皐月の四

●5月某日: ヤフオクドームでオリックス戦。9対5だったかな、いい感じに打って気持ちよい快勝だった! 夫が作った弁当もぐもぐ。ビールごくごく。ソフトバンクホークスなので、生ビールなど観客席の売り子さんたちはみんなペイペイのQRコードをつけている。確かに、こういうときに現金のやり取りがないのは売り子さんにとってかなりストレス減だろな。我が家では夫が先般からのペイペイユーザー。
そして、見てこれ!

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わかります? ぜんぶひらがなです!
たぶん こどものひ だから!
いかすぜ ほーくす!!

 

●5月某日: ついに十連休最後の日。夫は早朝からゴルフ。練習の成果あり、ベストスコアが出たもよう。サクを床屋に誘うが「父ちゃんがいないとふあん」と拒絶される。

昼下がり、なるせさん主催の「感謝の集い」。不肖わたくしが司会進行役。50名もお見えになり式次第もいろいろあったので、なにげにキンチョーだったがあたたかくお見守りいただきありがとうございました~。和やかで賑やかな会、いろんな人とお話もできて楽しかった。夜、連休最後の人生ゲームを家族で。

皐月の三

●5月某日: よく寝た…てか、明け方ほんと冷えるな! 即位後初の一般参賀に、もんのすごい人が並んでいる(のをテレビで見る)。退位の前の最後の参賀もやっぱりそうだったらしい。東京駅付近まで並んでたとか。すんごいね。午前中からぐんぐん気温上がり、逃げ込むように川でひと遊びしてから帰宅。昼下がり、夫はサクの希望にこたえて映画(東映まんがまつり的な)に連れていく。エラい! 私はライブへ。

 

【「Music Train Vol.2」@ 音楽酒場ブギ】

ライブはやっぱりいいね。ライブ(を見る)仲間を増やしたい! 子育て中のお母さんたちこそ、ぜひ。自分を削り出すように書かれたアマチュアミュージシャンの歌を生で聴くのは、忙しい毎日で置き去りになりがちな自分の感性を取り戻せる時間になると思う。

高橋プランクトンが広島に引っ越しちゃってひそかに淋しんでいたので、福岡でライブをすると聞いて見に行った! 行ってよかった~。
座って弾き語る形式なんだけど、前回ここでライブしたときは椅子を壊したというプランクトン氏(笑)。この日も、壊れるまでなくとも椅子が倒れるか本人が倒れるかというシーンが幾度もありハラハラ(笑)

こんなにも激しくリスキーな歌い方をしなければならない、その理由はわからないけれども、「彼の歌はこうでなきゃならんのだろう」という説得力がすごい。
詞も、言葉が選び抜かれ精錬されてる。ひとつひとつが「この言葉でなきゃならんのだろう」と直感させるんだよね。

心に残ったフレーズの1つ、『綺麗なラブソングは強い奴にまかせて』。
綺麗なラブソングを歌えるのは強い奴なんだ・・・という定義、必ずしも賛同はしないけどすごく面白いと思った。

彼の歌は一貫して「弱い者」の立場から書かれているんだけど、絶対に閉じてなくて、すべて外に開いてて、それが何だかすごく泣けるんである。
この日のライブではないのだけど、高橋プランクトン『ロックンロール』をどうぞ。歌え、君だけのロックンロールを!


ロックンロール/高橋プランクトン

 

何の縁もない他人が作った作品なのに、距離ゼロってぐらい自分と近く感じる瞬間がある(逆に、「こんな奴がおるんかい!」もある)。音楽や文学などアートがくれるよろこびの1つだと思う。

『頓田の森』も生で聞けてよかった。1945年3月27日、大刀洗飛行場を狙った空襲で小学生31人が犠牲になったことを歌っている。
いったん歌がやんでギターが激しいノイズをかき鳴らすとき、惨劇の情景が思い浮かぶようで胸苦しかった。

この日のライブを企画した田口裕一朗さん。歌も、ライブのたたずまいもすごくみずみずしくて、あとからご年齢を聴いてびっくり感嘆。人はこんなにもずっとみずみずしくいられるのか。

今日の企画のタイトルにもなっている「Train」という歌が彼の雰囲気や作風にぴったりだと思った。彼の(良い意味での)ナイーブな感性は、そのときどきで立ち止まって、いろんな思いを歌にすることを必要とするんだろう。でも彼は、いつまでもとどまってはいられず、列車に乗って運ばれ続けるのが人生なのだと知っている。そんな感じがした。

サニーさんがサポートギターを弾いた、心を病んだ人への歌もすごくよかった。とても難しい題材なのに、薄っぺらくない優しさ・あたたかさが感じられる歌だった。

 

最近東京から北九州に引っ越してきて、北九州から博多までライブに来ていた清水舞伎子さん。
初めてのハコで堂々としたパフォーマンス! かっこいい~! 「東京ってすごいんですね」と、みやさんが感想を言ってた。まったく同感!

