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『掟上今日子の備忘録』 終わりました(9話・10話)

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もうかなり前のドラマになりますが、『流星の絆』での要潤が好きだったんです。事情を知らずにヒロインを好きになって、事情を知っても変わらず愛し続ける、優しい王子様な役どころが似合ってたんです。

だから8話のラストで出てきたときに、彼がほんとに昔の今日子さんと付き合っていてずっと探していて、って役どころだったらすごくいいなって思いました。岡田将生と要潤、どっちも心から今日子さんが好きで、彼女の幸せを心から願ってくれたら俺得だなって。でも違いました(笑)。要潤は過去の怨恨やら利害やらで今日子さんを騙し閉じ込めやがった!! しかしそういった、怖くて気に食わない役どころも要潤は非常によく似合うのでした(笑)。

澤野さとみとして教え込まれゆるやかに監禁されてる今日子さんを見てるのがつらかった。綺麗な家で、優しいダンナさんがいて、だけどやることが決められていて、何かというと「それは明日ね」。「今日じゃダメなんですか?」と聞くと「明日なんてすぐだよ」。今日子さんには今日しかないのに!

でもそこに厄介があらわれる! そして「今日を大切に」と言う。今日子さんの幸せを願う気持ちがこもった言葉なんだけど、そもそも忘却探偵・今日子さんがそんなふうに生きていたから、1日1日の今日を大切に生きることを大事にしていたから、厄介はそう言ったのだ。今日子さんのアイデンティティーを。

それでハッとした今日子さんが、ずっと寝ないようにして、ノタクリの日とか嘘ついて隣人と話すふりで偽のアリバイも作って、わずかな手がかりを頼りに厄介を探し出すくだりは本当にハラハラドキドキと同時に、カタルシスのあるシークエンスだった。

今日子さんは厄介のおかげで逃げ出すきっかけをもらったんだけど、それはもとをただせば今日子さん自身の生き方だったし、そこからの推理や行動は今日子さんだからこそできたこと。だけど厄介(やサンドグラスの仲間たち)がはたらきかけてくれなかったら逃亡は可能じゃなかった。厄介は、いつでもどこでも最悪の運で、これからだっていつだってそうなのだとネガティブに生きてたけど、「今日を、今を大切に」する生き方を知って、変わった。そして今日子さんを好きになった。いろいろ運が悪いおかげでさまざまな知識や経験や技能を身につけていて、それで人を助けることができるようにもなった。

いろんなことが、絡まり合ってる。個人の経験やアイデンティティーや、それが人に影響をもたらすことや、恋が生まれること。いろんなことがすごくうまく絡まり合って感動的!

厄介にキスをして「忘れたくないんです」と泣く今日子さんは、私たちがこれまで見てきた今日子さんじゃない。だけど厄介は動じない。「僕が忘れませんから」。そして自分もキスを返す。今この時の今日子さんの気持ちも、お互いが与え、与えられたキスも、いったん眠ればはかなく消えてしまう。それでも厄介が受け止めることができたのは、忘却への恐怖と悲しみに震える今日子さんに、安心してほしいから。今日子さんのアイデンティティーを信じているから。毎日忘れても、今日子さんは生き生きと明るく生きていけるのだと。その人生の豊かさを知っていて、そして、自分はそんな今日子さんがずっと好きなのだと、何度忘れられても毎日好きなのだと、わかっているから。泣けるー!

2人は何度も出会って何度も恋をする。

1日で記憶がリセットされるだなんて、とっても特殊な、非現実的な設定を扱いながら、「記憶ってなんだろう?」「忘れるってどういうこと?」「私たちはほんとに覚えているのかな?」「何が幸せ?」って、本質的なことを問いかけてくるような物語だった。これは原作のすばらしさも大きいんだろうな。愛し合って結婚したって、過去のときめきとか忘れちゃうよね。忘れるから楽になれることがある。今日(現在)と比べるから明日(未来)が怖くなることも。今日子さんは今日を生きる。今日も明日も、今日を大切に生きる。

ガッキーって、明るく澄んでいて、だけど地に足がついているような、得難い雰囲気を醸し出す女優さんだと思う。造りこまない演技なんだけど不思議に感情が揺さぶられる。岡田将生は何げに、とても器用な役者なのかな? 同じくガッキーと共演した『リーガル・ハイ』では、シリーズ1のほうを評価する人が多いようだけど、私は岡田くんの怪演(といっていいと思う!)も印象的で2も大好きなんだよな。今回も、「ヘタレだけど一途で、それだけじゃなくて包容力もある!」ていう役どころ、すごくステキだった。

わが家では、『ごちそうさん』で共演した杏さんと東出くんよろしく、ガッキーと岡田将生は結婚して良し!ってことになってます(上から)。

でも、続編も視野に入れた終わり方だったようにも見えるから、結婚はまだ先かな(おい)。本屋に行ったら、原作小説もシリーズものみたいだしね。

あ、助演陣もよかった。及川光博の汎用性って実はすごく広いよね!  

推理小説が大好きで、作家・須永昼兵衛(“夜”寝ると記憶が失われる今日子さんに対するところの“昼”兵衛だよね)の大ファンという今日子さんの設定。推理小説の中で推理小説を扱うというメタ設定や、今日子さんのオタク的ファン心理も、物語の中ですごくうまく作用してた。たぶん原作の作家がかなりの手練れなんだと思われます!

 

 

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