから、専門的な見識などではなく、ごく普通の感想を述べるだけだ。でも、一緒に暮らすうちに、少しずつ、「この料理は手間がかかる」とか「これは高い食材」とかわかるようになってる。もちろん、作ってもらっておいて文句を言うなんて言語道断なふるまいはない。
二人はごはんのとき、向かい合って座っているんだよね。ふたりともテレビのほうを見てる、とかじゃなく。というか、テレビもついてなさそうなんだよね。この家のごはんどき。
他愛ないことばかりだけど。いわゆる“料理マンガ”なんだからあたりまえなのかもしれないけど。そんなシロさんとケンジが好き。ふたりはいいふうふだなあと思う。ごはんにかかわるふたりの営みがそうやって毎話繰り返されることに、なんともほっこりとさせられるのです。
さて、シロさん46歳になってるのか・・・!と、ちょっとびっくり。連載開始時は43歳だったのに! 確かに、お正月の話ってもう3回目だもんな。サザエさん的世界観のようでもあるが、この物語には確実に時が流れていて、実は話自体も進んでいるんだよね。よしながさんのことだから、決まった着地点に向かって粛々と進んでいるんだろうなあ。何巻くらいまでやる構想なんだろう? ごはんはずーっと食べていくものだから、ゆるゆると、いつまでも続けばいいのに。終わったらかなり淋しいぞ。
あと、このマンガ読むと、一時的に料理のモチベーションが上がるよね。