歌いっぷりもギターの弾きっぷりも、曲の作り方にも世界観が確立されてて、浸れた。
割と重くて悲しかったり捨て鉢になったりな世界観なんだけど、心地よく聴かせてくれる。声の響かせ方やギターアレンジにもポイントがあるんじゃないかと思う(わからんけど)。
ネガティブな感情を解放させてくれるライブってほんとすてき。

『酒瓶とマゾヒスティック』という曲タイトルを紹介する前に、「ほんと(重くて)すいませんね」とサバサバ笑ってたのも何かよかった。これぐらいさばけて重さをさらけ出して全然いいよね、って思えた。

サポートギターのサニー安田氏。
ごりごりと弾いていた(笑)。各ミュージシャンと練習する時間もほとんどないはずなのに、よう息が合うな。

一緒にやるすべてのミュージシャンと、すべての曲に対するリスペクトを感じるギターである。「IKILL」というバッジを胸に付けていた。「生きる」なのか「I KILL(ぶっ殺す)」なのか、どっちなのだ(笑)。

サニーさんの奥様の美哉さんとギネス飲みながらいろいろお話したのも楽しかった!
「ママじゃな」が駆け出しのころ、インタビューさせていただいて以来のご縁なのです。

mamajanaiwatashi.hatenablog.com

そうそう、ライブの前には天神をうろうろして、山本太郎も見た!

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国会での彼の質問を時々見ていて、これはただのメロリンキュー(←若い方はご存知ないかな?(笑))じゃないな、イロモノ国会議員じゃないなと。生で見てみたいと思ってたのでうれしかった。
ふつうの街宣とは違うスタイルで、自分の政策についてもかなり詳しく話す。
その内容は賛否両論だと思うけど、一聴の価値あり。何より市民にわかりやすく訴える工夫、気迫、体力、すごかった。

19時のジュンク堂のレジがすごい行列でなんかうれしかった! みんな 何を買ってるのかなー。本屋からヘイト本が撲滅されますように! 令和に祈るよ、マジで!

皐月の二

●5月某日: 夫は出社。サクと天神に行く。三菱地所アルティアム、アノラボによる「日常のとなり」展よかった! ちょっと不気味で面白い。人も少ないのでじっくり見て触って回る。立ち読みしたり買い物したり、たくさん歩いて帰宅。日中暑い! サクは夕方、帰ってきた夫とミニストップでソフトクリームを食べたらしい。夜ごはんは、合鴨ロースト(デパ地下で購入)、うるめの丸干し、ピーマン肉詰め、ソラマメのグリル、トマト、きゅうり。


●5月某日: 粕屋町某店でインドカレーを食べてから、義実家へ。昨日よりも暑いみたい。サクは半そで半ズボン(といっても夜になるとぐっと気温が下がるのであった)。庭で火をおこし、燻製を作る。

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「春日和 火おこしの子の無言かな」  エミ

ソフトバンクのデーゲームは楽天戦、乱打戦となり延長十二回までもつれこんだが、12-11でサヨナラ勝ちという、テレビで見る分にはなかなか面白い試合で会った。夜ごはん、あさり汁とアジ刺しうま~。ニラも。すごく眠くて、サクと一緒に寝る。

卯月の十四・皐月の一 / 平成から令和へ

●4月某日: 午前中、ランニング30分。サクは夫とイオン。好きよのう。午後、なるせ事務所で打ち合わせ。雨、まだまだ降る。

当初、今日は休肝しようと話していたが、良いアサリやマグロが手に入ったこともあり、「やっぱり飲むメニューにしようかと思うのだが・・・」という夫の打診に固い握手をかわす。ということで、アサリと小松菜としめじの辛いパスタ、マグロ刺と寿司(サクが握った)、鶏のピカタ、いろいろ野菜のコールスロー。これが我が家の平成最後メシ。

「平成紅白総決算」の第二部を録画で。ウッチャンバナナマンが「裏トーク」通常運転でどーっでもいい話しかしてないのがいいw SMAPのマイケルジャクソン追悼コーナーとか懐かしかった。綾瀬はるかperfumeとディズニーの親和性がただならない。


●5月某日: サク、「マジで令和になったな!」と起きてきたあと、「♪令和、令和、令和になって~うれしいのか~楽しいのか~わからない~」と即興の歌を歌っていた。世間のお祭り騒ぎの中、子どもの感性は素直でよいね。

さて海釣り公園へ。寒い! 全然釣れん。周りを見ても連れている気配がない。クラゲ以外の魚影が見えない…。ということで釣果はゼロ。でも釣りののんびりした空気って何となく楽しいものです(負け惜しみ?)。

 

帰りにコメダ珈琲。釣りをしながらおにぎりやサンドイッチ(夫の作)食べてたのもあって、家族3人とも初めてなのに誰もシロノワールを頼まないw おいてあった新聞を見ながら皇位継承権についてなど喋る。夫「やめなさい、不謹慎なことばっかり言って」w


facebookより)

ちょっとおもしろい(というかショックな?)ことが判明。

私 「新しい天皇は127人目だといわれてます。あ、最初のほうは適当やけんホントはもうちょっと少ないんだけどね。さて問題です。この中に、女性の天皇はいたでしょうか? いなかったでしょうか?」

息子8才 「いた!(迷わず)」
私 「お。なんでそう思う?」
息子「いやなんとなく。おるっちゃない? 知らんけど」
私 「正解です。では第2問。だいたい120人くらいの中に、女性の天皇は何人いたでしょう?」
息子「うーん。18人!」
私 「おおお。いい線いってる!」
息子「まぢか! せいかいは?」
私 「8人」
息子「あー、10人ちがったかー」

でも、いい線いってるよね。

120人中18人、つまり【1割にみたない数字】を思い浮かべた息子。
幼稚園でも小学校でも男女はほぼ半々だし、「男性が主で女性が従」なんて価値観を教えられることはないのに。

しかも我が家は超リベラルで、私なんか十連休の5日間終わってまだ一度もごはん作ってないんだよ?(※これでも3日目くらいからは夫に「作ろうか?」と声をかけております)

それでも、「天皇」という何となく有難そうな、偉そうな人の話になったら、女子は1割弱ってイメージを持つってことだ。
実際、衆議院に女性は1割。
福岡市議会も先日の改選まで1割。
閣僚は20人くらいの中で片山さつきだけだから0.5割か。
上場企業の取締役も確か0.5割くらいのはず。

息子はすでに、日本の世の中をだいたい正しく掴んでる。言い換えれば、刷り込まれてる。

元号「令和」を決める有識者会議でも女性は2人だったよね(林真理子宮崎緑)。全体が10人くらいだったから、2割か。

そういう、エラい人が大事なことを決めるような集まりに女性が1割くらいしかいなくても…というか、そういう現実の様子をいろいろと見る経験から、息子は「ま、そんなもんでしょ」と感じるようになってるってことだ。疑問を持たないってことだ。
刷り込みって怖い。
ノルウェーやフランスの子どもだったら、120人中18人とは思わないだろうな~。
教育が必要ですね。

夕方、サクはスイミング。夜ごはんは、サバの干物、もやしとひき肉炒め、みそ汁。今日は休肝

 

『いだてん』第29話「夢のカリフォルニア」

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[https://twitter.com/emitemit/status/1158023673699155968:embed#静岡の海(湖?)で本役になるとき怪獣映画みたいなBGMが流れたとおり、田畑は何やら不気味なとこもあるけど、水泳を愛する人間が「社会が暗い時こそ水泳を」となるのは自然だし「政治的にアレだからスポーツや文化交流を」は基本的に間違ってない。世界は誰か一人が悪くするわけじゃない]

[https://twitter.com/emitemit/status/1158269334742921218:embed#そして、2回見ても田畑の「勝っちゃん、ありがとう、おつかれ」で泣いてしまう。くそー、ずるいぜ。競技スポーツである以上、勝利は絶対命題だ。負けた者は去るしかない。変な情も持ち上げも慰めも、選手には邪魔だし失礼だろう。私たちに言えるのは「ありがとう、おつかれさま」だけなのだ。]

2019.7.23「耕論」より「社会運動家らの課題提起 ようやく光」稲葉剛

参院選2日後の朝日新聞「耕論」、最後は「日本人全体の貧困化と、その克服」について。
特に、私のような子育て世代~それ以下の若年層の方々におすすめの記事です。住宅費、教育費、そして老後資金など自分の人生に大きくかかわる社会構造を理解することはとても大事だと思います。よりよい投票行動や社会参加を助けてくれると思うからです。

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・年金2千万円問題によって、日本社会の「中間層」が経済的に痩せ細っていることがより明らかになった。

・この十数年間に、日本では貧困の問題が拡大している。

・日本で貧困が可視化されたのは、十年ほど前、派遣切りにあった人たちを支援する「派遣村」がきっかけ。

・それから10年で、「絶対的貧困」は改善した。支援が広がり、路上生活者は約1/5に減少。

・一方で、「相対的貧困」は拡大。生活が苦しい人が増えている。

相対的貧困の深刻化の要因は、政府の政策で非正規労働が拡大されたこと。

・非正規労働の拡大の目的は、企業の人件費負担の圧縮。

・現役世代にとって2大・重い負担は、住宅費と子どもの教育費。そのどちらも、正規労働者を中心とする「日本型雇用システム」が前提だった。
 終身雇用と年功序列(の賃金上昇)によって、30年もの長期住宅ローンや重い教育費を払うことができた。

・かつて老後が安定していたのは、ローン完済した持ち家と、夫婦2人の生活を支える年金があったから。

・非正規労働が広がることで日本型雇用システムは崩壊し、住宅費も教育費も、賃金収入で担う方式は無理になっている。

・にもかかわらず、政治は人々の生活を支える新しい仕組みを提示できていない。これが日本を覆う「行き詰まり感」の根っこ。

・(ここ、太字で書きたい!)
活動家の人でも、NPOや民間での創意工夫に関心があるだけで、政府の政策を変えようとする動きは低調。

・(引き続き、太字!)
貧困のような構造的な問題を解決するには、民間だけでは無理! 政府の巨大な力を活用して普遍的な支援の体制を築かなければ。

・今回の選挙戦では、野党が賃貸住まいの人向けに「家賃補助」を掲げたり、低家賃の「公的住宅」を拡大する政策を訴えた。

・選挙選でも生活への支援を充実するべきという議論がされたのは喜ばしいが、日本では投票率は低く、自己責任論が広まり、社会としての連帯感は後退している。

・ただし、先日の元ハンセン病患者の家族を支援する方向に政府が政策を転換した事実も。選挙対策だと言われたが、長年、当事者や支援者が地道に活動してきたからこそ。

・この社会にも「課題を設定する力」はあるということ。この力を現実の政治にまで結び付けていきたい。

(2019.7.23 朝日)
(稲葉剛 つくろい東京ファンド代表理事

2019.7.23「耕論」より「目先の経済成長訴え 抱え込むリスク」藻谷浩介

SNSはどうしてもエコーチェンバー(自分と似たような価値観・意見ばかりが反響している)になりがち。「へぇ~」と思った新聞記事をメモります、その2~。藻谷さんです!

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・経済は生き物なので、政策で好景気にしても何年かあとは必ず不景気になる。だから過去の政権は経済成長を数字で公約にしなかった。

・第二次安倍政権はそのタブーに挑み、選挙で勝ち続けてきた。

・「経済成長」という言葉を、消費税や年金、格差、マイナス金利など複雑な問題を見えにくくする「魔法の言葉」として使ってきた安倍政権。
 多くの有権者は理論はよくわからぬまま、その「真摯さを信じた」のでは?

・現実は、2012~18年で株式時価総額は年率16.1%の増加、GDP成長率は年平均1.7%。

・しかし、その間に政府の純債務が年率2.5%増加。
 個人消費は年率0.9%しか伸びず、多くの国民や企業には好景気の実感はない。

アベノミクスにより若者の就職率が改善したことを強調しているが、これは少子化団塊世代の退職が主要因。

年金問題。安倍政権が掲げる2%インフレが達成されれば、「マクロ経済スライド」が発動して、物価は上がっても年金は増えない。
 同時に、消費増税で年金受給世帯の負担感は増すことになり、ダブルパンチになる。
 これを理解して投票した年金生活者がどれだけいただろうか?

・日銀の「異次元の金融緩和」の副作用についても同様。

・本来政治が取り組むべきは、抽象的な経済成長などではなく、女性と若者の賃上げによる内需拡大少子化の食い止め。だからこそ参院選で多くの政党が最低賃金の引き上げを訴えた。

・わずかばかりの経済成長のためにとんでもないリスクを抱え込んだのがアベノミクスの実態。

・目先の経済成長を求めることは、来たるべき反動への不安をかきたてて、少子化を進めることにつながり、長期的にな日本の繁栄にはマイナスである。

…ということで、藻谷さんの主張は「いつもどおり」ですが、非常にわかりやすくコンパクトにまとめられていて保存版だと思いました😊

(2019.7.23 朝日)
(藻谷浩介 日本総研主席研究員)

2019.7.23「耕論」より 「長期政権 新たな人材遠ざける弊害も」牧原出

facebookより転載

SNSはどうしてもエコーチェンバー(自分と似たような価値観・意見ばかりが反響している)になりがち。「へぇ~」と思った新聞記事をメモります。

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・安倍政権は、衆院選のリセット効果をうまく利用して短い任期を積み重ねた「短期政権型の長期政権」

自民党にとって、今回議席を減らしたのは織り込み済みだろう

安倍晋三は、本質的には官僚システムの上に乗った政治家。
 国会でも官僚が用意したペーパーをそのまま読むだけだから話がかみ合わなくなってしまう。
「首相主導」が貫徹されていた小泉政権とはかなり異なる。

・安倍政権は時間をかけて政府の政策の幅を広げてきた。
 安保法制も、集団的自衛権を実際に行使するかはともかく、政府のオプション(選択肢)を増やしたという意味合いが大きい。

参院選憲法改正をほとんど争点にしなかったのは、改憲作業の重さを政権もわかっているから。

 ただ、3分の2の議席数をとれなかった = 改正の発議は無理 だからこそ、ポーズとして憲法改正を前面に押し出すかもしれない。政権末期の求心力を維持するため。

・また、改憲のために衆院で3分の2の議席を確保する必要がなくなったため、より身軽に解散できるようになった。

 
・新潟選挙区の打越さくら氏のように、統一候補なら勝てるということになれば、今後、有望な人材が野党に集まる可能性がある。

・反対に、与党は現職を外せないから新しい人材が入ってくる余地がない。自民党の「動脈硬化」は進みつつある。長期政権で選挙に勝ち続けてきた弊害が見え始めた選挙だった。

・とはいえ、立憲民主党の前途は多難。政権に近づくには共産党を引き入れるしかない = ある程度左に寄らざるを得ないが、その後どうやってウィングを中道さらに右に伸ばすか?

・しかも今回、れいわ新選組が大きな注目を集め、(立憲は)埋没する可能性もある。

・安倍政権が解散・衆院選を断行するかどうかは、消費増税後の経済がどうなるかにかかってくるだろう。

(2019.7.23 朝日)
(牧原出(いづる) 東京大学先端科学技術研究センター教授)

なぜ安倍政権を支持するか?

facebookより転載

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選挙前、ラジオで麻木久仁子が以下のように言っていて、すごく印象的だった。
今の若者は、上の世代とはまったく違う、厳しく閉塞的な状況を生きている。

目の前にシャッターが降りてきて、閉じ込められそうになっていて、あと2~3人ならばすり抜けることができそう…という状況が見えていたならば、人は何とか自分だけでも「向こう側」に滑り込もうとするのではないか?
それが安倍政権を支持する若者の気持ちなのではないか?

苦しい世代、苦しい集団として考えれば、野党の考えに乗って「社会を変えよう」となるかもしれない。

でも個人個人として考えれば「自分だけでも向こう側へ」のほうが合理的で確実性があるように思えても不思議はない。

向こう側とは、政権や、大企業のような権力ある世界。
なんとかそちら側に入り込んで帰属しようとする若者の姿を、私たち大人が責めることはできないのでは? こんな社会を作ったのは大人なのだから。

日本は今後いよいよ、格差社会を超えた【階級社会】になるのではないかと思っている。と麻木さん。

階級社会の枠組みは既にほぼ出来上がっていて、

・単純労働者として外国人の受入を決めた法改正
・選挙後の消費増税

この2つが、最後の2つのピースではないか?と。

2019.7.23 朝日新聞「なぜ安倍政権を支持するか?」町の声より。

●無職男性(23) 4年ほど前ホームレスになり、生活保護を受けている。

選挙では雇用や社会保障より安全保障を重視。「憲法を改正して自衛隊を明記するという安倍さんに共感できる」

●会社員男性(49) 独身。両親の面倒を見ながら実家暮らし。

アベノミクスは100点満点中10点。暮らしが豊かになった実感はない。しかし野党は揚げ足取り、個人攻撃に見える。安倍さんは日本のためにやっている。

●医療品卸売業男性(52)

長女が4年後に就職活動をするときにも景気が好調であってほしい。モリカケ問題や閣僚の失言、日韓関係の悪化などには不安があるが、家族のために経済を重視して自民に任せたい。

●無職女性(62) 子育ては終わり、夫はまだ働いていて暮らしには余裕がある。野党の演説は偽善的。格差社会は仕方がない。どうせ自民が勝つから棄権。

●パート女性(46) 政権が変われば建設作業員の夫の稼ぎが下がるかもしれない。現状維持を望む。

●非正規事務女性(29) 政策は知らないが「とりあえず自民」。消費税は8%にも慣れたから10%にもそのうち慣れる

●専門学校男性(20) 憲法改正し、将来的には国防軍を。国益を最大限守ってくれるのは自民党

●会社員男性(52) 自民支持ではないが今の生活に満足。野党は政策の議論に乏しく他に入れる党がない。

●会社員女性(37) 安定した政権がいい。子ども2人が保育園児なので幼保無償化も予定通り実施してほしい

●無職男性(72) 生活保護を受給。生きていけるだけマシ。安倍政権は外国にちゃんとものを言えるので見ていて痛快。

リアルや~!
やっぱり、コミュニケーションが増えていかないと変わらないんだろうな~と思う。

あいちトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」展示3日で中止へ

あいちトリエンナーレ内の『表現の不自由展・その後』展がわずか3日で中止になった。一言でいうと「暗澹とする」案件なんだけど、さまざまな問題点、論点がありますよね。みんなどう思ってるんだろう?

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●『表現の不自由展』とは…
日本では「言論と表現の自由」が脅かされているのではないか?
忖度や実質的な検閲によって、表現の機会を奪われた作品を集めた展覧会。
慰安婦問題、天皇と戦争、植民地支配、憲法9条、政権批判など、タブーとされがちなテーマの作品が並ぶ。

●なぜ中止に?

従軍慰安婦を象徴する「平和の少女像」などに対する批判が多く、電話対応など職員に多大な負担

京都アニメーション放火事件を想起させるような「ガソリンを持って行く」という脅迫もあり、安全面に不安

名古屋市河村たかし市長が取材で「日本人の、国民の心を踏みにじるもの」と話、作品の展示を中止するよう要請

 

 
私の場合、Twitterではこの件について多くの意見が流れてくるんだけど、
facebookではその数がぐっと、ぐーーーっと少ない。
これってある意味、象徴的だなと思います。

facebookは実名性が高いからこそ「政治的・思想的にナイーブな案件については思うところはあっても書かない」傾向になるけど、
SNSに書かないだけで家族や友だち、職場では話してるか? というと、そうでもないんじゃないかな、と想像します。

そして、リアルにしろ、SNSにしろ、
話題に上がらないことについては、人はどうしても考えない。意見を持たない。

もちろん、みんなそれぞれ生活に忙しくて、
すべての社会的トピックに反応するのなんて不可能だけど。

そうやって、私たちが遠巻きに見て、黙っているうちに、
あるいは全然気づかないうちに、
いろんな表現や、いろんな言論が、大きな声・権力を持つ声によって排除されてゆき、
気づいたときには、
大きな声に従うしかない世界
暴力と権力に屈する世界 
になるんじゃないかと思ってしまう。

というか、そうやって暗黒~な社会になってしまった例、歴史的にいろいろありますよね。日本にも海外にも。

少しずつでも自分の言葉を発する
声を発している人にリアクションする
そういうアクションが増えなきゃ、やばいんじゃないかな?と思います。

「ナチが共産主義者を襲ったとき、自分はやや不安になった。
 けれども自分は共産主義者でなかったので何もしなかった。

それからナチは社会主義者を攻撃した。
 自分の不安はやや増大した。
 けれども自分は依然社会主義者ではなかったので、やはり何もしなかった。

 それから学校が、新聞が、ユダヤ人が、
 というふうに次々と攻撃の手が加わり、
 そのたびに自分の不安は増したが、なおも何事も行わなかった。

 そして、彼らが私を攻撃したとき
 私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった」

  ~マルティン・ニーメラーのスピーチより


facebookのお友だちのみなさん、
「表現の不自由展」について、どんな思いをもってるんだろう~~~?

中止に賛成・反対いずれにしても、いろんな理由、いろんな見方があると思うんだよね。
知りたい~~~